西山 ヤマナラシとヤマモモ ’20.4.27 晴

 今回のヤマナラサシの観察はそろそろ雌花序が綿毛の付いた種子を散布させる時季だろうと読んで出かけてみた。その小さな種子は一ヶ月ほどで熟すことになるらしい。種子はフワフワと風に乗って長距離、遠隔地に飛んでいくようだが、この地では親株近辺に毎年沢山落下させて、刈り込まれた草原一帯に子株の芽だしを見ている。今回も多分2年生、3年生に4年生と3年分くらいの成長度合いの異なる高さの幼樹を目にしたが、3年生と思われるものだけ撮ってみたが、帰ってからそれぞれ撮るべきだったなと悔やんでしまった。次回に撮ろう・・トホホ

 もっとも、こちらの幼樹は4~5年もしないでほとんど草刈り時に一緒に始末されているのが惜しい。どうやら、市内の大企業の若手の皆さんにより、ボランティア活動の一環のようで整備されているらしいが、植物好きにとっては如何ともしがたい行為ではなかろうか・・。

     
葉の展開もまだまだこれからだろう。花序長11cmと図鑑どうりだった      多分3年生の幼樹高さ約60cmくらいか 

 次の観察はヤマモモである。こちらは都合よく雄株雌株揃って植林されたとみえて観察者にはありがたい個所である。ところがこちらのその後だが、素人目にはそう変化がありそうにない。人間と一緒で植物たちも樹種や個体によって成長度合いも千差万別なのだろう・・?

 ↓左の雌花で赤く目立つのは、雌しべだ。雌しべの花柱の先は2つにわかれているのは何のためなのだろうか・・?。きっと理由があるのだろう。やっぱり一眼でないとこれ以上の極小さな花粉などのつき具合等撮れない。ましてやこの腕だから撮りようがないのが残念だ。これ以上の植物力も撮影力も、現在の生活力なら無理というもの、このあたりで諦めよう・・。シクシク

 でも、これで来月には粉の吹いたような丸い果実ができるとのことだ。さらに6月になれば赤黒く色づいて食べられるようになるらしい。それらを楽しみとする観察行をしばらく続けたいものだ。

     
 ヤマモモの雌花序、これから球状の赤い果実ができるとは想像しがたいが    ヤマモモの雄花もまだ花粉を飛ばしているのか 

 さて、本日のわたしにとってのヒットはこれだった。それは初見花のウスベニチチコグサであった。ところがこのウスベニチチコグサはアメリカ原産らしい。1930年代に茨城県や兵庫県で採集され、1987年に整理されたようだ。関東から九州にかけて広く帰化しており、芝生、道ばたなどでチチコグサモドキよりはるかに普通に見られるようになっているとのことだが、わたしは今回初めての花だった。これが足の踏み場もないくらい広がっていた。

     
 ウスベニチチコグサ(キク科チチコグサモドキ属)   15cmくらいだが、今後20~50cmと高くなりそう  

 ウスベニチチコグサ広がる草原には他にもヒメハギ、キランソウ、コナスビ、カタバミたちが花時だった。この外にも、スミレ科スミレやカンサイタンポポそれにカラスノエンドウ、スズメノエンドウにカスマグサも咲き残っていた。まさにハイジが遊ぶ花園の丘だった。

     
 ヒメハギ(ヒメハギ科)     キランソウ(シソ科) 
     
 カタバミ(カタバミ科)    コナスビ(サクラソウ科)

 本日歩いたなかで見かけた山野草は次のような花が見られた。

     
 ニオイタチツボスミレもほとんど終盤    ミヤコアオイは今年は沢山咲きそう 
     
ミヤマハコベも豊年だったよう      ニッコウネコノメソウは終わり~

 民家からしばらくであたりは山の中と思える地まで歩くと、斜面に鮮やかな黄色い菊の花と見間違いそうな一輪の花が目に入った。花そのものはキクに間違いなさそうだが、葉を触ってみて驚いた。草ではなくて固いまるで木質の感じである。
 さぁ、困った、この花は何だ~・・?。となり、すぐに帰化植物図鑑をめくるも出てこない。しからばネットの力を借りようと質問してみた。すぐにシュンギクでは・・とか、マーガレットコスモスと思うとか、ユリオプスデージー も候補にとのお答えである。
 このあたりで、園芸種好きなカミさんにふると、分厚いそれらの大型図鑑を持ちだしてきた。いろいろ調べてみて、結論として南アフリカ原産のユリオプスデージーと見定めた。(ガーデニング基本大百科) ユリオプスデージーとマーガレットコスモスの二つを比較検討した。根拠は葉の切れ込み具合が深く巾は細いしとのことで、ユリオプスデージーと結論づけた。
 またそのユリオプスデージーは有毛が特徴らしいがその点は再訪時に確認することとしたい。かってないドタバタ騒ぎだったが、どうやら帰化植物の園芸種が野生化したもののようだ。我が目は何年もこの前を通過していたのだが、開花は今年が初めてなのだろうか・・。人間なるもの花の部分だけを注意して歩いている証拠で、葉だけでも意識する観察力はまったくない自分が哀れに思え、身に染みるありさまの一日であった。

         
ユリオプスデージー(キク科)    総苞等密毛白っぽく見える4/29追加    葉は固く確かに草でなく木のようだが 

 最後に木本類だ。

     
 カスミザクラがまだ咲き残り   鋸歯粗く花柄有毛で萼片ふち全縁 
     
 コバノガマズミ(ガマズミ科)     根拠は葉柄基部の針状托葉一対
     
  リンボクの新葉は赤くなり、根拠→   サクラ属下向き葉身基部に密腺あり  

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