西山に咲くエンコウソウ、カナビキソウ ’20.4.29 晴

 花の前に立つと遠い春、尾瀬ヶ原でいちばん早く咲きだす鮮やかな黄色い花リュキンカが群れ咲く光景を思い出していた・・。それはエンコウソウの仲間であったのだ。この花は花茎が小豆色の太い茎が長く横に這ってから斜上して花を咲かせる。
 花茎がそのまま立ち上がるリュウキンカとの違いを見せてくれる。今日もはるばる足を伸ばして奥深い山里の小さな湿地で、その黄色い花たちが散らばって咲いていたが個体数はきわめて少ないのが惜しまれる。でも青空のもと、すばらしい花風景が見られ感激だ。久しぶりのエンコウソウで、うれしい~♪♪

     
 エンコウソウ(キンポウゲ科リュウキンカ属)     RDB京都府カテゴリーは『絶滅寸前種』

 さて、リュウキンカの仲間と言われるエンコウソウは、いきなり立ち上がるのではなく長いものでは、50cmも花茎を横に這って伸ばしてから咲くという独特の花姿となっている。湿地や水辺などに生える多年草で、萼は花弁状でふつう5個だが、ときに8個もついていたのも見られた。雌しべは5個、雄しべは多数ある。でも花もそれぞれ個性がいろいろのよう・・。いずれにしても、超希少種のために、この花を見かけた方は大事な花であることを知り、野生植物を大切にするるモラルが必要だろう!。


 続いて、こちらも比較的珍しいカナビキソウにも出会えた。草丈10~25cmで日当たりのよい草地でイネ科に半寄生して生えるようだ。茎は稜がありしっかりして立ち上がる。葉は互生し、線形で長さ2~4cmと細長い。花は葉腋につき、短い柄の先に単生する。花は花弁はなく萼片先が5裂している。白く小さくて派手さはそうなく地味な花と思ってたのだが、その場でよく見ると花の内面まで真っ白で花そのものにメリハリあり、見事な野草だと思い直した。
 なお、5~6月から果実が膨らみだし、9月末ころに乾燥した果実が出来上がるようだから、その時を忘れないでおこう・・。

 
カナビキソウ(ビャクダン科カナビキソウ属) 

 ↑RDB京都府カテゴリーは『準絶滅危惧種』 

歩きながら、長い道のりにはいろいろな花々が目についた。中でもバラ科キジムシロ属のミツバツチグリにも久しぶりに出会があったこともうれかった~。久しぶりのためその特徴を書き記そう。①花を上から見れば花弁の基部が細くなり、ふつう蕚が星型に見える。②根生葉の葉脈が裏面に浮き出るのが触ればよく分かる。③走出枝(ランナー)は短い。

         
畦道にはミツバツチグリいっぱい     ヤマルリソウはほぼ終焉だろう    キランソウが法面に大群生の満開 
         
 ニリンソウは長く楽しませてくれ~     まだまだニッコウネコノメソウも残花が   ホウチャクソウは満開となり~ 

 木本類も花の終わりやこれからやといろいろだろう~。花は終わるも独特の淡い赤色の葉を見せてくるオオバベニガシワが好きだ。名前からしておもいろいウグイスカグラがまだ咲き残って強い風に吹かれていたのを枝を引っ張りながら撮らせてくれた。フゥ

         
オオバベニガシワの美しい葉    終わりのウグイスカグラ     コクサギの雄花が満開本番
         
 コバノガマズミもこれから多く咲く     若いカスミザクラ、花はなく葉の美   ウワミズザクラはまだ残花が見られ  

 最後の話はリンボク(バラ科サクラ属)である。この種は桜の中にあっては珍しい常緑種だが、今年は大木となってた個体を初めて果実も葉も楽しませてもらっている。ところが今回は昨年咲いてできた果実の熟すのは開花の翌年5~6月といわれ、そろそろその結果が近づいてくるので楽しみだ。
 さらに、常緑樹だが、その新葉の展開姿も初めて見るためにおもしろい。↓左画像 これらの実や葉の姿はもちろん、さらに今年9~10月の花期である花の開花が待ち遠しい~。

     
 常緑のリンボクの新葉の展開始まったよう    赤っぽいリンボクの新葉と色づく果実 

* 最後になりましたが、京都府では希少植物として大事に見守られている・エンコウソウ・カナビキソウについての見られる箇所等のお問合せには応じられませんので悪しからずです。

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