京都西山に咲く花 ’18.6.2 晴

 

 今回はムヨウランを見にでかけてきたが、朝の9時半ころだったために花は萎んだ後か、はたまた終わった後かであり、さらに観察を続けたいのだが・・。ただ、ムヨウランの仲間にはいろいろありそうだが、西山の植物リスト上にはムヨウランのみの掲載であり、発行が古くどうやらそれにホクリクムヨウランも咲く可能性もあって定かではない。でも、この花の一部から見て、ホクリクムヨウランの可能性が高そうだ・・?。以前に見られたムヨウランらしき花後のようすはこちらのページにあるのだが・・。
 しかし、ムヨウランの仲間たちには数種あるも、その近縁種でもあるヒメムヨウランは出会っているが、その他は未見ばかりである。なお、この花は常緑樹林下に生える多年草だが、葉緑素をもたない菌従属栄養植物であることから、山歩きの中では気づかない場合が多い。でも、たまたま出会ったとしても、盗掘し持ち帰ったりした場合、すなわち移植した場合は100%枯れてしまうことから完全不可であり、そのために花の命はなくなることを知りたい。ともあれ、その場で咲く花を愛でることを肝に銘じよう。

     
ムヨウラン(ランン科ムヨウラン属)   

 近年、この林内に生える常緑の多年草のイチヤクソウもウメガサソウ等とともに盗掘の絶えない種であろう。この種は鹿の忌避植物であることから、山の開発等でもない限り盗掘以外には消える原因はなさそうだ。これまた大事に見守りたい種なのだ。

     
 イチヤクソウ(ツツジ科イチヤクソウ属)  

 ユリの花もいつ見ても心惹かれる素晴らしい種ばかりだ。ナルコユリは今はもう咲いてくれている。でも、ササユリはどちらの山でもいわれるのだが、近年盗掘やシカの食害等で数少なくなり絶滅に向かいかねない種でもあろう。ここ西山では心ある花好きな方達の手によって、鹿除け柵等による手厚い保護がなされている所だけで、細そ細そと数えるくらいで咲いてくれるのだ。しかし、その保護柵内でも蕾を10日前に見てから、まだそのままの状態であった。でもやっと後一週間ほどで開花を迎えてくれることだろうとまたまた待機中となってしまった。

 しかし、ウバユリは鹿は現在では食べたり食べなかったりの種であるのだが、どうしても里山あたりに多いために、心無いハイカーの盗掘というより、切り取るという花摘みの被害にあってしまう花なのだ。お互いに山歩きの中でそのような行為を見かけた場合には、勇気を出してやさしく注意しあいたいものだ。

 もちろん、ラン科のオオバノトンボソウも鹿の食害はもとより、盗掘が絶えない種でもあろう。この花も葉の展開が始まってから蕾そして開花となるまでに2~3月とかかり、えてしてこの間に食害の多いことから蕾さえできないまでに姿を消す個体のなんと多いことだろう。
 群生ではなくポツンポツンと散らばって生えることからかえって鹿の目に留まるのだろうか。増えすぎた小動物たちの被害多発から、これらに対するいろいろな考えがあるにしても、昨今は人の手による自然の中で生きる動物たちを調整することをなんとか考えてみてほしいものである。

     
 ナルコユリ(キジカクシ科アマドコロ属)   ササユリ(ユリ科ユリ属)長い間蕾 
     
 ウバユリ(ユリ科ウバユリ属)長く続く蕾の間    オオバノトンボソウ(ラン科ツレサキソウ属)

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