西山に咲くスミレ ’18.4.4 晴のち曇
スミレ科スミレ属は日本で自生するものは約50種といわれているが、花好きな登山者には同定が容易ではない最たるグループだろう。そんな仲間たちが満開を迎えてきそうな時期となり、今回はその種の徘徊となってしまった。しかし、トップランナーともいわれるアオイスミレはすでに咲き終わっていたが、その他のスミレ達はまだまだ咲き初めの段階の種の方が多そうだ。
スミレといえばタチツボスミレはどこにでも咲き雑草扱いであろう。でも、よくよく観察すれば地上茎の代表のその仲間にはいろいろある。①~⑤までは地上茎がのびて葉が互生するグループだ。もちろん地上茎Gには他の種もある。もう咲き終わったアオイスミレもこのグループだ。
さらに、地上茎が発達せず、葉柄や花柄が根もとから出るいわゆる無茎種のグループが今回見たシハイスミレ以下等の残り種である。
①タチツボスミレ 側弁無毛 | ②アカフタチツボスミレ 葉脈に赤斑 | ③ナガバタチツボスミレ 側弁無毛 | ④ニオイタチツボスミレ 花柄微毛 |
⑤ツボスミレ 上弁と側弁毛あり | ⑥シハイスミレ 側弁無毛 | ⑦ハグロシハイスミレ 〃 | ⑧スミレ 濃い紫色、側弁有毛 |
スミレの距は長太く紫色濃い |
スミレより全体に小ぶり |
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⑨ノジスミレ 側弁普通無毛 | ⑩ヒメスミレ 葉柄翼無 | ⑪アリアケスミレ 上弁側弁有毛 |
他には葉の基部があご状にはりだすことで知られるアギスミレらしきものは今回は葉のみで、花をつけていなかったために未撮影だったが、次回には撮影を忘れないでおこう。西山では他にコスミレやヒナスミレも見てはいるのだが、咲くのは本日の徘徊地以外である。さらにコタチツボスミレ、フモトスミレやケマルバスミレも咲くと聞くのでいつかは出会いたいものだ。
さて、スミレ科以外の山野草もいろいろ咲き初めの春爛漫である。中でも④、⑩に⑪は花そのものが小さすぎて見逃しやすいだろう。山野草では他にムラサキケマン、シロヤブケマン、カキドオシなどのよく見る雑草なみの花に、ニシノオオタネツケバナ等のタネツケバナ属たちやミヤマハコベのハコベ属の仲間たち、さらにはニシノホンモンジスゲ等のカヤツリグサ科の仲間たちなども多数咲いてきたが、きりがなさそうで撮ることすら止めてしまった・・。笑
花弁、葉が母種より大き目 |
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①サワオグルマ 咲き初め | ②オオジシバリ 咲き初め | ③ウマノアシガタ 咲き初め | ④ タガラシ 満開 |
春の七草のホトケノザは本種をいう |
葉柄と両面に長毛と腺毛 |
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⑤カンサイタンポポ 満開 | ⑥コオニタビラコ 満開 | ⑦チャルメルソウ 花弁3~5裂 | |
⑧トキワハゼ 匐枝はださない | ⑨キュウリグサ サソリ形花序 | ⑩ハナイバナ サソリ形花序作らず | ⑪ノミノツヅリ * |
* ⑪ノミノツヅリ(ナデシコ科ノミノツヅリ属)はハコベ属とは異なり花弁が裂けない。萼の先が尖る萼片より花弁は短く、花弁には長い柄あり。また葉は長さ5mm前後の広卵形~狭卵形で柄無しの対生。なお、花弁が裂けない種にツメクサという名の花もあるが、こちらの花弁は萼の先が丸っぽい萼片より普通長く、葉が厚く長さ1~2cmの線形であることが相違点である。
続いて木本類であるが、今回は麓巡りのためにほとんど開花のものには出会えなかった。ただ、タムシバが満開だったようだが、高くて離れた場所て撮ろうとの気力不足の対象種であったのだ・・。。
①ナガバモミジイチゴ 満開 | ②ニガイチゴ 咲き初め | ③クサイチゴ 咲き初め | ④クロモジ 満開 |
⑤ヤマザクラ 咲き初め | ⑥ウグイスカグラ 花柄、花弁無毛、有毛はヤマウグイスカグラとなる | ||
⑦ウリカエデ 咲き初め | ⑧コバノミツバツツジ | ミツバツツジの仲間でシベが10個の種は多いが、ポイントは葉柄が有毛 |