小出石北 西折立山から途中古道へ ’18.2.23 晴

小出石-三谷口-P432-府県界尾根-P637-P812-西折立山-途中古道-殿山林道-伊香立途中町 

 せっかく向かった山なのに、又しても雪が解けてしまいシューもアイゼンも無用のこととなってしまった。どうやら今冬は改過自新、すなわち自らの過ちを改めて、心を入れ替える必要がありそうな日々であったようだ。ともあれ、今一度の列島寒波の再来を祈るばかりである。

 今回は、関西の山人であれば花折峠はよく知られる峠道であろうが、いつものその取りつきはよして大原先の小出石から三谷口へ進んで、北の西折立山へ府県界尾根を登り、そして古の道である途中古道を降るものである。さて、国際会館(8:28)から小出石行の京都バス終点の公民館前(9:00)で下車し、10分も歩けば三谷林道先の登山口(9:10)となる。最初は三谷口の尾根から府県界尾根に合して、この尾根の最高点である標高点812、そしてすぐ東の西折立山(約820m)へ登ってみよう。

 ただ、P432を過ぎて府県界尾根と合流する590あたりは倒木多しで、踏み跡が消えかかっているために少々うろうろしかねないだろう。それでも合流点と次のP637のほぼ中間あたりでは、↓写真三番目の松の大木の付近は歩きやすくなっていることから、この大木の下を通過することとなるので背の高さを見上げて幹を触って元気をもらおう・・となることだろう。笑、この後すぐにひと登りで二番目の標高点のP637には、あの北山でよく知られる足跡さんのきれいな表示板が下がっている。
 なお、ここニ~三日は暖かくて降雪はなく、雪解けが早くまた南向きの尾根には残雪も530mあたりでようやく出てきたくらいで、今日の雪歩きはどうしようもないと諦め気分が強くなっていた。

       
尾根末端の登山口は割りき置き場   20分でP432の小ピーク 大木松に元気をもらおう・・ 足跡さんの637標示板 

 もちろん、700mあたりまで上がればいっとき長い平坦地が出てくるが、このあたりで植林帯は終わって雑木林となるあたりまで前進しよう。その先で頭を上げれば自然林の樹間より本日の高みでもある西折立山が見下ろしてくれる。すぐ先の足元には鹿の仕業だろうか、イヤ違う猪が雪を掘り起こしてミミズでも探し回っていたのだろう。あたり一面は細かい小さな雪ダマがコロコロと転んでおり歩きにくい。

 720mあたりから標高差70mくらいは部分的にある激急登箇所は苦しく残雪で滑りまくった。でも、すぐに790くらいで稜線に乗れば、今日ばかりはこれでも雪が充分残ってくれているような感じ、「お~残雪ヨ、ありがとう!」と思わず礼のひとり言を口に出して喜ぶのであった~。

         
 あそこまで100mも高さはない、涙    今朝だろう、猪の餌あさり場が出現    稜線には残雪が充分あり~

 稜線ではすぐには今日の府県界尾根最高点のP812到着(11:15~20)であった。こちらの表示をよくよく見れば「途中峰」と書かれてあった。「そうともいえるのかなぁ・・。」と思いながら右後ろの南側を振り向けば比叡山の山塊が頭を見せていた。もちろん、この812表示板の北側へ降りて行けばミタニ峠からナッチョへの道であるのだが、今日ばかりは用はないので見向きもしない。

     
途中峰とも書かれるP812の標高点    南には比叡山の頭があり 

 P812から東へすぐで標高約820mあたりの西折立山(11:25~28)であった。眺望には泣くもそうは言ってもこの時期だ、東の琵琶湖側にはどうにか樹間より霊仙山は見えなくもないが、すぐに辞してもう一つの同じような高さのピークへ行ってそこでお昼としよう。。

 
西折立山は樹林に囲まれ眺望は芳しくないが・・ 

 その小ピークは西折立山から東側へ30mほど南下したピークで途中古道への起点であるのだ。ここで下山後のバス時刻の都合上、それに今日は小春日和と思えるほど暖かそうなので、持ち上げたレイヤリングで寒くはなく、ゆったりと昼食タイムと用意の単行本(11:32~13:00)でもめくろう。。
 それにしても山頂にてこんな時を楽しむ遊びが持てる我が身がなんとも優雅そのものだろう、と勝手に喜ぶ・・。それもこれ「亭主元気で留守がいい・・」と山へ向かうのを送り出してくれる「山の神」に感謝のアラレ~と思っているのだが、ほんとうかな何が・・?。笑

