ヤマユリとイワタバコ ’18.7.20 晴

 連日の38℃を越える猛暑日であったが、今年はヤマユリもいつもより早く開花するだろうと、出かけてみると見事に満開となっていた。この日本特産のユリは高さ1~1.5mの大型で昨今は7月に咲く。ユリ科の中では日本最大級であり、その重みで全体が傾くほどの花だが、径15~20cmにもなる大輪のユリで、風貌が豪華で華麗であることから、『ユリの王様』と呼ばれるようだ。

 
ヤマユリ(ユリ科ユリ属、別名エイザンユリ) 

 「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」は、古くから美人のたとえとしてよく知られているのだが、これらの植物は全て婦人病の薬草らしい。

         

 ヤマユリは近畿地方以北の山地の林縁や草地に分布する。別名ホウライジユリは、愛知県鳳来寺山に多く自生することから、エイザンユリは、京都府・滋賀県に自生があることから、リョウリユリは、料理ユリからで、奈良県多武峰とうのみね近辺の呼び名というらしい。

 
 続いて、夏の花としてこれまた名高い「イワタバコ」が、今年はやや出遅れたのか、今日は数えるほどの咲き初めが見られた。この花は山地の湿ったうす暗い岩壁に生える多年草であり、1~2枚の大きな葉が特徴であたかもたばこの葉に似ていることからの名である。この葉には茎にひれがつき、葉は10~30cmと大型で、ふちには不揃いの鋸歯があり、質はやわらかい。この地では7月中から下旬のころに、花冠は径1.5cmほどの紅紫色の独特な姿の花を咲かせる。

       
花は2~20個咲くことがある。3個以外蕾    葉柄に翼あり、2~30cmの葉2枚つけ    蕾の方が多かったが開花は妖艶な姿か・・ 

 二つのお目当て花を見た後は、暑さも忘れて大満足でゆったりのんびり彷徨い歩きとしたのだった。

         
 ホタルブクロ(キキョウ科ホタルブクロ属)   カラスザンショウ(ミカン科サンショウ属)     クマシデ(カバノキ科シデ属)
         
 ツリバナ(ニシキギ科・属)    ヤブデマリ(レンプクソウ科ガマズミ属)   サンカクヅル(ブドウ科・属) 

 *1 ホタルブクロは萼裂片の間に付属片があって、それが強くそり返る特徴があり、ヤマホタルブクロの萼裂片にはそり返る部分はなく、萼の部分にふくらみがあるだけである。

 *2 サンカクヅルの葉は鋸歯と鋸歯の間が凹み気味で谷状になり鋸歯は歯牙状になる。一方よく似るアマヅルの葉のふちは鋸歯と鋸歯の間が丸っぽく膨らみ山状になり、鋸歯は波状になり先端は小突起になる。

     なお、歯牙状しがじょうとは「歯先」が前に傾かず「山」になる 「山形」になるところが「鋸歯」と異なる。また、波状はじょうとは「葉縁」に波状の凹凸がある葉のこと

 

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