野街道 アラ谷右岸尾根からの釣瓶岳 ’18.2.26 晴

 JR堅田=細川バス回転場-アラ谷右岸尾根-P886-縦走路-釣瓶岳-ナガオ-広谷-ダケ道-JR比良

 寒さの割には雪の少なそうな冬が続いている。そうは言っても白銀の雪原が比良北部ではまだまだ楽しめそうだとのことで、今年もアラ谷右岸尾根を登って釣瓶岳からナガオのお決まりコースとなった。細川バス回転場(9:46)から歩き始め10分ほどで野街道の杉林に取りつけば最初から急登の植林帯が随所に出現する。

 しかし、最初はこれだけ雪が少ないとジグザク道がかすかに見えるので、多い雪時のようにあまりに直に登るよりも楽であり、白い立て看板立つ500mあたりでようやくシュー装着である。そうは言ってもこの後はどうしてもストレートに登ろうとしてしまうので、なかなか辛い登りとなってきてしまう。もちろんそんな中の部分的にややフラット地があれば余裕ができて、今日は700mあたりの松林あたりだっただろうか、水準点(一級基準点、三級水準点)を見つけることもできた。この尾根は三度目だが初めて見つけたがやっぱり雪少ない今年だからだろう。さらに登れば植林から自然林に変わってきだすとようやく標高点の886地点だが、ここでは細くて若いナツツバキの二本が立っているのを目印としている。もちろんここでも一休みとしよう。

         
造林公社の立て看板地     大津市が埋めた水準点    標高点あたりに細いナツツバキ

 普通、標高点あたりは比較的フラット地点が多いのだが、ここ886地点は小さな丸っぽいピークで、ここまでやさらに上へも急登が終わらないほどきつく感じるのだ。そして950あたりからだろうか、ようやく雑木林が少なめになってくれる。そして野街道一番奥の民家裏の石垣植林地が10時ころだったが、比良縦走路の1040あたりに到着(12:10~50)であった。ここで昼飯だ。

 三年前に登った時には縦走路の杉たちが雪をかぶってさながらモンスターのような景色に感動したものだが、暖かい小春日和の今回は樹木たちにはまったく樹氷などあろうはずはない。ヤケ山からリトル比良など眺めながらゆったりとお昼としよう。もちろんあたりの雪庇もだらしない景色でさっぱりである。

         
950あたりはまだ雑木目立ち     1000まで上れば雪原広くなり   縦走路から東前に出て陣取り食べる 

 食べた後にもう少し雪庇を前進して北の蛇谷ケ峰を見ようとすれば、すぐ先の強烈な雪庇が円を描くように見えたのにはビックリだった。↓写真左は恐らく1000mあたりだろうか。それは頭にベレー帽を乗せたような景色が見られたのだ。よし、来年はあのそばまで行って驚異的な雪庇を目の当たりにしたいものだとの心積もりとした。

 さて、こちらの進路は反対側の南に進み釣瓶岳を目指そう。その前に250mほどの縦走路間にはシマリのない雪庇を見たり、北西側には白倉連峰やその奥の百里ケ岳、三国岳などが見えるのも楽しめた。

         
 左の杉の右側で一番手前の真っ白   シマラナイ雪庇しか見れず・・    百里や三国岳は見えた。 

 釣瓶岳近くになればなんとか雪庇もきれい~。今回は縦走路に昨日の2~3人のトレースありで、その跡を反対向きに辿ることとしよう。どうやら釣瓶南側から上って来て、イクワタ峠北峰から朽木栃生に降ったのだろうか。そのメンバーはイクワタ峠北峰手前上の凄い雪庇に大歓声をあげたことだろう。う~ん残念・・泣、そしてこちらは釣瓶岳だったが、いつもと違いあたりの道標や杉林には雪はまったく乗っていない。こんな景色でははるばるシューで上がってきた甲斐はない、この点もわびしい・・

