京都西山 師走の森を徘徊 ’18.12.21 快晴
8時間におよぶ里山の森をうろつき、帰宅後の夕刊によれば「前日の雨や放射冷却の影響で早朝より京都など各地で濃霧が発生し、列車にも遅れが出た。また比叡山ドライブウェーではあの広い琵琶湖を雲海が覆い尽くす景色が広がってドライバーらに喜ばれた」と報じていた。
だが、こちらの低山歩きにはその濃霧の雲海景色にはありつけなかったのが残念だったが、でも昼間には下界で15℃となってたようで、散歩中はお蔭で久しぶりに寒さ知らずの一日であった。そして、近年では久しぶりにタマミズキの真っ赤な果実の景色を楽しめ気持ちよく樹々と戯れた。
それに、西山のこちらでは個体数のほとんど見られないゴンズイに倒木がかぶってしまい、大変な状況を先日発見したことから手助けしたり、別道の嫁入り道などの道沿いの成長しすぎたウラジロ刈りや荒れた道を塞ぐ杉の枝などの整備などに時を過ごした。
さて、二日前とは別のタマミズキも見られたのでこの話をしてみよう。ただ、個人的な感じはそちらからご覧いただくにして、今回の場所のものについてふれてみよう。やっぱり道から相当離れた所で真っ赤な景色が広がっており、その木が見える所まではシダ類が大繁茂で、高さ1.5mはありそうなほど茂っていたために、草刈り用も持参していることからついでにそこまで入れるようにした。本来植物とりわけ山野草などは人に分かるような道造りなどしないのは当然だが、高い樹木もその木元まではとても入り込めないほど離れた地のために、せめてハイカーにもこの見事な景色を見てもらおうとの思いであった。
その地は天王山や柳谷観音方面からポンポン山に向かうコースで、「こもれびの広場」から登りだし、倒木地あたりまで登ってくればその一帯の中にきれいに樹々が除けられ、アッ、この先に何かありそうだ!、とすぐに分かるようにしてみたので、ベニカンのゴルフ場のクラブハウスが見えるコースの大分手前下の登り時右手である。
相当山歩きをしないとこのタマミズキの真っ赤な実のつく樹種には出会えないと思っているので、まだ見たことのない方には是非目の当たりにして見てもらいたい。もっともこちらのコースを歩けばタマミズキは何ヶ所かあるために、すでにご存じの方はおありだろうが・・笑
タマミズキ(モチノキ科・属)の小さな果実がびっしりとつき~ |
続いては咲いた花に久しぶりに出会ってから何度も通って、遂に新しい命の旅立ちとなる白糸のような毛をつけた果実をようやく目にすることができた。そのガガイモの花には9月13日に数年ぶりに出会い、その後も10月3日・10月12日・11月23日・12月5日と何度も通ったお蔭で本日6回目にしてようやく初の種髪なる観察ができたことから大感激となった。
本日最初に見た個体は実が開いたところ | 多くのその一つを広げてみると実がびっしり | 離れたこれはまだ閉じてたが後少しだ・・ |
次は葉が対生のゴンズイだ。この個体は残念ながらシロダモやコナラの倒木が覆いかぶさってしまい、幹1mあたりから折れ曲がってしまった。写した↓画像はその折れ曲がった先の枝から出ていたものを撮ってみた。しかし、残念ながらこの木の命はもうそう長くはないだろう。せめて生き残っている間は観察していきたいものだ。というのも他の山塊ではあちこちで見てはいるが、西山ではこの場所以外に見かけてはいないのだから何とか他で探したいものだが・・。
「魚と樹木の名前が同じ種」はこちらから
ゴンズイ(ミツバウツギ科ゴンズイ属)葉 | この冬芽は側芽で丸い |
サネカズラの赤い実(↓左画像)がまだ残っていたが、その側には小さな丸い果実が熟して落ちると丸い赤い果床が残り大きな果実(↓中画像)に見える。最後の画像はマツブサ科の仲間のため葉は落葉らしく色づいており、カズラは左巻きの状況であった。
サネカズラ(マツブサ科サネカズラ属) | 周りの丸い実は落ち果床が残る |
他に見られたものを並べてみよう。
ヤブツバキはもう落下多し | ↓ ヤマコウバシは寒くなっても葉が残り | |
カラスウリの実は長く残っている | 上の冬芽はクロモジ属唯一の混芽 |