花脊 滝谷山から大見西尾根 ’18.3.25 晴

 花脊峠-杉峠-滝谷山-鯖街道-大見町-小野谷峠-大見西尾根-P845-花脊峠

 今年の雪の上りは京滋の山々でも早かったために、山好き人にとってはこのような雪解け後の山歩きに困ってしまうことになる。ということで適当な山歩きとしようと普段あまり入り込まない山塊へ向かってみた。まさかこれは北山の峠巡りといえるのだろうか。そんなつもりではなかったのだが・・。

 花脊峠は760mと高所の路線バスの行く峠である。これより北向きに大見町まではおよそ7kmにも及ぶ長い尾根であり、ハイカー以外にせいぜいマウンテンバイク利用者が楽しむ大見尾根なのだ。昔は鯖街道の内のひとつの古道であったのだが、今ではその道は足にやさしい道であったり、水の流れる小石が転ぶ歩きにくい個所の連続であったり、はたまた小さなアップダウンの繰り返しであったりと変化に富む道でハイカーには丁度手ごろなのか、休日には適度なハイキングの姿があるようだ。

 今日もバスを降りたのは10人ほどであったが、こちらは先に杉峠へ歩き始めた。その後はこの峠へ帰ってくるまで誰一人とも出会うことはなかったのだが、昨日の方が天気もよかったようだからハイカーは前日を選んだのだろう。先ほど下車した他のハイカーはどうやら和佐谷峠から大原へ下るとの声がバスの中で聞こえていた。

 こちらはいつものとおり気ままな一人旅である。早速日当たりのいいカーブ地点で咲くスゲはヒメカンスゲかなと思ったのだが、葉が大分広く触ってみると縁に逆棘があるために手がきれそうなほどざらついていたのでカンスゲであろう。結局今日この歩きには山野草は他に一花も目に入らなかった。
 そして杉峠の入口の大杉の間には小さな地蔵さんが置かれていたので無事に歩けますようにと首を垂れた。北山の山人によく知られるドコモのドデカイ鉄塔をこのようなすぐソバから眺めるのは初めてだなぁ・・、こんなに大きいのであれば四条大橋の上からでも、充分見えるのは当たり前だと眺めるのであった。

         
カンスゲが花咲かす    日陰で見難いが小さな地蔵さん    ドコモの目をむくような大きな鉄塔 

 大見尾根をドンドン歩けば、東南向きで地形の開けたあたりには荒れ放題のチロル小屋やキャンピングカーがまだ残っているが、大事な自然が台無し状態とは悲しい限りだと思うのだが・・。そのすぐ先が和佐谷峠で、こちらにも案内板は賑やかだ。先ほど同じバスを下車した他の人たちはここを東南へ降って、京都市青年キャンプ場百井青少年村から天ケ岳、そして大原へ歩くのだろう。こちらはこの道を降ったのはもう忘れるほども前であるので、いずれ歩いてみたいなと思いながら滝谷山へ向った。

 そして何か所かある滝谷山登り口の最初の尾根より登って行くことにした。この道はずっと自然林で心地よい。頂上には5分で着き、なんだすぐやないの・・と物足りない。だから昔の印象や記憶などとっくに消えるハズだ。もちろん下山は一番北側へ緩やかに雑木の中を降ろう。

 すぐに帰りに降りてくる予定の左手のP845の自然林が気持ちよさそうな光景を眺め、道は陸地谷へも降りられる地を過ぎれば一時右手に直角や左に曲がりだした。すると右手に東尾根へ続く取りつきらしき地である。こちらの尾根へもいつか歩きたいが、せめてその尾根の最高点であるP822あたりまででも往復したいものだ。

         
滝谷山 (876m)   左にP845手前の景色がよい     その先で右手には東尾根取りつき

 さぁ、予定通り鯖街道を進もう。でもこの先あたりから水はけが悪いのか、植林帯の影なのかぬかるんだ箇所が次第に多くなるばかりか、大雨などだろう、掘れたり崩れたりでこれでは二輪の方は困るだろうと思える箇所もあったりで、道は前半と比べて相当痛んでいるようだった。

 鳥居の壊れてしまっている志古淵神社はブルーシートが被さっているようでもあり、住人のほとんどないあたりのためだろうか、手入れも行き届かないような状態に見えた。その後すぐに高木となることで知られるメタセコイアが湿地帯らしき中へ立っていたが、まさか沼地を好むラクウショウではなかろう。

 この後は大見三叉路へではなく、反対の西向きに湿地帯周りを流れる沢沿いを遡って小野谷峠へ向かい歩き始め、花脊峠までの8Km弱の軽い登り気味で引き返すのである。その小野谷峠までの間で最初の湿地帯あたりは、これまでからの度重なる大雨等で道はほとんど消えかかっている。でも道はその内に次第に昔からの箇所も今のところはまだ残っているのでこのあたりだけは支障はない。

     
 メタセコイア   その内に消えるかもしれない麓道 

 そして森の中に入ってすぐに空が目の前に現れるとそこが小野谷峠であった。その峠の高い枝には北山で名高いピークハンターさんの「名盤」が小野谷峠だと教えてくれるのだ。

     
お~、ここが小野谷峠か・・    PHさんの名盤がかかり 

 この後すぐの急登の始まりとなるが、そんなに長くないために辛くはないだろう。でも小さなアップダウンは結構繰り返しであることを承知してスタートしたいものだ。こちらも含めて本日のコースは、山野草等は皆無だろうから樹木でも観察しながら楽しむこととしたい。

         
イヌブナの樹皮は白くない    ミズナラにブナ    食害に泣くナツツバキ 

 最初の標高点であるP771を過ぎれば、足元には背の低いアセビが蔓延して道を隠しているのが辛い。これが半端じゃなくて時にはあれ~、どっちへ行くの・・?、的な箇所もあったりした。そしてヤドリギの咲き残りだろうか、高くてはっきりしなかったのだが・・。その後にはマンサクがこれまた高い所へ咲いていた。

         
アセビが森となっている    ヤドリギの残花    マンサクも残花だろうか 

 タムシバは多く見られるもアズキナシやアカシデ等は個体数事態多くはなさそうでほとんど目にしなかった。

     
アズキナシやアカシデ    蕾多くつけたタムシバ

 この大見西尾根のP877が本日の歩きの一番の高みである。京都府下でも最高峰は皆子山ですら971mしかなく、どちらにしても京の北山歩きは体力的には問題はなさそうだ。この877ピークを過ぎ、相変わらず眺望はこの時期でもそんなによくもないので、通年での歩きの見どころはほとんどないのでは、と思っているうちに最後のピークであるP845から林道に降りてしまった。さぁ、この後は花脊峠へ帰るだけだ。もう少しで峠だなと思うあたりには昨秋の台風被害だろうか、派手な杉の倒木地が目の前に出てきた。

     
 P845から林道に下山   杉の倒木が痛々しい 

 ラインOLコース入口の案内につられて、ここまで歩いてきた林道とは違うだろうと山道を期待して入った。しかしこれは「花脊山の家」設置のコースとあるように初心者ハイカー向けのようで、テープだらけのものでおまけに派手な看板まで立てられる等、自然の中にはあまりに溶け込まないように思えたのである。そして、花脊峠のゴール地点にも↓右端画像で写ってないが他にも看板があったのだがこれ以上の感想はよそう・・。

         
 看板の自然度認識は?   この案内より花脊峠までまた林道だ    車道の花脊峠地へもこの看板、くどい

ホームヘ

180329.htmlへのリンク

inserted by FC2 system