タカノツメの黄葉 ’18.11.25 晴のち曇

 いつものように里山を歩いていると、やっぱり、まだ黄色のミミカキグサと紫色のホザキノミミカキグサが並んで咲き残っていたが、もうそんな小さな花も見飽きたので素どうりしてしまった。やっぱり、この時期の大自然の中でのハイクは紅葉だろう。そろそろタカノツメの色づきが輝いている光景が方々に出会えた。

 何はさておき、今はタカノツメが山を黄色く染めている光景を見ることが多い時期なのだ。また、不思議にコナラとのコラボも多いように感じているのだが、何か意味があるのだろうか。いずれにしてもこのような清々しい気持ちにさせてくれる山道に身を置くことのできる我が身がありがたい。このような山との付き合いをずっと続けていきたいがはたしてどうだろうか・・と、いろいろ現在を考えてしまうのだ・・。

 
 今年も色づているタカノツメだ~

 ところで、話は変わるが、昔のことを思い出して一人吹き出した。笑、それは一緒した同行の女性たちが、「タカノツメってトウガラシのことやろう・・?」と、笑う声をよく耳にしたことだ。どうやらハイキングを始めたばかりの方々のようだったが、ピーマンやトウガラシという食べ物がすぐに頭に浮かんできたのだろう。そのような会話を横から聞けば大笑いしたこともしばしばあったのだが、今ではそのような会話を聞くことはなくなっているが、それは遠い昔話なのだ。少なくともわたしの周りのハイカーでそんな会話を冗談で笑わす人はあっても、まともに勘違いしている方はいなくなっているのがタカノツメの話題の昨今だ。

 もっとも食通のハイカーには、タカノツメといえば新芽をいち早く摘んで、山歩き後の夕餉のオカズ話を耳にするのは今もことかかない。でも、こちらはやっぱりこうだ。「さぁ、今冬はそのタカノツメの名の謂れとなった鷹の爪の姿の冬芽を撮ろう」と、思いださせてくれた黄葉の前で、一人立ち尽くして佇むのだった。

 もう今年は晩秋から初冬のいで立ちが目前となってくるのだろうか。植物達もほとんど花を終えたようだが、そんな植物たちには、繁殖するために長い時間をかけて進化し、閉鎖花という方法を考えたようだ。では、その具体的な植物の閉鎖花だが、蕾はつけても開かずに、花を咲かせるよりも閉鎖花のままで、自家受粉した方がエネルギーが少なくて済み、効率的な方法とした種もいろいろあるようだ。そのような珍しい種の保存方法を選んだ種が二種も同一箇所で見られるというのも嬉しく、せっせと足を運んで観察してしまうのだ・・。笑

     
 キッコウハグマ、これで実をつけている姿    センボンヤリ、同左で、この後実は風に乗り~

 次はヘビノボラズが見事な紅葉となって、森の中で華やいでいた。

 
 メギ科メギ属のヘビノボラズ(蛇上らず)

 この種はいろいろあるが、①メギ(別名コトリトマラズ)、②ヒロハヘビノボラズに③ヘビノボラズを観察済である。主たる相違点は、まず①の葉は全縁で葉身の長さ5cmと一番短く小さい。また葉裏はこれだけ白緑色で細脈不明瞭である。②および③の葉は棘状の鋸歯がある。また、樹形の高さは①2mで、②3mで一番高く、③が80cmと一番低い。なお、今日の山域には木の高さの点から①と③の二種がありそうな予感・・?。だが、来春にでも葉の様子等の詳細を観察し同定をしてみたい。

 樹木類の完熟色は千差万別で、この色あいを見て歩くのも自然観察の楽しみであり、果実を見る上での要点でもある。しかし、今年の京滋方面では先の9/4の21号台風被害で、植物の果実も落下してしまい、この時期まで残っている種は少なくなっているのが現状であろう。

         
 シャシャンボは赤から黒色になって完熟色   サカキも黒色で    棘はないサルマメも赤色で
    こちらの山域で希少種のクロミノニシゴリ
は今年は裏年のようで開花はまったくなく、
当然、果実も皆無だったのが悔やまれた。
来年の開花の5月頃が待ち遠うしい。泣 
   
 ウメモドキは特に湿地帯に多く、赤色で       熊の好物だがいない、アオハダは赤色 

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