京都北山 三本杉から峰床山 ’18.8.5 晴

 大悲山口-峰定寺-三本杉-三本杉歩道-チセロ山-俵坂峠-峰床山-俵坂歩道-ナメラ散策道-峰定寺-大悲山口

 多くの学生が山の家へ向かうためにバスは大幅に遅れ気味となってしまった。大悲山口(9:50)からスタートである。車道歩きも猛暑に輪をかけ、美山荘、峰定寺までは半時間足らずである。さすがに人影すらなく静かというより寂しすぎるくらいだ。やっぱり家並みがあれば住人の姿を期待してしまうのだろう。

 今回は三本杉からチセロ山そして峰床山を周回して歩こう。そこで近年話題となった三本杉をググってみれば、「山村都市交流の森」のページで次のような説明が見られた。

『京都市の巨樹・名木に登録されている三本杉。2017年11月に林野庁の計測により、樹高62.3mと日本一であることが確認されました。他の二本も60.7m(日本二位)、57.2m(日本五位)と日本の樹木として屈指の高さを誇っています。樹齢は千年を超えると伝わります。想像を絶する大きさにしばし言葉を失います。根本の一方を石積みに支えられながらも、斜面にしっかりと根を張っています。周囲に拡がるスギの人工林に混じって、トチノキやカツラ、キブシなどが自生。足下では、ツリフネソウやアキギリなどの野草が可憐な花を咲かせます。』

 こんな前情報を頭に入れて、美山荘から三本杉のこの間も30分もかからないで巨樹三本の真下へ到着となった。もっともここへは過去何度も訪れてはいるのだが、日本一の高さの報道からは初めてであった。目がくらむ高さとはこのことだろうか。60mを越える高さらしいが、もちろん上部の様子は目に入らないのが残念であった。

         
     日本一の高さ誇る花背の三本杉    

 日本一の高さである三本杉見学で充分に満足させてもらって、初道の三本杉歩道を登ってみた。こちらにもモミやスギの自然林の巨木が何か所にも見られたが、どうしてもほとんどが植林の中の古道歩きのようで、酷暑の中の急登でもあって、春あたりの暑さが少ない時期の方がよかったかな・・、とP826そばへ上がっての思いであった。

 さぁ、この後は稜線だが、最初は林道が伸びてきて、エ~という感じだったが、思い起こせばこの山域は林道だらけの森であったのだ。最初はこもれびの森ですぐに展望台といわれる新しくなった東屋からの南への山並みが見事であった。紅白の花背の塔が目印のごとく目立ち、西方向には雲取山も見られるのだ。

     
展望台の東屋     展望台から南部の眺望

 そしてうれしいのは稜線は自然林がずっと続き、その先にはチセロ山までは樹名札が随所に下げられ、樹木観察にことかかない。やっぱり再訪時はGW過ぎの頃が楽しめるだろうと一人ほくそ笑むのであった。このあたりのピークであるチセロ山(P871m)は残念ながら見通しはよくない。というのは割りあい中高木の自然林に囲まれる頂であるのだ。 

 それにもかかわらず今日は北側からの涼風が実に気持ちよく、今夏の酷暑の山歩きの中で一番気持ち良い大休止で、ゆったりとお昼(12:00~25)とすることができた。帰宅後知ったのだが、京都の最高気温は39.5℃で、過去史上二番目の暑さであったらしい。それにしては山中はそう滅茶苦茶暑い山歩きだとは感じなかったのだが・・。 

 腰を降ろした昼時のチセロ山の頂では、下界との温度差は単純計算すると871m×0.65%≒5.6℃下がることとなり、それなら約34℃だが、涼風によってわたしの体感温度はそれをずっと下げて30℃前後だったような気分であった。もっとも楽しめた樹木観察の喜びの気分上々があったのも一因だろうが・・。

 
 チセロ山は涼風が心地よし

 その後は俵坂歩道を俵坂峠まで降り気味で、その後は登りに転じて一時間ほどで本日の高みである峰床山(970m2等三角点)の皆子山に次ぐ高さが京都府下第二位の頂へ到着(13:30~14:00)であった。もちろん、人の姿はなかったのだが、木陰の下のベンチへ座ろうとしたところ、木製のベンチは人の汗らしき二人分の跡がまだ乾き切らず濡れており、「おや、これは先客が先ほど腰を上げて、今こちらが登ってきた方角では会わなかったので、二人はオグロ坂方面へ下山したのだな・・?」と思うと、この山頂にはわたし一人が居るのではなく、にわかに山の空気に山人との親近感が残っているように感じられた。笑

         
 峰床山    南の眺望   西の眺め 

 峰床からの眺めは南と西側がよい。南には花脊の塔がよく見え、小野谷峠南のP877もしっかり見えた。南西奥には愛宕、地蔵山が並び、その右には桟敷ケ岳も見える。もちろんずっと手前の雲取山は指呼の間であった。西側には丹波高原の隠れなき山並みがずらりと並ぶ。中でも遠い54km先の丹波篠山の多紀連山のひとつである三嶽が尖って見えると下調べから期待していたが、そのずっと手前の台形状の山の奥にあるというではないか。今日は台形状の山は見えるも、その上奥はまったく50km以上も遠い山では影も形もなかったのが残念だった。次回をきそう。

 ところで、昔のここの山頂ではツルウメモドキの可愛らしい果実の姿が鮮明に焼きついて今でもその様子が忘れられないのだ。しかし、今日の頂にはリョウブばかりの花が広がっていたが、こちらの山頂は広場で頭の上を暑さがジリジリと焦がすばかりのようで閉口だった。 

 さぁ、帰りのバス時間の関係でゆっくりしたので、このあたりで腰をあげよう。下山は俵坂峠まで戻るのだ。そしてこの後は寺谷川上流の林道終点地あたりまで下山としよう。昔は俵坂峠までは降りずに、そのずっと手前から寺谷川上流始点あたりへ降り、野鳥の森歩道からナメラ散策道へと歩いたのを思い出していたのだが、今はどうやらその道は消えているようだ。
 帰りにその取りつきを確認したところ、そこには「豪雨により廃道のために迂回されたい」との説明が貼られていたので俵坂峠まで迂回を納得の上としたのだった。ところがこの俵坂峠からの道も急坂であり、人の入りは少なそうで踏み跡は薄く、道は細いのでこの道取りの積雪期はどうみても危険だろう。
 ところで、今日は林道へ降りれば時間もあるしと流れの深みに身を沈めて涼を取った。この行為も久しぶりだった。遠い昔に小野村割岳へ登るのに、カズラ谷の渓流沿いにツエルトで野営し、ホタルの乱舞する中で溪谷へ身を沈めたことが思い出された。今日もオ~ベリーナイス!、だった。すっかり汗は流れたのだ。ところがこの後も足元ゴロ太石多く荒れ放題の歩きにくい道となっていたのにもびっくりだった。そして長い峰定寺から大悲山口あたりまでの歩きでまたしても汗をかいてしまった。トホホ

     
 俵坂峠    寺谷川上流で水浴び~

 今日は最初の車道歩きの中で花が見られたのも嬉しかったのだ。それにしても超久しぶりの峰床山も感動の山となった。この山へのコースもいろいろあり、またまた峰床通いが始まりそうだが、さてどうなることやら・・?

       
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