ジカバチソウ咲く ’18.6.1 晴

 今回は河岸を変えよう(笑)、同じラン科でもジカバチソウが咲くころだろうと登ってみたのだった。見事に、してやったりの満開時に出会えたのである。超ラッキー!・・、さぁ、これで帰ろかナ・・?、なに~・・せっかくやってきたのだから、も少し歩いてみてはどう・・?

     
ジカバチソウ(ラン科クモキリソウ属)    花姿を蜂に見立てた名というが・・ 


 もすこし進めば、今度は日当たりのよい草原に一本きりのヤマトキソウが咲いているではないか。この花は先日別の山で大群落を見ている種のために、「な~んだ~、一輪ポッキリか・・」ということになる。でも、この希少種に対して、なんたる失礼な言い草ではないのか。しかし、なぜもっと友を増やさないのだろう・・。との不思議さを考えると、この地は貧栄養の地なのだろうか・・?

 
 ヤマトキソウ(ラン科トキソウ属)*

 *この花は小型で上向きに咲き、ほとんど開かないので、これで満開といえよう


 さて、ジカバキソウ以外にも、思いもしないランを愛でさせて頂いたのだから、充分満足な山日和となったと考えよう。でも、蛇足ではあるのだが、何とか咲いてくれてた主たるものだけでも貼ってみよう。本日歩いた最初から最後までずっと咲いて見せてくれてたのはネジキとガンピの二種であった。

     
 ネジキ(ツツジ科ネジキ属)*1   ガンピ(ジンチョウゲ科ガンピ属)*2 

*1 ネジキとは樹皮が捻じれていることからの名である。しかし、山歩きの中で捻じれている木肌を持つ樹木は他にもいろいろあるので素人目には容易ではないだろう。例えばアセビ、シャシャンボもその点では紛らわしい・・。ところで、ほとんどが美味しい実をつけるツツジ科のグループで、もひとつの話題として有毒種があることも山人として知っておいて損のないことだ。その種は前出のアセビ、ネジキに他にもレンゲツツジ、ホツツジ、ハナヒリノキなどが低山歩きの中によく出会う種であるので注意したい。

*2 ガンピは奈良時代と古くから製紙原料として用いられていたとのことである。もちろん、その他にもミツマタ、コウゾとともに和紙の原材料として使われてきた日本の和紙の三大原料といわれた。幹ではなく皮の部分の繊維を利用するのが特徴だ。


 
 キンコウカ(キンコウカ科キンコウカ属)

 他に山野草ではキンコウカ(金黄花)が少しばかり咲き初めとなっていたが、ほとんどがまだ蕾であり、湿原にはこれからドンドン咲いてくることから、大いに黄色花が広がって見事な眺めが期待できることだろう。それにつけても、この花は亜高山帯から高山帯でもよく見られるが、低山の山地にある湿原においても群生することでハイカーにも知られている花であろう。


 さて、今回歩きながら目に入ったもの他のものは、概ね次のような種であっただろうか。ランダムだが、思いだせるかぎりピックアップしてみよう。

 まず、草本類だが、開花はわずかしか目につかなかった。ニガナ、ハナニガナは花期が長いがそろそろ終盤だろう。タツナミソウは咲き初めで、ノギランは蕾、オオバノトンボソウは茎が立ち上がったばかりで6月末頃の開花に向けてそれまで鹿の食害や人間様の盗掘に対し、しのげるかが問題だろう。
 その盗掘の心配はササユリにもあり、今回はその幼葉しか目につかなかったのだが、この山域ではササユリの開花は6月中の期待もあろう。もちろん、モウセンゴケの仲間のイシモチソウは終わっていたが、本家のモウセンゴケは葉のみが元気であり、しばらくで開花のスタンバイとなろう。

 最後に木本類だが、さすがにこちらはいろいろ他にも見られた。開花中がウツギ、ナツハゼ、ソヨゴ、イヌツゲ等で、開花終盤がコツクバネウツギ、テイカカズラ、エゴノキ、果実がついてたものはヘビノボラズ、サルトリイバラ、アオハダで、アクシバは蕾であった。猫の喜ぶことで知られるマタタビの開花も期待してたが、開花が目につかなかったことは花がもう少し先であるのだろう。

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