京都西山 野の花散策 ’18.9.13 曇のち雨

 本日の花巡りの一番は久しぶりに出会えたつる性の多年草である種のガガイモ(キョウチクトウ科ガガイモ属)で、やや満開状態が進んではいたが、それでも花もなんだか不思議な作りをしていて充分に楽しませてくれた。それは、ガガイモの花の様子をよく見ると複雑そうだ。特に花と実に特徴があるようだ。
 まず、花冠は5裂していて質は厚く、毛がとびきり多く生えている。この仲間は花が5裂して星形になるのが特徴のようだ。それに雄しべ5本が雌しべと合着し、長いくちばしの柱頭が花冠の上にのび出し ている。このように雄しべと雌しべがくっつき合ったものをずい柱と呼ぶようだが、この科の最も重要な特徴のひとつらしい。

 この後には、紡錘形の実ができると、大きく10cmにもなり、細長く先は尖った姿がおもしろい。そうそう、イケマの実と同じ形で袋果と呼ばれている。そして、この実が熟すと二つに割れて種子の先端に種髪と呼ばれる長い絹糸のような毛がつき、わずかな風に乗って方々へ散らばって命を広げるらしい。これはキジョランやテイカカズラと同じ子孫繁栄方法だろう。このように面白味のある果実を、今秋には是非ともこの実の姿を直に目にしたいものだ。

 ウィキペディアでも書かれている「民間伝承上の謎の生物だが、1970年代にブームとなったケサランパサランの正体はガガイモの種ではないか・・」とある。どうやら、ガガイモの種子についた毛が、ほんのわずかな空気の流れでも生き物のように、クモのように動くことからケサランパサランの正体は、このガガイモの長い毛なんじゃないか、はたまたガガイモのタネからはずれた「毛」だった‥‥という、そういう説があるらしい。

 
       
ガガイモの花は面白い造り 画像クリック!   ガガイモの葉は亀の甲羅に似ているとの謂れあり   花は星形やヒトデのようにも見え 

 ガガイモは少量であれば食しても大丈夫のようであるらしいが、他の仲間には毒性の種もあるようで、その点でも注意植物だろう。そしてガガイモは神話にも登場したり、わたしたち人類の歴史上にかなりの影響ある花でもあるらしい・・。いずれにしても謎めくガガイモをこれからも観察を通じて特に果実を見て楽しみたいものだ。 

 さて、二番手はヒレタゴボウ(アカバナ科チョウジ゙タデ属)だが、この花を当地で目の当たりにしたのは初めてだった。稲作地帯の畦道に黄色く目立っていた花だが、この花はアメリカミズキンバイともいわれ、北米原産の一年草のヒレタゴボウだったのだ。
 花は鮮やかな黄色の4弁花で、間からは萼色の緑が覗いており、なかなかシャレた花姿が実に美しく思うのはわたしだけではないだろう。花横からの姿を撮り忘れたが、萼頭が細長く果実となるその姿も八頭身のようでイキな形ではないか。そして名の謂れともなった葉の基部から流れた部分に翼ができて、これをヒレに見立てたようだ。茎は4稜となっているが果実そのものにも4稜がついているのだ。なお、タゴボウはチョウジタテの別名である。

 咲いていた山野草類をご覧いただこう。

         
 ゲンノショウコ    ミゾカクシ    ポントクタデ
         
 メマツヨイグサ*1    マメアサガオ*2    マルバルコウ
         
 センニンソウ*3    センダングサ*4   ヒメキンミズヒキ*5 
         
 オトコオミナエシ*6    ヒヨドリバナ*7    サワヒヨドリ*8
         
 ネコハギ*9   ノアズキ*10     ノアズキの葉姿
         
 ヤブツルアズキ*11   ヤブツルアズキの葉姿     タカサブロウ
         
クルマバナ     オトギリソウ    アキノタムラソウ*12
 *  主な特徴  主な特徴 
 1 しぼんでも赤くならない、赤くなるのはマツヨイグサだけ   7 葉には短柄
 2 小さく白色、小さく赤っぽい白色はホシアサガオ   8 葉には無柄 
 3 葉が全縁、鋸歯有はボタンヅル  9 猫に対しイヌハギは絶滅危惧種で見られない
 4 舌状花は5個以下が多い 10  左の翼弁と一緒に上をむくが、竜骨弁を包まない
 5 花弁は細く花つきはまばら。葉は丸っぽい羽状複葉  11 竜骨弁上部は左側の翼弁が被ぶさり隠れる
 6 オトコエシとオミナエシの雑種  12 この他にハル・・、ナツ・・の種もある

 最後に木の実だが、花で疲れ果ててしまい、果実類は手を抜いてしまった。トホホ、笑

         
 ケアクシバ    コバノガマズミ    コマユミ

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