       
 左には釈迦にカラ岳も見え ブナも元気だ。トレースも見え・・  ツルベ直前からの蛇谷が嬉しい  釣瓶岳の杉林に雪乗らず 

 釣瓶山頂も素通りとしよう。いつもであれば降り際の左手から伊吹山が見えるのだが、この山すら春霞の中のようだ。このナガオでも昨日のワカンやアイゼン組らしきトレースありだが、無視しながらきれいな白銀を踏もう。最初の1050地点からの武奈ケ岳がなんとか見られるも、今日ばかりはそんなに凛々しい比良の雄とは感じない。次のピークの左の方から堂満岳の頭が見えたのも久しぶりの青空のお蔭だろう。

     
 コヤマノ岳を従えた武奈ケ岳はやっぱり白い    武奈、コヤマノに堂満揃い踏み

 ナガオより北から三番目のピークからはいつものようにカラ岳のパラボラも見え、釈迦岳の姿もなかなかのものだ。北には先ほど通過の釣瓶岳、そして南西には1070の武奈ケ岳東稜がコヤマノ岳手前に台形状に見えていた。

         
三番目のピークから東に釈迦     北側には釣瓶、左一段低きニセピーク   中央の台形状は武奈東稜 

 次の四番目のピークからは北に蛇谷ケ峰の双耳峰がはっきりと見えていた。しかし、その奥の三重嶽、大御影山などの一角は霞んでハッキリとはいいがたい眺めであったのは惜しまれた。そりゃぁそうだ、白山はおろか、伊吹山すら見えない山歩きは、暖かすぎの引き換えものだろう。

 
四番目のピークから蛇谷ケ峰 

 今日のナガオの歩きもこれにてお終いだ。地形図表記991手前の990のさらに手前のコル付近から右へ少しで、ヤドリギ宿る背の高きブナを目標に駆け下れば、そこが広谷への谷筋入口だ。↓右二枚の写真のように雪たっぷりの谷の中を喜び勇んで降るも、短すぎて物足りない。

         
 Ca990手前コルあたりから右   左は振り向き、右は下りながら撮り、広谷への降りの谷筋は大雪バンザ~イ♪♪ 

 稜線から5分ほどですぐに広谷のサワグルミ立つ地へ着地である。でもここも雪少ないが道標は姿見えず、しかしカエデの右の木には「レスキュー広谷」の看板が雪から顔を出していた。右側の丸木橋を渡って、広谷の右岸側へ行けば細い支流から今度はトレースは無理やりに沢に2mほどの段差を滑り落ちて右岸側に移り、今度は5~6m上を又しても激急坂登りとしていた。こんな危険で無茶なルート取りした跡など踏みたくはない。さりとて支流左岸側は雪が中途半端でこれまた危険状態で誰も通過する勇気はなかったのだろう。

 こちらは、辺りを見渡しこれはヤバい!。と少し戻って望武小屋跡への斜面をトラバースすることとして慎重に小屋跡登り口あたりまで踏んだ。いずれにしても雪の状態によって注意すべき箇所であることも承知しておきたい一帯だろう。

         
 広谷のサワグルミの木   RP広谷、今日は丸木橋を渡ろう    広谷支流地は要注意箇所 

 イブルキノコバからは太いトレースが続いているも温度上昇により踏み抜きもあったりしてやや歩きづらい。しからばということで八雲ケ原でアイゼンに取り換えたが、ダケ道の雪は消えかかって、地が出ていたのは「RPダケ道1」あたりでアイゼンを手に持ち替えて下山となってくれたのにも驚きであったがまだ2月末なのだが・・。。

 それにしても八雲から北比良峠へ上がって、ケルン近くより武奈ケ岳の最後を眺め、「あ~今日もシュー歩きのロングトレースが楽しめた。」と満足し、後はゆったりダケ道をのんびり下って降りると、カモシカ台下の昨年10月台風による倒木被害地のコナラとウラジロガシの二本も綺麗に完全な状態に整備がなされていたのには感謝感激であった。

 今日ほどすばらしい青空のもと、一日中誰一人とも出会うことなく、とぼとぼとロングなシュー遊びができ、大満足でJR比良駅(16:30)へ帰ってこれた。まだ3月に入れば寒波が再来してくれるのを待つばかりである。

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