シャシャンボ咲く ’18.7.2 曇

 今回はシャシャンボの花を目当ての徘徊であった。これまでからシャシャンボの観察はなかなか花までとは至っていなかった。ネット上にも、「生育している個体数の割には開花・結実しているものが少ない。森林の中に生育しているものでは、ほとんど開花・結実しないのではないかと思う。公園の中に残されているものや林縁で十分に光を浴び、ほとんど剪定されない状況でなければ、花を咲かせないのではないかと思う。」と専門家の先生でもそんなに目にできない種とおっしゃっているのだ。そんなわけで生物の素人の山歩きでは、よほどのことがない限り目にできなかったのも当然な樹木であることが分かって胸をなでおろした。ヤレヤレ~

 この種の葉は常緑樹だから、落葉樹と異なりそんなに特徴のある葉ではなさそうだが、それでもよくよく観察すれば面白い点があるのだ。それは葉裏で、他の樹種にはそうない区別点である。葉裏主脈に5個ほどの極小さな突起があり、葉先から基部へ向かって人差し指の腹でさすってみるとその突起に気がつくことだ。これらの点を知っておればフィールド場では、花も実もない時期であっても同定完了だろう!・・。笑

 シャシャンボはツツジ科スノキ属で、高さ大きくは5mほどにもなる常緑樹であって、花は5~7月に下向きに白い壺形の小さな花を咲かすとあるが、当地では6下~7月上旬のころに開花するようだ。前述のネット上にも開花について次のような記述がある。
 「花をつけている枝は細くて長さ10cm前後で前年に伸びた枝と思われる。葉も普通の葉に比べて小さく、その葉腋から長さ5cmほどの花序が出ている。葉に隠れて花序は見つけにくい。花は小さな壺形で、長さ5mmほど。先端は5つに分かれ反り返っている。表面には白色の微毛が密生している。」とあり、今度は白い花の表面をルーペで覗いて見たいものだが・・。

 そして秋9~10月ころになれば5~6mmの球形の果実は黒紫色に熟してくるのだ。すると果実はじつに甘酸っぱくておいしいとされ、まさにブルーベリーの味のような美味さと言われる。どうりでブルーベリーの台木にも利用されているらしい。今年こそ、その味を賞味してみたいものである。

秋には丸い小さな実が多数つく様子を小さい坊や、すなわち小小ん坊と呼んだものが転訛してシャシャンボになったといわれるようだ。

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前年枝から出た花序に小さな白色の花が下がる    葉身の長さ2,5~6.5cmの葉は照りふちに浅い鋸歯 

 次は木本類と草本類の一部であるが目についた種をみよう。

     
 ノブドウ花と実   ノブドウ葉と蕾 
         
 ナワシロイチゴ実     イソノキ実  ネジキ実

 期待するほどの野草類が少ないのは致し方ないだろう。

     
 カキラン花終焉    ヒナギキョウ満開
     
 ノギラン咲き初め    ノギランの葉姿
     
 トウカイモウセンゴケ花終焉    左の葉姿はスプーン形

 帰化植物もその見方は人と一緒でいろいろな特徴があるのだろう・・。

         
 ハナハマセンブリは外来とはいえ可愛らしい   派手なつくりのオオキンケイギク*     左の葉姿

*オオキンケイギクは北アメリカ原産の帰化植物で、初夏には河川敷や道路沿いに大群落をつくることが多い。しかし、繁殖力が強く、荒地でも生育できるため、緑化などに利用されてきた。河川敷や道端の一面を美しい黄色の花々で彩る景色とはいえ、カワラナデシコなどの在来種に悪影響を与える恐れが指摘され、2006年に外来生物法に基づき特定外来生物として栽培・譲渡・販売・輸出入などが原則禁止された。また、日本生態学会により日本の侵略的外来種ワースト100に選定された。特定外来生物の指定を受けてからは駆除が行われている花だ。当地ではまだ10数株のため、残念ではあるのだが今のうちに根っこから抜き取って駆除のこととしたい。

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