琵琶湖周辺に咲く花 ’19.8.18 晴

 サギソウの頃となってきました。以前は、ラン科でありながらどちらの群生地でもどっさりと楽しめる種でありました。しかしながら、そうは言っても近年の群生地でも、安易に持ち帰り等によって、次第に個体数を減らしているように思うのはわたしだけではなさそうです。今回の山域においても、昨年の開花時期が終わる晩秋にも三ケ月間に渡って、登山道の草刈りではなく、種類ごと群落地ごと中心で足かけ10回の草刈り作業を根気よく進めました。
 その結果、それぞれの開花種によれば、現時点までの結果では、見事に多くの満開で喜ばせてくれたものが多かったのですが、サギソウはどうしたことかこれまでの大群生状態とはならなかったようです。素人判断ではありますが、本年の近畿地方の梅雨明けは7/24で例年より大幅遅れでした。梅雨明けがこれだけ遅いと、サギソウの生育期間が不足したのか、開花期にも影響があったのでしょうか・・?。でも、ひょっとして開花が遅れただけで、サギソウもこの後さらに咲きだしてくれるのであればいいのですが・・。
 そして、サギソウ以外の花々でも、まだまだ、これから咲きだす晩夏から晩秋までの種もいろいろとありますから、今後のそれらの群れ咲く満開状態を期待したいものだと思ってはいますが、さて、如何なることでしょう・・。

 
 サギソウ(ラン科サギソウ属) 
     

 ・花は唇弁の開いた様子が、シラサギが翼を広げた様に似ていることが和名の由来である。 ・ 図鑑には、花は1~4個つきとあるも、ほとんど茎先に1個が咲いているよう

 ・花の下に長い緑色のものが下がっているのは距で長さ3~4cmになり、垂れ下がる。先端は次第に太くなり、この末端に蜜が溜まる。

 ・山野の日当たりのよい湿原に生えることが多く高さ15~40cmの多年草、葉の長さは5~10cmとあるも、見事な花に目がいき、葉は無視しがちとなろう・・


 次はカワラケツメイという珍種です。和名を河原決明と書きますが、マイナーな種でもあって、この名を知っているハイカー等は極めてまれではないでしょうか。別名はマメチャ、ネムチャとも言われ、果実を茶の代用として使われて、市販もされています。

 花はマメ科なのに蝶形花とはならないのが珍しいですが、まだ咲き初めのようで一輪しか花はついてませんでした。花色は濃い黄色で直径約5~7mmくらいと小さく、それに雄しべは4個と少ないです。茎の高さ50cmくらいで下向きに咲きますから写真は撮りづらいです。
 また、葉がネムノキの葉によく似ており、15対~ 35対の細かい多数の小葉に分かれており、偶数羽状複葉というやや珍しき小葉のつきかたをしています。それに葉がネムノキにもよく似ることからのクサネムともよく似ています。豆果は長さ7~10cm、幅は5~6mmの扁平で、茎からぶら下がるのではなく、やや上向きにつくのも珍しい姿でしょうか。

 カワラケツメイは和名の漢字で分かるように、日当たりのよい河原の草地に群生しやすい種でありますが、「近年は河川改修などによって河原の植物群落は帰化植物が非常に多くなり、在来種が減少している地域も多い。そのため、カワラケツメイも稀少になっている。」とネット上でも見られます。 なお、ツマグロキチョウの幼虫の食草ということも知っておきたい種のようです。今日もそばにツマグロキチョウが緩やかに飛翔していました。

 
  カワラケツメイ(マメ科カワラケツメイ属)マメ科特融の蝶形花ではない

 

 次は秋の七草のキキョウが満開でした。ちなみに『秋の七草』とは・オミナエシ・ススキ・キキョウ・ナデシコ・フジバカマ・クズ・ハギですが、覚え方としてはこれは【おすきなふくは】でこれを「お好きな服は」として覚えやすいですよね。笑

 キキョウの茎は高さ50~100cm、葉は互生、裏面は白色を帯びます。8~9月の暑い時季に茎の先が分枝して青紫色の花を1~数個付け、極めて超希少種の花であることをみんなで知り合い、大事に見守りましょう・・。

 なお、日本中でも、この花の野生品は稀少であり、容易には見つかりません。RDB環境省カテゴリーでも「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」の指定であり、超希少種です。ハイカーの皆さん、野山で万が一そのキキョウを見かけた時には絶対に盗掘は厳禁であることをその場にいる皆さんにも伝えることを忘れないでおきましょう。もちろん、持ち帰ることは厳禁でそれは犯罪です!

 キキョウ(キキョウ科キキョウ属) 今では超希少種ですヨ!

 野蝶が飛翔していました~。

 
コミスジ(タテハチョウ科)でしょうか 

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