山歩きと花歩きの釈迦岳から武奈ケ岳 ’18.5.16 曇
比良駅-大津ワンゲル道-釈迦岳-イブルキノコバ・冬道-武奈ケ岳-西南稜-ヨキトウゲ谷-正面谷-比良駅 |
今回はやっぱり山歩きとしよう、と大津ワンゲルから登りだしたのだが、釈迦一帯の大満開のシロヤシオに圧倒され、歩くより花歩きとなりかけた。だが、カラ岳あたりで花も一段落となり、気を取りなおしたことから、結果として当初予定コースをボッカ訓練もでき、アルトレとしての夏山に備える山歩きに加えて、花歩きまで楽しませてもらったことから、大満足の一日とすることができた。それにしても一番電車で歩き始めてから10時間もかかったのだが・・。笑
シロヤシオ(ツツジ科ツツジ属) 愛子様の御印として有名な格調高き樹、別名ゴヨウツツジ、マツハダ | |
釈迦岳山頂からのシロヤシオ越しに蛇谷ケ峰 | 五葉の縁は紅色を帯び美しいのも特徴の一つ |
比良山系で地形図上に標高表記のある1000峰は15座あるが、その一つである釈迦岳(1060.3m、3等三角点)のこの時期にはツツジ科のいろいろが多数咲き誇り、実に見事な稜線歩きが楽しめ素晴らしい。なお、以下種名のみで属名表記のない種はすべてツツジ属である。
モチツツジ | ヤマツツジ | ユキグニミツバツツジ | レンゲツツジ |
ドウダンツツジ属のサラサドウダン(別名フウリンツツジ)もいろいろ変化あり、紅色の縦筋の多い少ないや色あいの濃淡なども見比べながら歩くのも楽しみのひとつであろう。
花が濃紅色で縦筋が薄い ベニサラサドウダン似か・・ |
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縦筋の比較的多い種 | 紅色の比較的濃い種 | 紅色が薄いがこれから濃くなるのか |
次の種はツツジ属ではない種だ。
この種にも花柱が花冠より長くつきで るものをチチブドウダンと言われる樹も ある。 また、シロドウダンという近縁種もあり 、いろいろな変化を知った上での観察は より一層山歩きを楽しませてくれるに違 いない。 |
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ウスギヨウラク(ヨウラクツツジ属)色変化多 | ベニドウダン(ドウダンツツジ属) | アカモノ(シラタマノキ属)低高山に咲き |
ところで、次の花はサラサドウダンの仲間である花色が白色に近いシロフウリンツツジといわれるが、この種を関東方面では出会っていたが、この山塊で初めてのお目見えとなった。
花色がサラサドウダンとは異なり白っぽい | シロフウリンツツジ(ドウダンツツジ属) | 葉枝先に普通5個集まってつくのは同じ |
その他にはイワカガミがまだまだ咲き残ってハイカーを楽しませてくれている。それに武奈ケ岳ではミツバツチグリが満開となっていた。もっともこの花を最初はミツバツチグリだろうと同定したが、その後標高1200mの高いところでも咲くのだろうか・・?と思いだし、ツルキンバイではと訂正したのだが、どうもそれにしてはずれている点がありそうで、止む無く以前から知り合いの方へ鑑定しなおしてもらった結果が当初判断どおりのミツバツチグリとなったものである。
この種は野の花と言っていいくらい田んぼの畦道や草原でよく見かける花なので、1200mもある武奈でミツバツチグリはないやろう・・と思ったのだが、いろいろ調べてみると、やっぱりミツバツチグリのようだった。その根拠は3小葉の仲間では葉が長楕円形でやや細長く見え、また葉裏の葉脈は隆起しやすいことからミツバツチグリと見直すことにした。
もちろん、これら以外にもいろいろ咲いてはいた。それらはチゴユリが満開で、タニギキョウ、クルマムグラが終焉となっており、木は蕾類がタンナサワフタギ、サワフタギなどが多数見られ、上部ではカマツカがまだまだ蕾であった。エゴノキは咲き初めで、コバノガミズミは終焉だろう。タニウツギはいろいろな咲き具合があり、ウツギの早い組はもう咲き初めとなっていた。
ところで、今回もバラ科のアズキナシ(落葉高木)の開花を楽しみにしてたのだが、大木3本に出会ったにもかかわらず、ズームで空高く追って確認すると花はまだまだ蕾状態だったのが悔やまれた。もう少し先に枝の低めな山へ方向を変え、蓬莱へ向かうより仕方なさそうだ・・。
イワカガミ(イワウメ科イワカガミ属) | ブナの大木とともに釈迦山頂 | 比良山系最高峰 武奈ケ岳(1214.4m) | ミツバツチグリ(バラ科キジムシロ属) |