比良 武奈ケ岳から釈迦岳 ’19.5.16 晴のち曇

比良駅-イン谷口-正面谷-ヨキトウゲ谷-中峠-コヤマノ岳-武奈ケ岳-
北稜-細川越-イブルキノコバ-八雲が原-釈迦岳-イン谷口-比良駅 

 今日も山日和のようです。しばらくご無沙汰の武奈へ登ってみましょう。そしてそろそろシロヤシオも咲きだしているでしょうからと釈迦にも寄って見る予定のコースとしました。今回は金糞峠の先の道は尾根ではなく、ヨキトウゲ谷の渓谷歩きを楽しみます。

 さて、本日の主たる植物たちは次のような種でありました。最初はとりわけ久しぶりに見られて特にうれしかった二種なんです。武奈ケ岳お気に入りのハイカーさんのネット開花情報へ大きな感謝でした。

     
 ワチガイソウ 何年振りの出会い   この花も何年ぶり ナツトウダイ

 中峠までミソサザイの囀りを友に一級の渓谷歩きが素敵です。サラサラと水の流れもBGMの一員で耳にもやさしい空間となっています。もちろんわたしにとっては野草類が一番の癒しでしょうか。後半の芦生杉を見ながら、中峠へ上がってきたのも久しぶりでした。
 峠は静寂の中にブナが王様でアズキナシ、ナナカマドにコハクウンボクやマルバマンサクなどがブナにあたかも従うように広がっているではありませんか。これらの樹木達が醸し出してくれる美味しい空気を胸いっぱいに深呼吸で一息も二息もでした。ニコニコ

 今日はワサビ峠から西南稜ではなく、直にコヤマノ岳から武奈へと取りましょう。ブナやカエデ類の林立するこの並木道も遠い様子を忘れるほどの歩きとなっていました。ハウチワカエデ、コハウチワカエデなどを確認しながらなだらかな足にやさしいのが気持ちよく、こんなにいい道だったのかと改めて感激でした。やがてコヤマノクラウンのブナに出迎えを受け、すぐ上の若いブナが立つ最高点からこの後向かう予定の釈迦岳を見下ろします。

 コヤマノ岳のブナの新緑が目に染みる森を進めば、目の前に武奈ケ岳が見下ろして「や~久しぶりにやってきてくれたネ・・」と出迎えてくれたような気持ちになりました。やっぱり比良の王様はいつきても見事な姿が青空に映えます。ここで前を行く女性の姿がまたまた目に入りました。

 
見上げる武奈ケ岳 

 実はここまでに正面谷第一ルンゼ付近でその方に追いついた時の単独の女性でした。その方とは追い越したり抜かれたりの同じコース取りであったようです。この方とは最初に8時前の追い越し時に、こちらから「早いですね・・」とひと言笑いかけて挨拶させてもらったのですが、そのような声をかけると「そちらも早いですやん・・」との言葉で、そっけなく投げつけるように聞こえた声を聴き、あまりよい印象ではなくなってしまいました。

 その後はこちらは花のデジ遊びが続き、度々追い越したり抜かれたりの時にもひと言も交わさずだったのでした。だが、足取りはなかなかの兵のようで、こちらが花を撮っているそばを追い越しても一度も声かけなどなく、ただ歩くばかりの方のようでした。
 こちらの山歩きの経験では、男性なら無言での追い越しは普通よくあることなのですが、女性で花にもまったく興味も示さずに追い越す登山スタイルのハイカーはほとんどなく、大抵は「何を撮ってるのですか・・?」くらいの声が聞こえるのですが、無言で追い越していかれるのは初めてのために、こちらは戸惑ったのが本音でした。そのようなことからこちらも声を交わすことなく写真撮りに夢中であり、その方を見やることもしませんでした。

 武奈には10時半ころに到着しまたが、その女性と若き二人の男性のみの寂しい頂でした。こちらは後行程も長いために三角点そばにいた二人に挨拶した後は、昼は八雲でしようと東側からの写真を撮ってすぐに北稜へ降りたのでした。どうやら件の女性は西側にいたようです。山頂からの眺望はほとんどよくなく、まるで我が気持ちのような状態で、そのような気持ちで長居はしたくなかったのが本音でした。

 心を入れ替えて、北稜歩きとしましょう。でも、今年の花達の開花は遅れ気味で、咲いているのはムシカリの白色花一点張りです。細川越からスゲ原に向かえば小さな花々が、ようやくこちらの気分を変えてくれることとなりました。
 このように花を撮りながらですからなかなか進めません。それでもサワグルミの大木立つ広谷まで降りてくれば気持ちも和らぎました。このサワグルミの傍らでこの木を見上げていると、件の女性が降りてくるのがまた見えます。あれ~またあの女性は同じルートを歩いてる・・。
 こちらは丸太橋下流を渡渉し、傷んだ道をイブルキノコバへ上がりましょう。すると元気そうな女性一人が武奈から降りてきたようで、八雲ケ原へ急ぐ姿が見えます。こちらもイワウチハやイワカガミの終わった道には用もないためにさっさと八雲ケ原でした。

