京都西山 タマミズキのポンポン山 ’19.1.4 曇のち晴

 立石橋-タマミズキの道-京青ノ森-釈迦岳-ポンポン山-嫁入り道-鉢伏林道-立石橋

 初歩きのポンポン山へはタマミズキがあちこちで見られる道を登ろうと暮れから決めていた。そのコースは立石橋からすぐ左への青い鉄板の橋を渡り、すぐで西山古道7番へ向うのが、そのタマミズキの道(わたしが勝手に命名・・笑)なのだ。今日も計6ケ所で雌株5と雄株1を見た。内訳はすぐそばで3ケ所(雄株と雌株1株は実0と日当たり良すぎて実がほとんど終わり)と残りは50~100m以上離れた株でそばまで寄れないために遠望などを確認しながらの歩きであった。

 さて、そのタマミズキ(モチノキ科モチノキ属)は落葉高木であるが、わたしの観察では10~15m以上にも・・とほとんどが高木であり、それに生える場所が登山道沿いにはまず出逢えなくて、斜面から谷を挟んでその向こうの斜面などに林立するなど、ハイカーがその樹の株元へは容易には近寄れない場所に生えているのだが、その点は他所の山域ではいかがだろうか・・?。図鑑によれば全国的な分布域は西日本では点々と自生するも、かといってソヨゴのようにどこにでも生えるのではなく、モチノキ科の中でもナナミノキなどとともに珍しい樹木らしい。そして神奈川県より東方面では生えないから見ることはできない、と知りあいの関東人が悔しがっていたのを思い出した。

 この木は雌雄別株だが、こちらの山域ではありがたいことに今回の地でも6本見た内で雌株が5本、雄株は1本しかなかった。というより特徴も特別にはない雄株はほとんど見つけづらい樹種であろう。見つけるのは真っ赤な実が見つけやすい雌株だろう。
 この木の「タマミズキ」という名前の由来だが「果実が美しく、全体がミズキに似ていることからつけられた。」と手持ちの図鑑にある。↓画像は6ケ所の内で比較的近かったのだが、それでも軽く50m以上は離れ、その鬱蒼とした樹林でその株元へは近寄りがたいために、中の株数も数えられないが、大きさ3mmといわれる果実だけは密に、この時期だから葉は落として実だけが正に密集している。海中の珊瑚にこのような真っ赤な種があるのか知らないが、あたかもそのように思えるほどの果実が実に見事であり、惚れ惚れしてしまうのはわたしだけではなかろう。

 もちろん、木々が高木となるために6月頃に咲くといわれる花時にも、これまでから注意して歩いてはいたのだが、いままでから目に入ったことはない。花はおろか、葉ですらほとんど近撮はできていないのが実態である。でも、今年こそはその花時を狙ってその多数つける緑白色の2~3mmの花や葉をズームしてみたいものである。さて、撮れるかな・・?、この腕やこのコンデジならばまず無理だろう・・。笑

 
タマミズキの真っ赤な果実は遠くからでもよく目立って美しいのだが  

 さて、これで本日のお目当て「タマミズキの真っ赤な果実」の観察は終えよう。となれば後は釈迦岳からポンポン山へ登って行こう。ひと登りすれば本日のパノラマが楽しめる地に上がってきた。京では都富士とも言われている比叡山が真正面だ。関電の鉄塔群はご愛敬、やや暖かさからだろうかもやってはいたが、ひと息いれて喉を潤す。台風被害のゴンズイにも挨拶だが、こちらはどうやらほとんど今後の命はかない姿が悲しい。シャシャンボはどうにか爪痕から免れた模様で一安心だった。

 ゴルフ場は若い人たちが賑やかに楽しむ声が広がりコース場に明るく響き渡っていた。トントンと林道を縫いながら西山古道の部分だからその会の人たちによって道整備は完ぺきで、楽しく歩くと四差路の京青ノ森到着だが、ここでは珍しく人の姿はなかった。

     
途中の展望台より都富士の大比叡      京青ノ森は古より通行人の要衝の地 

 さぁ、京青ノ森からが先の台風被害地が連続のスタート地点だ。でも、ポンポン山常連組の方々によるボランティアのご尽力で、歩く分には支障のないように整備なされたその心根がうれしい。釈迦岳、ポンポン山へと進むに従いハイカーの姿が多くなって、山頂に上がってみれば、20人近くはいただろうか。すぐにレイヤーで寒さ対策を済ませて昼としよう。小一時間ゆったりとした時を過ごし、山頂からの眺望を楽しんでから下山に取りかかろう。できれば今年は愛宕とこの頂には毎月一度は・・、いやそれ以上踏むことを心に決めようとこの山頂で誓うのだった。

     
ポンポン山より北に愛宕、地蔵山     真西に鴻応山、半国山等亀岡の山々 

 

 下山は京青ノ森まで戻って、クリンソウ地から南へでなく、東方向にレスキューポイント長-3から嫁入り道へ入ろう。これよりとたんに道は相当の荒れ様である。小さく上がったすぐの足元には古くからあるヌタ場があり、周りには先ほど彼らが居たと見える猪の足跡が散乱し、周りには身体につけた泥を振るい落としたであろう泥の白っぽい後が見られるので、まだすぐ近くに猪が居るのでは・・?、とやや薄気味悪く感じる。速やかに通り過ぎるとすぐに足元は乾いた道になってくる。だが、枯れ枝の散乱が多く続いている道を降って行こう。10分もかからないで分岐のRP長-4であった。
 なお、先のヌタ場を含めて、わたしはこのコースを何年来、数えきれないほど登りや下りをやっているが、鹿はたまに見かけるも、猪の姿を目にしたことは皆無である。ハイカーの皆さんはそんな心配はせずに、どうぞこの昔から大原野方面より京青ノ森の峠を越えて大沢方面へ下りたと謂われる、大昔の古道歩きを是非なさってみていただきたいものである。

 分岐では今回も長-4の直進は以前に整備はされたのだが、またぞろ荒れ様が少々見られることから、直進はよして、長-4、これより右折することとした。すぐにリョウブの倒木が新しく切り取られていた。「や、これは直近の整備だな、暮れの26日以降だろう、ありがたい!」、実は年末25日にこちらも登りで長-4までは、粗方だが、草刈り鎌による鬱蒼としてきたウラジロの整備等はしていたのだが、今回は残りの倒木等の整備のために鋸持参でやってきていたのだ。

 そして、まだ残っていた邪魔な樹々を切り倒して、分岐点以下から嫁入り道始点の鹿除け柵ゲートまではきれいに道整備は今回で完了した。これで後は長-4から長-3までの間の枯れ枝等の除去整備が残っている。早春のコバノミツバツツジ咲くのを楽しみとされているハイカーを考え、その頃までには間に合わせたいものである。

     
 嫁入り道ではヌタ場の水は長くもつ   下山道は長-4で北と東に分岐あり  

 こうして西山キャンプ場から鉢伏林道で立石橋へ帰ってくることができた。今年のポンポン山初歩きを楽しく終えることができ、今年も元気に楽しく歩けるようにしたいものであると考えながら立石橋で後片づけだ。なお、本日の歩きの中で見かけた果実類たちの様子は以下のとうりだった。あぁ、早春が待ち遠うしい~~!!

         
サネカズラ(マツブサ科サネカズラ属)    ガガイモ(キョウチクトウ科ガガイモ属)    ヤマコウバシ(クスノキ科クロモジ属)  
         
 ヤブコウジ(サクラソウ科ヤブコウジ属)    ネズミモチ(モクセイ科イボタノキ属)   左の果実は紫黒色 

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