京都西山 ポンポン山 ’18.8.18 晴

 立石橋- 立石林道-京青ノ森-釈迦岳-ポンポン山-西尾根窯ケ谷-森ノ案内所-東尾根-釈迦岳-嫁入り道-鉢伏林道-立石橋

 長かった今年の猛暑日は特別であったが、とりわけ京都では7月19日の39.8℃が現在のところ最高気温であったようだ。もちろん、8月も5日の日曜日には39.5℃の「命に危険な暑さ」で世は熱中症だらけの報道が続いていた。そしてしばらくぶりの前日の恵みの雨のお蔭で8月17日はようやく真夏日を下回り29.7℃となり、おまけに最低気温は21.8℃と深夜は寒いくらいになって、ようやくクーラーも扇風機も使わない日がやってきたのだ。

 これだけ涼しくなったのだから、わたしは山登りをしない訳にはいかない。喜び勇んで裏山を駈けづり回ろうとポンポン山へ登ってきた。さすがにこの涼しさだ、久しぶりに快調に歩いて山頂には10時半に着いたので家を8時に出たから自らの記録となったようだ。この要因には二つが上げられる。それはやっぱり酷暑から突如の涼しい日となったのが最大原因であったのだ。

 加えて、最初の林道歩きではいつものように自然観察しながら行っていると40代後半の男性が「お先に!・・」と足早に追い越して行くではないか。「あれ~、なんて元気な足取りなんだ、あれだけの速足で登る人はこの山ではほとんど見た覚えがないな~」と思ってしまった。それに比べてこちらはのんびりし過ぎだ!・・との思いがして、これより一気にエンジンがかかってしまったのだ。そして15分ほどで追いつき、そのまま「お先に~」と追い越し、よし、これで釈迦岳までは追い越されないで歩こう・・」と頑張りぬいたのだった。

 そして釈迦岳で「彼の上がってくる顔をまじまじと見てやろう。」と10分ほど待っていたが、どうやらその君はこちらではなくて道を替えたのだろうか・・?。イヤ、彼は予定どうりの道を取って行ったのだろう。」と思うとなんだか拍子抜けがしてしまい、後はそのままではなく、ペースを落として頂の2等三角点にタッチしたのである。

 
 ポンポン山(678.9m)

 これまでは観察をしない場合には普通に歩いて3時間で山頂であったのだ。でもこんな、馬鹿げた歩きをしても半時間の短縮のみで、今後はポンポン山へはやっぱり自然観察しながらのんびり歩きがよく似合う山だなぁ・・と座った木陰で思うのであった。それにしてもつまらない歩きだったが、このような山歩きの競争をしたのも超久しぶりのことだったと一人笑ってしまった。山頂の温度計は25℃だからびっくりする涼しさである。昼食で賑わう山頂だが、少しばかり休憩後に樹木の実などを撮って、その先の静かなピークのリョウブの丘で昼食とした。

 
リョウブの丘から地蔵、愛宕に小塩山 

 後は窯ケ谷の花観察だったが、お目当てのジャコウソウ、ツルニンジンにアキチョウジはさすがにまだまだのようで蕾すらなかった。しかしマネキグサが満開だったのがラッキーだった。ほかにはモミジガサ、オトコエシが蕾膨らむ状態であった、また、ハダカホオズキの残花がやっぱり鹿除け柵内の遠くで見られた。また、クサアジサイの痛んだ残花も見られたがやや遅かったようだ。それにヒナノウスツボの開花時期だが、残念ながら大雨の被害で流されてしまったようだった。

 

 
マネキグサ(シソ科オドリコソウ属) 

 後は森の案内所で一息いれて小休止であった。その裏から急登をやっつけて東尾根に取りかかったが、ここからの登りも久しぶりで、最近は谷からイヌブナの森へ突き上げてばかりだ。ここまでの道は周りの木々が成長して鬱蒼と茂って面白味が欠けてきだしているようだ。
 イヌブナの森はいろいろな樹々に恵まれ、楽しめるお休み処でもあるのだが、果実類はまだまだ若く、実が熟すにはさらに時間がかかるだろう。それに近年の尾根歩きは鹿の食害で野草類は絶滅状態で、春も秋も魅力のない道となっているのが惜しい。

 帰りは釈迦岳から京青の森、その後は嫁入り道へと入ったが、この道はさすがに大雨や台風被害で倒木や枝の散乱が多く、ますます歩くハイカーは少なってきているようで、せっかくの古道歩きが楽しめる道なのだが、こちらも惜しいコースとなっている。

 もちろん、猪や鹿など害獣の被害は山野草だけではない。害獣で苦しめられておられる農家の方々は米や野菜に筍作りのお世話で、大変な重労働の連続であろう。その害獣被害はどうにかしないと今にこの種の食物が作れなくなってしまうのは、何もこのあたりの山麓地域の問題だけではないだろう。この日本全体の問題として、政治レベルでの取り組みに、いつの世の政治家が出てきてくれるのだろうか・・?。

 そんなことを考えながら、西山キャップ場から鉢伏林道をのんびり自然観察で歩き、クサギの開花やヤブムラサキ、コバノガマズミ、ケアクシバ等の果実の進み具合なども楽しいものだ。それに今回はフユザンショウ、アマヅルの二種の新しい個体を見つけることもできた。

 立石橋まで帰るとホッととし、西代里山公園から市街地を縫いながらの歩きがまだまだ暑く辛い。帰宅後のTVで京の暑さはまた30℃を越していたようで、どうりで私にとっては今日の一番の暑さの中を帰ってきたことになるようだった。
 なお、翌日にこのHP編集中に18日の最高、最低を調べると32.7℃と18.6℃であり、最低温度が順調に低下してくれていそうだった。でも、予想では10月ころまでは30℃を越える暑さも予想されるとのことで、ますます地球温暖化が心配でもある。

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