北山の花巡り ’20.3.19 晴のち曇

 今日の京は23℃だったと予報士が告げていた。寒いよりはましだが、これだけの気温はやっぱり異常でまた今年も大きな災害とならないでほしいものだ。ところで花も困ってはいないのだろうか。本日の一番花はトウゴクサバノオであった。大満開であったのが嬉しいと言ってしまえばそれまでだ・・。笑い

 この花はどちらの山においても普通に見られるために見飽きてはいるが、でも、1cmにも満たない小さな花で目立たないが、群落が広がればさすがに見ごたえ充分である。

 
 トウゴクサバノオ(キンポウゲ科シロカネソウ属) 

 これまた群生を作りやすいフッキソウも満開となっていた。本来常緑の低木なれども、樹木ではなく山野草のほとんどの図鑑にも登場するように、なかなか独特な花模様である。花は上部に雄花、下部に雌花がつく雌雄同株である。

 ところで、フッキソウといえばこんな話をすぐに思いだすのだ。北アの玄関口でもある上高地からは数え切れない山々のコースが目白押しだが、百名山案内で槍穂高に常念岳等へのコース上にある上高地から徳沢は、山屋でなくとも単なるハイカーでも知らない人はないだろう。その徳沢あたりの登山道沿いの公衆トイレの周囲を、このフッキソウが大群落で見られるのだ。

 ちょっとだけ植物に関心ある方はほとんどが、「この花というのか葉はなんですか・・?」との質問を受けたのはそれこそ数えきれない。この種は高山植物ではなく低山に生える花なのだ。もっとも徳沢あたりは、ほぼ1500mだから、微妙な標高ではある。
 この種は日本全国に分布する植物だが、やや限られた特性の持ち主で、比較的出会う機会の多くはない種のために、知名度もそんなに高くはなさそうだ。旅館やホテル等の庭先へグランドカバーとしても、また富裕層の豪邸にもよく使われている。
 そのようなことから、名の謂れは濃い緑葉が茂る様子が、繁栄を祝う意味を表しているということで「富貴草」と縁起のよい名がついたようだ。わたしはツアー時に花の名を聞かれ、簡単な説明後の最後には必ず、「さぁ、みなさんも富裕層な方々ばかりなのですから、お帰りになられましたら豪邸に似合うこのフッキソウでグランドカバーをどうぞ!!」と忖度し、満面の笑顔になっていただき、そして照れ隠しの爆笑を得て、「してやったり!」とほくそ笑んでいたのでした。それこそ、笑いだ・・

 
 フッキソウ(ツゲ科フッキソウ属)

 いろいろな山野草が咲きだして、いよいよ花巡りが忙しくなる嬉しい悲鳴の日々がやってきた。花狂いにはこのシーズンが徹底的な時を送る馬鹿げた人生模様なのである。世は新型コロナ報道の明け暮れなのに、体調管理には殊の外しっかり清潔に暮らしていきたいものだが・・? 笑い

         
キクザキイチゲ(キンポウゲ科)    ミヤマカタバミ(カタバミ科)    ヤマルリソウ(ムラサキ科) 
         
 ボタンネコノメソウ(ユキノシタ科)     シロバナネコノメソウ(ユキノシタ科)   シュンラン(ラン科) 
         
 ユリワサビ(アブラナ科)     ミヤマキケマン(ケシ科)    カテンソウ(イラクサ科) 

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