ヌマトラノオ咲く ’18.7.25 晴

 相変わらず猛暑日続く酷暑のもとで、頭の上からジリジリと照り付ける一日であった。そんななかでの山麓の野草観察は厳しいものであったが、なんとか熱中症にはならずに歩き回ることができた。お蔭で今回はオカトラノオによく似る姿の花に出会うことができた。それは初見の『ヌマトラノオ』であった。あたりはこのところ草刈りなどされないためにススキやカヤ類の草が繁茂する用水路の中に白い花が小群落で咲き誇っていたのを見つけることができ、幸いに図鑑知識が記憶に残っており名前もすぐに出てきたのだ。

 詳しく調べれば、この花は5裂する径5~6mmの小さな花弁の 総状花序に小花をやや密につけ、茎は高さ40~70cmであまり分枝せず、葉は無毛で淡色の腺点があり長さ3~8cm、幅1~2cmと図鑑で見られる。花は総状花序にやや密につき、山歩きのなかで普通に見られるオカトラノオとそっくりな花であるが、唯一の違いはオカトラノオの花先が垂れ下がってお辞儀をする姿であるのに対し、こちらヌマトラノオの花序は直立して先はほとんど垂れないのが特徴であろう。

 この花のように湿地に稀に見られる近似種としては全国的にはサワトラノオ等いろいろあるようだが、ヌマトラノオ、オカトラノオを除いていずれも分布は稀で、サワトラノオを除いては近畿地方で確認されていないようだ。

     
ヌマトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属)
   

 続いて他に見られた野草類はわずかではあったが、コモウセンゴケの変種であるトウカイモウセンゴケの残花が見られたくらいだが、その他ではノギランも多くの残花が終わったところで果実化が始まっていた。

     
 トウカイモウセンゴケの残花    花より葉が特徴的だろう
     
ヤマトキソウの果実     カキランの果実

 さすがに木本類は果実期となっており、残花はリョウブのみしか目に入らなかった。多くの実の様子をご覧いただこう。今回は完熟色を取り上げよう。

         
 イソノキ黒色に熟す以下同じ  サルマメ赤色  ウメモドキ赤色 シャシャンボ紫黒色   
         
 ヘビノボラズ赤色  ガンピ薄茶褐色  アオツヅラフジ粉のふいた黒色  ネジキ上向きに茶褐色  
         
 アオハダ赤色  タニウツギ茶褐色  イヌツゲ黒色  リョウブは夏の匂い花

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