西山山麓の植物観察 ’19.7.2 雨のち曇

 今年の梅雨入りは61年ぶりの遅い入梅だったのですが、どうやら異常気象の昨今ですからまたぞろ豪雨やら台風等の自然災害も不安です。それでもなんとか雨足も途切れる間を狙って西山歩きをしてみました。しかし、今回はモッコクという比較的珍しき開花に出会うことができ、連日のうっとうしい梅雨の毎日なのですが、モッコクの満開時季をやや過ぎていたとはいえ、うれしい一日とすることができました。

 さて、モッコクの分類は以前ツバキ科でしたが、今はモッコク科に分類変更となっています。わたしはこの樹木はこれまで和歌山や淡路島、阪神間の山、それに瀬戸内海よりの和気等でも植栽でなく自生樹に出会った覚えはありますが、いずれも開花時ではなかったと思います。でも、こちら西山はもちろん、北山や滋賀県内での自生のモッコクには出会ったことはほとんどありません。
 どうやら本来の分布域は海岸付近の乾燥気味な山域で見られるようです。よくよく考えると京都あたりで見たものは人里に近い山域で見た覚えがあるのを思い出しましたが、どうやら別荘や山荘等の植栽物が野生化したと思われるものが、自然界に紛れ込んでいるようです。実は今回もその可能性大なる近辺だったのでした。本来は10~15mの常緑高木にまでなるようですが、今回は4~5mくらいでの古木のようでした。

 それはさておき、この珍しき種のモッコクに出会えば、やっぱり山の斜面の中にあれば心ときめくものがあるというものでしょう。といいますのが、花そのものは図鑑しかみていませんでしたから、実物の花の珍しい花弁あたりには釘付けとなってしまいました。
 しかし、調べると両性花を見つけないと果実は見られない面白い生態のようです。その点でもいたって珍しい樹木のようです。しかし、これからはこのモッコクは庭木や公園、街路樹等へ多く植栽されるらしいことから、その方面へ目を凝らすことになりそうです。それにしても自然のものは、やっぱり海岸線に近い六甲山あたりでは自然木が見られるハズなんですが、どうなんでしょう・・?

         
 この株はどうやら雄花しか咲かないよう    モッコク(モッコク科モッコク属)      葉は全縁で葉身の長さ4~6cmと小さい
         

それにしても、モッコクは両性花の株と雄花だけの株があるようで、今回見たのは雄花が咲いていたことから、これでは果実はならないのが残念です~ 

 

 さて、ミツバは食用としては知られるのですが、ウマノミツバは食用にならずせいぜい馬が食べる程度のミツバということで和名が馬之三葉となっているようです。もちろん、春先からこのウマノミツバの葉体は見つけてはいたのですが、わたしの摘み草の対象にもならず、花時すら忘れ去っていました。そのウマノミツバなるものでしたが、花は終わったところのようでしたが満開時は来夏に見たいと思います。草丈は30~60cmくらいですが、でも、見た目はまるで雑草です。笑

 次はムラサキニガナが何株かいろいろな姿で咲いていました。まだまだツボミも多く残っていました。

     
 ムラサキニガナ(キク科ムラサキニガナ属)    草丈は0.6~1mとひょろ高くよく倒れながら咲く

 フジの仲間のナツフジですが、こちらは春咲きではなく、名のとおり7~8月の夏に咲きます。なお、ヤマフジだけが右巻きですが、そのヤマフジを見つけるのは至難の業でしょうが、フジ(別名ノダフジ)やナツフジはどこでも普通に見られます。

         
  ナツフジ(マメ科ナツフジ属)   葉は互生で、小葉は4~8対つきます     もちろんつる性ですが、ノダフジと同じく左巻き 

 その他の植物たちです。

         
新たな所にタンキリマメの葉もみつけ     アレチハナガサ     ヤブガラシ ツボミ

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