     
昼食ピークの先に西折立山あり    座り込む昼の向かいに霊仙山 

 さて、頂でのミステリアス本の場はこれくらいにして腰を上げよう。今日の下山は大昔の山道だったのだろう。昨今ではほとんど人の踏み入れ等のなさそうな途中古道を下るのだ。考えてみれば、この道はどうやら伊香立方面の人々が途中集落から登りあげ、P812mで主稜線を乗越し、三谷峠を経て大見集落へ抜ける通い道としていたのだろうか。その意味ではP812は途中峠でもあろう。

 昼食場所の小ピークから100mほど降りていくと右からはっきりした道が合流してくる。この道はP812m付近の東側から山腹を巻くように通じる道であるのだ。このあたりで古道らしきえぐれた道型が目に入れば初めての場合は「エ~こんなところに道が・・?」とびっくりものだろう。その道が意外にはっきりしており、遠き古の頃にタイムスリップした感じとなろう。。

 まず、7分ほど下りれば東北東よりに見慣れた、イヤ、そうではなくて歩き慣れた山並みが飛び込んでくる。最初は樹林がうるさく見通しがやや苦しいが、さらに5分でご覧↓のようなパノラマビューポイント地が出現するのだ。それらは左奥より小女郎手前からホッケ山(1050m)に権現山(996m)、さらには、東に霊仙山(750m)が見せてくれる。次回こそ、来年になるかな・・?、厳冬期の多雪時に、この場所からのビューはどなたであろうとも、この眺望の白銀が招くこの山並み景色を目の当たりにすれば、驚きの万感の声大なること間違いなかろう。。

 ところで、本日登ったのは西折立山だったのだが、この↓の写真の中央に位置する権現山手前下に写っている黒っぽい山が『折立山819m』であり、こちらの西折立山のほぼ東に位置し、そして双方の標高がほとんど同じ山であるのだ。もちろん折立山は平から蓬莱山へ歩く場合の、アラキ峠から往復30分で登れるのがその折立山であるが、やや展望に泣く点でもこちらの西折立山に似ている点ではなかろうか・・?。

 
左より小女郎手前からホッケ山に権現山さらに東に霊仙山などの山並み 

 こうして、途中古道は雪がついておれば歩きやすい緩やかな道が続いているのだが、そうはいっても部分的には倒木も見られる箇所もある。総体的にはたおやかな古道の連続であるといってもよさそうだ。ところが、430手前あたりまで途中集落の麓からトノヤマ谷沿いに幅員3mの簡易舗装路が1090mにわたり上ってきて伸びているようだ。その林道終点から古道へは激急登でも登れなくはなさそうだが、本来の古道は林道へではなく、その一帯には杉檜の植林帯の境に走っており、そのあたりはやや細くなったり荒れたりしてやや不鮮明部分もある。

         
 吞気に鼻歌でも歌いながらの歩きOK   時には倒木等のアスレチックも楽し     雪が消えて緊張感なく平凡な道も

 林道ほぼ中間点くらいの390mあたりで林道に降り立ち、それより後は途中集落までトノヤマ谷を右に見下ろしながら林道殿山線の舗装路歩きで降りていこう。そしてゆっくり15分も歩けば江若バスの途中バス停(14:30~56)が、小川を渡った先の左に広いプレハブ小屋で建っており、その中はそんなに寒くはなく、着替えたり、行動食を口に入れたりのんびりできるのでありがたい。

     
殿山林道の標高390mの右から合流     麓まで下山、林道のプレート立つ

 やってきたバスには暫くは一人きりであったがJR堅田駅(15:18)を下車する時には10人ほど乗客がいたが、本来なら南庄道の学校帰りの生徒達が居れば満員となることもあろう。それにしても今回は目新しいルート取りでの山歩きが楽しめ、期待通りの雪こそなかった点を帳消しにしてくれた山歩きであった。これからも時期を変えて歩く楽しみができそうだ。

 本日は小出石公民館前バス停9:00から歩き始めて、途中バス停14:30下山で大休止込みでも5時間半ばかり、道のりは約7kmと超軽目のハイキングであった。歩いた軌跡は↓から拡大図でどうぞ。

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