西山で咲く花 ’20.5.12 曇のち晴

 先の5日と8日に見ていたキンランとギンランがほぼ蕾状態であったために、そろそろ満開となっていることだろうと期待しながら再び訪ねてみた。ところが結果は最悪でいずれも影も形も消えていた。キンランはご丁寧に盗掘跡へは新しい土が乗っているではないか。「この野郎・・!」と思わず声が出かかったが、そこは感情を押しとどめた。

 次のギンラン地へ近づくと昨日だろうか、そんなに雑草は高く生えてもいなかったのだが、草刈りがなされているではないか。「やっ、これは危ない・・?」と、さらに進めばやっぱり、きっちりギンランも無くなっていたのだ。こればかりは一帯の所有者の方々によって持ち回りで草刈りがなされているのだろう。それはそれで、希少なギンランも咲くことができる環境が維持されていることとなるのだろうから、仕方ないのだろうと心静めることができた。
 でも、もう少しだけおいてやって欲しかったのが心情ではあった。残念

 ということで、本日はヤマナラシの観察をすることに心入れ替えることとしよう。ヤマナラシ(ヤナギ科ヤマナラシ属)の学名はPopulus tremula とあるように、まさに日本のポプラであるのだ。落葉高木で、あまり風がなくとも、サラサラと葉擦れ音がし、強風ではザワザワと音が大きいことからの「山鳴らし」となったらしい。

 ↓左のように、この雌花のところへ綿毛でまとって、その後に風に乗せて種子を散布する戦略なのだ。もちろん、風に世話にはならず、すぐ下へ落ちる輩も多いのが、↓右側画像である。そのようなことから、この地では多くの実生からの芽生えが発生するのだが、植物に無関心のハイカー等には、歩くのに草叢が邪魔だとのことで、長く成長しても3~4年もしないでほとんど刈り取られてしまうのが現状であるのだ。
 よって、実生育ちで成木まで生き残れるのはいかに難しいかが分かろうというものだ。できれば一面がヤマナラシの大群落となってくれれば、人を呼び集めることともなるのだが、観光地化が叫ばれるこの時代なのに、お役所は気がつかないのだろうかといつも思いながら登ってきているのだが・・。

     
 この樹は雌雄異株で雌花に種子へ綿毛がつき    落花した若き種たち、今後芽生えを目指すが・・

↓左は葉柄が7cmと長くなり、葉への取りつきの表面基部には腺があるのも珍しい。もちろん、樹木↓中央の幹は高木となり25mにもなるらしいが、この個体は見た目では15mほどだろうか。

 
葉身は大きいものは15cmにもなるとのこと 
       
去年の実生育ちだが、さていつまで生きられか 
     ヤマナラシの樹木は高木となる     

 さて、心を入れて満開のクリンソウに出会いに行こう。昨年からの猛烈なる異常気象によって、植物たちもこの異変続きの準拠に苦しんでいることだろう・・。どうやら今年は満開が遅れ気味のようだ。なおかつ、花数もそう多くはなさそうな気がする。でもそんな地球環境のなかにありながら、頑張って綺麗にハイカーたちを呼びつけてくれる今年のクリンソウにも拍手を送りたいものだ・・。ニコ

 
 クリンソウ(サクラソウ科サクラソウ属)
 
 本種は鹿の忌避植物なのだが安心はならない 

 他にも目についた野草類を上げよう。

     
 基部は地を這うトウバナが群がる     放棄田でアヤメ咲く 
     
 ポツンとキツネアザミの残花    茎も葉も赤くなるオカタイトゴメ大群生

 木本類4種を上げてみよう。

     
西山では ガマズミは少ない(ツボミ)    ヒメコウゾも満開 
     
 萼が5裂のツクバネウツギ    萼が2~3裂のコツクバネウツギ 

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