シロバイ咲く ’18.9.26 曇のち雨

 そろそろアケボノシュスラン(ラン科シュスラン属)も咲いているだろうと出かけてみた。しかし、やっぱり今年もまったく咲く様子ではなかった。こちらでは13年と14年と確認していたのだが、その後はどうしたことか開花が見られない。まさか開花時期を見逃しているなんてことはないだろうか・・?。

 ところで、先の21号台風被害はだが、こちらの山塊でもやっぱり植林を主体に高木がターゲットとなって根元から倒木となっているが、せっかくの高木が無駄になるのはもったいない。でもさすがに観光都市京都だ、もう主たる道にはその始末の手が進んでいるようだ。と言ってもまだまだ整備は始まったばかりであり、越えたり潜ったりの障害物競走は当分必要だろう。

     
今年もどうやら裏年のような感じの状態?    (参考)'13.10.4に咲いていたアケボノシュスラン 

 シロバイの開花から果実の完熟までの様子について

  そして、比較的珍しい種であるハイノキ科のシロバイだが、こちらの背の高さは3~5mくらいしかならない小低木だけに台風被害はない。でも、この時期果実が暴風被害の対象となったのだろう。ほとんどが飛ばされたのだろう、少ししか実は残っていなかった。
 ところで、このシロバイの↓画像に写っている緑色の若い果実は、今年咲いていた実と思われるだろうか。実は昨年8月末ころに開花したものからの果実であり、年を越して現在の実の様子なのだ。その詳細はこの後に説明してみよう。

 
シロバイの本日の様子、台風で実は落下で少なし 

 では、シロバイの開花から果実の完熟まで13~14年の二年間のからくりをみてみよう。この木は花が咲いても、その年には実は完熟せず翌年に熟すことになるのだ。というのも開花時期が春ではなく、晩夏∼秋の8~10月頃に咲き、その後若い実ができてからでも、長期間かかって年を越してから、8~10月頃になって次の年の花が咲いているのに、まだ緑色の若い実のような状態のままであり、そしてようやくその年の暮れの12月頃になってから、どうにか紫黒色に完熟するありさまで、何と開花からおよそ15ケ月近くも経っているのだ。

 したがって、1年目、2年目に3年目までというより、毎年、開花してから果実が循環して重なって見られる、珍しい樹種なのだ。このために、どうしても初めてこの種を目にした方で、少しでも花への興味がある方ならば、あれ~、花や実が同時にあったりしてややこしい状態となり、混乱しかねない樹種なのだ。

 そういえば同じような傾向にあるものがあったハズだ。そうだ思いだしたゾ、それはクスノキ科のシロダモではなかったかな・・。ただし、シロダモは10~11月に開花し、開花から1年経って同時期にようやく赤く完熟するので、花と赤い果実が同時期に見られ、その赤い果実が余計に目立ってきれいなことで、花に無関心な山人にでもすぐ目につくため、加えて時期的にも花の少ない時だけによけいに話題となるのだ。とひとり勝手に思っている。

 さぁ、ここまでの説明を頭に入れて、↓の画像を見ながら、この花がいつ咲いて、その花の後の果実はどんな月日で成長していくのかを確認しながら、最後に紫黒色に完熟するまでを理解しながら進んでみましょう・・?。(笑)

         
’14.8.31開花の様子、緑色の丸いのは蕾     ’13.10.4茶色は花後、緑の実は前年開花の実    ’14.9.30写真は14年の花後の様子  
         
’13.12.5写真は13年の花後は果実化始まる  ’13.10.4果実は’12年開花分の実の状態    ’13.12.5前年開花分の実がようやく完熟した 

* ちなみに↑6枚の画像は年月どうりの順ではありません。その理由は開花した同一個体のものではなく、足かけ6年間の内の13~14年の二年間の分の観察の中の写真だけで、紫黒色に完熟するまでの写真しかないためであります。
 写真の順番は開花、花後の様子、若い果実、そして紫黒色の順としています。植物は年によって開花時期の早い遅い等あったりしますが、その変動等のあることを承知の上でお考え願います。

 他に見られたものをご覧いただこう。写真以外にはミズヒキ、ハナタデ、イヌタデ、ポントクタデ、ガンクビソウ、ムラサキシキブ果実、ヤブミョウガ果実なども見られた。なお、タマミズキの高木もあるのだが、花や実は暴風でだろうどっかへ飛んで行ってしまったのか樹木の周りを探すも見当たらなく、枝先を見上げてもほとんど坊主状態の樹木となっていた。

         
 イヌビワ(クワ科)    ヤブムラサキ(シソ科)   ビロードイチゴ(バラ科)*
         
 メナモミ(キク科) 花の周りに黄色の3裂する舌状花がつき、茎、葉裏に長い毛     ヤブマメ(マメ科)白に紫色目立ち

 *花や実時ではないが、ビロードイチゴ以外にこの山域ではコジキイチゴ、フユイチゴも見られた。

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