西山の花巡り ’20.3.24 晴のち曇
今回は偶然にも帰化植物4種に出会ってきた。それも、揃いも揃って見事に開花期を迎えていたのだ。ラッキー!
①のヒメリュウキンカの分布はヨーロッパ原産であり、日本の花ではリュウキンカだが、ともに花弁はなく萼であり、本家は5個だが、ヒメリュウキンカは6~10個と多い。でも、日差しがあるとキラキラと輝き、すぐにリュウキンカを思い浮かべるほど似通った花である。
しかし、こちらは花びらが多いから幅は細めであり、すぐにこれは「リュウキンカではないな」と、判別しやすい。ヒメリュウキンカは、惜しむらくは花が開いてもその日にちは長くはもたず、4~5日で落ちてしまうようで、花の命ははかなそうだ。
① ヒメリュウキンカ(キンポウゲ科キンポウゲ属 ) |
②はサクラ属のスモモは中国中部の原産である。現在栽培されているものは江戸時代にアメリカに渡り、改良されてまた日本へ帰ってきた品種が多いとされ、代表的な品種は大石早生やソルダムのようだ。とはいえ、スモモ、アンズやウメはスモモ亜属に分類されており、サクラ亜属やモモ亜属ではない。それは果実の縦方向に浅い溝があるのが違いのようだ。このような専門的な違いは難解だ。
しかし、スモモの花の見分け方として最たる容易な区別点は、花の萼が開花しても平開し、アンズと異なりそり返らないのが一番簡単な見分け方だろう。もちろん、開花時期が桜よりやや早く、花柄についてもスモモは約1.5cmであり、アンズはごく短い等、他にも樹高、花色や花の大きさ等相違点はいろいろあり、細かくは覚えきれない・・。笑
②スモモ(バラ科サクラ属)同時期に咲くためにアンズと話題になる種だろう |
実は改良されたソルダムの名を聞く、球形の果実は梅雨期に熟す、↑右でスモモの萼はアンズのようにそり返らず平開気味だ
③はサンシュユで、中国朝鮮半島原産で江戸時代に渡来したというが、もちろん、自然の中には植栽だが、山地で見られるのはやや稀だろう。花が真っ黄色でよく目立ち、牧野富太郎がハルコガネバナといったようで、今では別名にもなっている。わたし的にはアブラチャン、ダンコウバイとともに、春まだ浅きころにパッと黄色い花を一番に広げて、ハイカーを出迎えてくれるこの三種をハルコガネバナと思っているのだが・・。
③ サンシュユ(ミズキ科ミズキ属) |
④はうっかり葉を触ろうと手を出すと「アッ痛い!」と声が必ず出るほど鋭い針状の鋸歯を持つヒイラギナンテンだが、一週間前までは濃い緑色の葉はついていたのだが、今回は鹿だろうが、この葉を首の届く高さまでのものを食べてほとんどなくなっていた。花は毒性がきついのだろうか・・。みな残っていた。
なお、別種のヒイラギは日本でも自生種であり、モクセイ科となっているのだが、ヒイラギナンテンは中国原産で17世紀に渡来とあり、庭木では普通に見られる。だが、これだけ同じような葉をつけるのだが、なぜメギ科と分類が変わるのだろうか・・?。
④ ヒイラギナンテン(メギ科ヒイラギナンテン属)葉は鋭いが花は可愛らしい |
さて、本来のお目当てだったヤマナラシの花は如何だろう・・。なにせ、こちらでの個体の花そのものはこれまで見たことがないのだ。なんといっても樹高が高すぎて細かくは容易ではないのだ。大きくなれば25mにもなるらしい。
その点では観察にはやや苦しい。今回は望遠で何とか3cmほどに伸びていた雌花と思うのだが、どうにか目にすることができた。過去には他の地だったが、大勢でザッと「アッ、あの木はヤマナラシだろうね・・」で通り過ぎてしまったのだ。つぶさな観察は出来ずじまいだったのが今頃になって悔やまれた。
ヤマナラシ(ヤナギ科ヤマナラシ属) |
ヤマナラシの開花始まる。ただこのヤマナラシの花をUpして撮ったのは初めてであった。この木は雌雄別株らしい。どうやら撮った花は雌花のようだが自信はない。如何に勉強不足だったのかが丸わかりだ・・。これなら雄株の花も探すべきだったのだ。本数は沢山あるために、きっと両種ともにあるハズだ。近々に再訪しよう・・。汗
おそらく雌花の花序だろう・・長さ6~11cmになるとのこと、雄花は葯が紅紫色らしいが、その派手さは見えない・・?
最後にその他の咲き初めの花達と、昨年の果実がようやく残っていたイヌガシの実が目に入った。手持ち図鑑では多数の果実写真が掲載されているのだが、西山では見られた年にはポツンと一個しか目に入ったことはない・・。泣
ウグイスカグラ(スイカズラ科) | クロモジ(クスノキ科) | コバノミツバツツジ(ツツジ科) | ||
イヌガシ昨年の果実(クスノキ科) | タチネコノメソウ(ユキノシタ科) | ユリワサビ(アブラナ科) |