京都西山に咲く花 ’18.5.22 晴のち曇
蕾で後しばらくで開花または次に開花するであろう種 ササユリ、ナルコユリは蕾でマルミノヤマゴボウも蕾長しであり、ウバユリの葉が次第に成長するも、この種もササユリ、ナルコユリとともに鹿の食害が危惧されるので開花までもってくれるかが心配である。
咲き初めとなっている種
サワギク 別名ボロギク | 小池にサイコクヒメコウホネ咲き初め | 大群生でシソバタツナミが咲く |
終盤あるいはほぼ終焉の種 以下以外にはノアザミ満開、コウライテンナンショウ等のグループ、クリンソウ・ウマノアシガタ・キツネノボタン残花、ウワバミソウ、ニョイスミレ等終了、また、花は終了し果実となっている種にはツルカノコソウ、ヤブニンジン、ヤブジラミ等
ほぼ終焉だが咲くキツネアザミ 棘無 | 今年やっと出会えたラショウモンカズラ | このミヤマヨメナも終盤だろう |
どちらの山歩きの中でも出会うことの多い黄色花の三小葉の似通った種の内で、ヘビイチゴという名のつく種にオヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴがあるがその区分点を見てみよう。なお、ヤブヘビイチゴも咲くのだが、今回は出向かず画像なし
オヘビイチゴ(バラ科キジムシロ属) | 左の茎下部につく五小葉 | ヘビイチゴ(バラ科ヘビイチゴ属) |
画像からこれら三種の主たる区別点を下記のとうり整理してみた。
花名 | 属 | 葉 | 花の大小 | 花後の果実は | 副萼片の形 |
オヘビイチゴ | キジムシロ | 茎上部に三小葉、下部に五小葉 | 直径約8mmと最小 | 花床がふくらまずイチゴ型果実作らず | 萼は副萼片とほぼ同形 |
ヘビイチゴ | ヘビイチゴ | 葉は三小葉 、葉の先の方が広い | 直径1.2~1.5cm | 花床がふくらみイチゴ型の果実となる | 副萼片の先は3裂し大きい |
ヤブヘビイチゴ | 〃 | 〃 、葉は真ん中付近が広く先尖る | 直径2~2.5cmと大きい | 〃 | 〃 |
さて、山野草が端境期となり、木本類の開花が進んでいる。いよいよこちらの種の楽しみで忙しくなりそうだ・・。今回咲き初めとなっていた①タンナサワフタギのハイノキ科は多くの種を持つのだが、その内に落葉樹は日本では4種しかなく、関西圏では普通に見られるのが①と②サワフタギである。最初は今回咲き初めとなってきた①とその仲間の3種について考察してみよう。まず①の花と葉の画像からだ。なお、他の二種は③クロミノニシゴリと④クロミノサワフタギだ。
タンナサワフタギ(ハイノキ科ハイノキ属) | タンナサワフタギの葉の様子 |
①から④の主たる相違点、私的には花は素人目にはほとんど差異がないようなため省きたい。また④についても山口県と九州にまれに生えるとあることから省略としたい。なお、関西圏では①が②より圧倒的に多く目にするように思える。もちろん③や④は希少種でほとんど出逢うことは少ないだろう。
葉身、幅等 | 葉の姿 | 鋸歯 | 葉の先端 | その他の特徴等 | 果実色 | |
①タンナサワフタギ | 4~9cm、3~5cm | 倒卵形 | 尖った粗い鋸歯 | 急に尾状にやや長く尖る | 鋸歯の粗く鋭いのがポイント | 黒紫色 |
②サワフタギ | 4~8cm、 | 同上または楕円形 | 細かい鋭鋸歯 | 短く尖る | 両面とも毛ありでざらつく | ルリ色 |
③クロミノニシゴリ | 3~10cm、2~4cm | 長楕円形 | 微細な鋭鋸歯 | 〃 | 葉は無毛が他との違い | 黒紫色 |
④クロミノサワフタギ | 細かい鋭鋸歯 | 樹皮が桜と似て横に裂ける | 〃 |
以上のような相違点が図鑑等にあるが、実際にはなかなか花はもちろん葉でも同定は並大抵ではないだろう。そこで、結果としてフィールドでの同定の一押しは果実時だろう。秋9月ころになれば実が稔ってくると各々果実色がポイントとなろう。特にサワフタギの実がルリ色であるのに比べ、タンナサワフタギ等は黒紫色である点で容易に区別できるのだ。
では木本類の最後をご覧いただこう。主たるものでこの他にもいろいろ咲いていたり、先終えたり、果実化となったりで観察は完了とはならず時間切れとならざるを得なかった。フゥ~
クロソヨゴ去年咲かず、今年は大満開 | ヒメウツギも咲き初め | チドリノキ果実の翼はほぼ直角に開く | ヤブデマリはほぼ終焉となった |
イボタノキはこれから満開へ | コゴメウツギは満開となり | 装飾花の無いコアジサイも咲き初め | テイカカズラは峠を越す |
覚えているものだけでも次のとうり、ネズミモチ・ソヨゴ蕾、ウツギ咲き初め、スイカズラ満開、ツリバナ・モチツツジ・エゴノキ終盤、コマユミ・カマツカ終了、クロモジ・ゴマギ・ウワミズザクラ・タカノツメ果実化