西山でヤマナラシとヤマモモの観察 ’20.3.30 くもり

 ヤマナラシの花を見て来た。その花は円柱形で垂れ下がるのだが、雌花だけで雄花を確認することはできなかった。それは多くあるこの樹木が高木すぎてどの樹を狙ってみても雌花ばかりでしびれを切らして退散してしまった。
 こうなれば今期中に何とか雄株を見つけ出したいが、さて、どうなることやら・・・。しかし、まだ冬芽観察も何とかギリギリ間に合いそうだから今期中に探したい。そうなればのんびりしてられない。我が身に与えられた時間はもうそうない・・爆笑
 以下の写真は雌花序ばかりでウンザリだったが・・。次回のリポートは雄花だ!、次のそれは葉の展開が始まるまでの時間なのだ。汗

 さて、↓の3枚ともに写っている先が尖っているのが冬芽の頂芽や側芽であり、こちらから葉の展開が始まるのであり、開花より遅くなるのだ。どうやら、この樹とのお付き合いが今年は度重なることだろう・・笑

 
 ヤマナラシ(ヤナギ科ヤマナラシ属)

 そもそもヤナギ科は世界には4属550種もあるらしい。その4属(ヤナギ属・オオバヤナギ属・ケショウヤナギ属にヤマナラシ属)のうち、ネコヤナギ等のヤナギ属は冬芽の芽鱗が1個しかないが、ヤマナラシ属は数個以上の芽鱗に包まれているのが大きな特徴のようだ。
 このヤマナラシの冬芽を包む約1cmほどの長さである芽鱗は10~13個あるようだから、次回はその芽鱗枚数もチェックを忘れずにしたい・・。自然観察の基本は五感を駆使することから始まるのが常識だが、それすら忘れてしまっている。情けない・・笑
 実はヤマナラシの冬芽は触れば樹脂を被っているらしいから、指先はニチャニチャするはずだからもちろんテッシュも持ちたい・・アハハ!

 この花の長さは雌花、雄花ともにおよそ5~10cmと長短はほとんど無くて、その長さの様子からは見極めはできそうにない。他の樹木花はほとんどが雌花が短いか、か細いかの違いで目視で区別ができそうだが、ヤマナラシの花はほとんど長短同じ長さのようでそれらの比較が素人には難しい。どうやら相違点は雄花序では裂開して花粉が出るまでは紅紫色の葯が見られることのようだ。この点が次回のお楽しみとなろうか・・

続いて本日の第二段であるヤマモモだ。この樹種もどうやら現在が開花期の真っ最中らしい。普段はあまりに高木なために、西山ではどのコースを歩いても樹齢100年はたっているのだろうか‥と思えるほどの大木が普通に見られるので、珍しくもなくヤマモモに対する関心度はほとんどなかったのが実情である。

 そのようなことから、実はこのヤマモモは真っ赤になった果実がびっしりついた個体は目にはしていたが、この樹の花を見るのは初めてであった。それは先の山歩きの中で偶然開花中のヤマモモの花を見かけたのだが、その原因は高木のヤマモモの枝が、垂れ下がって花をつけていたことからの興味となったものである。たまたま、常緑高木の枝が垂れ下がって手が届くほどの低さだったからの縁である。縁は異なものとはよくいったものだ・・笑


 さぁ、具体的な花序の様子としよう。最初が雌花で二段目が雄花である。このように植物の花序なるものは素人目にもほとんどが雄雌の区別は容易であるのだが、前段のヤマナラシの件ではほとほと手を焼いてしまったのだ。トホホ

 ヤマモモは小さな科で日本では2属のヤマモモ属とヤチヤナギ属だけらしい。とりわけヤチヤナギは思い出の樹種である。それは尾瀬へ何度か案内した時にはいつもこのヤチヤナギの解説に余念がなかったのも忘れられない。外観がヤナギに似て、低湿地の谷地などの尾瀬が有名な自生地であったことからの名前の謂れでもある。ア~、あの「夏がくれば思いだす~♪」であり、今でも1mにもならない低木なれどもその姿が懐かしい・・

 さてはて、それに比べて、こちらのヤマモモはまるでお化けだ!。常緑高木でもあり、照葉樹林地に生育し公園樹としても知られるのだが、こちら西山では普通高さ5~10mといわれるも、15mは雄にあるだろうと思われる高木はいとも簡単に見かけることが多い樹木でもある。

 
 ヤマモモ(ヤマモモ科ヤマモモ属) 雌花序は長さ1cmで細い
 
 ヤマモモの雄花序も花つきがよく、3cmほどでしかも太い 

 

↓画像は低い尾根上で日当たりよき地だからだろう。軽く15mはあろうかと思える大木が周りを見渡すと10株は下だらなそうだった。まさにヤマモモの森のようで、数ある樹種でも高木の貫禄十分なる樹種といえようか。なるほど、これなら見上げても裸眼では、いくら覗いても花の姿など目には入らないために、花にどれほど興味があってもハイカーにはヤマモモへの関心度はほとんどないのが当たり前だろう・・。

 なお、↑の雄雌の花は別地にあった高さ4~5mと背の低い個体を撮影したものだ。近くにあった傷みの見えるプレートには2009年植樹のもののようで、青年樹らしく元気に沢山の花をつけていた。このように↓画像の様な相当な古木であれば、もう樹勢は使い果たし開花力は衰えているのかも知れないのでは・・と素人判断だったのだが、その点では如何なものだろうか・・?

 しかしながら、現状の西山では落葉樹はヤマナラシに、そして常緑樹にはヤマモモが両横綱の名誉ある扱いとなろうと勝手な話しづくりに決定した!! 爆笑

 
 年中このように丸っぽい樹冠の樹形は低山の王様のよう 

 以上の二種の大木観察に気を取られて、今日ばかりはいろいろな山野草にまで目に入らなかった。この後しばらくで帰路に向かえばようやく↓のような小さな花が足元にけな気に咲いて喜ばせてくれた・・。今日も一日ありがとうと最後に感謝の心となってくれたのだった・・。おおきに!

     
 可愛らしいシハイスミレ距ピンとはね上げ    清純らしくセントウソウも自然の一員だ

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