希少種タシロラン ’18.6.30 晴のち曇
台風が近づく暑い日となりました。今年もタシロラン(ラン科トラキチラン属)に出会えました。そのタシロランは「九州で発見されて以来、府内では約50年間見つからなかったが、近年近畿でも和歌山、奈良、三重の各県、京都府などで発見された。」と京都府レッドデータブックにあるのですが、どうやら近年多く見つかったところは、落葉が永年堆積して腐葉土化したところで、落ち葉などの養分をもらって根に菌類を共生させ菌類を介して養分を得る葉緑素をもたない菌従属栄養植物のようです。
しかし、花そのものはラン科独特の姿で何とも不思議そのもののようです。どこから眺めても表現のしようがないほどのもののように見えるのです。考えれば考えるほどにこれはな~に・・状態です~~?。うふふ、笑笑、でも、タシロランの咲いているあたりでも、その花の共生菌といわれるイヌセンボンタケらしきキノコは目にしないなぁ・・?
タシロラン(ラン科トラキチラン属) | タシロランの花は特にうす暗いところを好むようで写真は難しいです・・泣 それにしてもタシロランの唇弁の斑点は紫色というか独特の色あいですね・・ |
|
明治39年長崎で植物家の田代善太郎が発見し、牧野富太郎博士により命名されたといわれます。 | ぼんやりとしか見えませんが、子房の下側にはスミレのように距もあるんですね。 タシロランの花の構造も面白いですね。花柄、苞、子房に距、背萼片、側萼片があり、そして側花弁と唇弁とまさにラン科の花の造りがすべて揃っているようです。 |
|
京都府カテゴリー=要注目種 環境省カテゴリー= 準絶滅危惧(NT) 近畿レッドデータブックカテゴリー=準絶滅危惧種 |
背も30cmほどもありなかなか瀟洒な森の妖精のよう | |
タシロランは葉緑体を持たず真っ白の花
タシロランは、ナヨタケ科の菌類に従属して栄養を得ている菌従属栄養植物です。
ナヨタケ科の菌は腐生菌、落葉や落枝などを分解するきのこのようです。
生える場所は毎年同じではなく、場所も量も年によって変わるそうです。
|
タシロランはこのように倒木たちがお好きなよう・・? | |
この花の芽出しから開花準備が始まったようです。 |
地上に現れている期間は、8日間ほどだそうです。その短い期間に、何も無いように見える土の中から、一気に茎を伸ばし、花を咲かせ、種子を作って子孫を残し、一生を終えます。と「花さんぽ」さんのページにありました。何はともあれ地上での短い命には驚きものです。いつまでも未来永劫人類を楽しませてあげてほしい種ですよね。 |