 八雲の岩のベンチでお昼としましょう。するとまもなく八淵の滝からやダケ道から単の男性がそれぞれやってきて、単ですから離れた場所を陣取って同じようにお昼でした。そうしていると件の女性が池の向こうをスキー場跡から比良ヒュッテ跡へ向って登っていくのがまたまた目に入ります。
 なんとこの女性と今日5~6回いえ、それ以上の回数を目にし、前後しながら歩いていたことでしょう。でも、これを最後にこちらの目から姿は消えました。何とも不思議な狐につままれたような山歩きとなったのでした。

 さぁ、こちらはこの昼食後は釈迦岳へシロヤシオの様子を伺いに向かいましょう。途中のシロモジは花も終わり、このパラポラ過ぎのホンシャクナゲはもちろん咲き終わっています。それより、 カラ岳にある5本のアズキナシには、もちろんまだ蕾すら見当たりません。どうやら鉄塔構築時に植栽したのでしょうか。若木なのでしょうか。

     
 カラ岳のアズキナシはまだ花つけず   アズキナシは葉脈の並びが美しい 

 でも高さは5m近くはありそうなのに、これまでからこの木たちが花を咲かせているのに出会ったことはありません。稜線上にありこれらが花をつける力はなく、強風等でエネルギーが生きていく方にばかり使われているのでしょうか・・。好きなアズキナシの花をここでも是非見たいと思って眺める男がいるのでした。

 巻道分岐を右に見送れば釈迦への登りに入ります。でも短いですからすぐに松の木肌に似ているマツハダという別名を持つ、シロヤシオ(ゴヨウツツジとの別名もあり)の樹木の杜にやってきます。ところが予想どうり昨年の同じ日には超満開だったことから、この状態であれば今年はどうやら裏年ではないでしょうか・・。それともこれから咲きだすのかな・・。いやそんなことはないでしょう、実は一昨年は裏年だったのです。その前の2016年は登って来てはいませんが・・。笑

 
 今年の釈迦のシロヤシオは寂しいでしょう 

 シロヤシオが今日ばかりは咲きだしていたのも数えるほどしかなく、実に寂しいかぎりの状態でした。もちろん、ドウダンツツジすら一株がようやく蕾ほころぶ程度で、その仲間たちはまったく目にもつきません。去年はあれだけいろいろツツジの仲間たちが満開だったのですが・・。しかたなくワンゲル道を左に見送ってリフト道へ下り、残花のホンシャクナゲでも見物としましましょう。

 
 まだまだ満開のホンシャクナゲが見られました~ 

 さすがにこのホンシャクナゲだけは上部では完全に終わっていましたが、中ほどまで降りればなんとか見られる花たちが見せてくれました。もちろん、ユキグニミツバツツジは終了で傷んだ花殻が遠目に見えるくらいでした。ただ、ヤマツツジはポツポツと咲き初めの感じで離れた斜面下の方に咲いているようでした。
 それに、イワカガミの残花もそこそこに見せてはくれましたが、こちらは見飽きるほどあちこちで見ましたのでそう用はない状態でしたが、ここではやや白色の花が見られることから、以前花好きな方で図鑑を見て「ヤマイワカガミでしょうか」と尋ねられたことがあったのを思い出していたのです。
 もちろん、ヤマイワカガミの種は関西圏は分布域ではありません。ここでは白花のイワカガミは突然変異のアルビノで、中部東海地方で咲く花のヤマイワカガミのあちらは完全な白花です。以前はその方面の山々でなんどか見かけていますが、こちらからご覧ください。

     
 白花のイワカガミでヤマイワカガミではない    フデリンドウが群生で咲いてる~ 

 そろそろ、足も疲れてきたようです。それでも、最初の水場まで降りてくればここで手や顔を洗って暑さを取ります。もう本日は夏山ほどの気持ちでした。そしてカマブロ滝を見物最後として、イン谷口からトボトボと比良駅へ向かったのでありました。本日は比良駅を一番電車で着き早朝6:45より歩き始めて、夕方16時頃帰り着きました。9時間ほどのお決まりの長い「花歩き山歩き」となったのでした。フゥ

  草本類(順不同です)

       
ニシノオオタネツケバナ  タチタネツケバナ   ノミノフスマ  アシウテンナンショウ 
       
ボタンネコノメソウ   キンシベボタンネコノメソウ  クルマムグラ   マルバコンロンソウ
       
 フモトスミレ  オオバキスミレ ミツバツチグリ  モミジチャルメルソウ  

 木本類です。

       
ヨキトウゲ谷のムシカリ   下山時のコバノガマズミ    アカシデ 若い果実   クマシデ 若い果実

 最後は山頂等です。

       
 武奈ケ岳山頂 頂より東稜を見下ろす   釈迦岳山頂 カマブロ滝下野草ほぼ終わり 

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