愛宕山から梨ノ木谷 ’20.5.22 曇

 保津峡-ツツジ尾根-表参道-愛宕山-三角点-旧スキー場-首無地蔵-梨ノ木谷-清滝-阪急嵐山

 愛宕山のミヤコツツジに出会ってこようと昨年と同日に登った。昨年は寂しかったが今回は豪華絢爛たるミヤコツツジが出迎えてくれた。さすがにミヤコツツジというくらいだからその本場はやはり北山の愛宕山だと納得させてくれたのだ。というのも今年からミヤコツツジ見物は近場の西山で賄おうとの心づもりだったのだが、これだけの咲き具合ではミヤコツツジとはいえないのでは・・との気持ちが本年であった。その西山では今月5/5にミヤコツツジを見たばかりだった。

   
 ↓二種の自然交雑種がこのミヤコツツジ
   

京都の山塊では春一番のコバノミツバツツジに続いてやや遅めのミヤコツツジが華やかだ。前者のオシベは10本だがこちらは5本と少ない 

 本年はその母種でもあるヤマツツジとモチツツジが咲き残って、とりわけ沢山のヤマツツジが色あい鮮やかに咲き誇っていたのも見事であった。

     
 ヤマツツジ    モチツツジ

 さぁ、今回は樹木観察としよう・・。ところが、稜線に乗るまでの標高600mあたりではカマツカのみが咲いていたが、タカノツメやウラジロノキは咲き終わっている。だが、800m近い稜線歩きは樹木花もまだまだでムシカリだけは終わっているも、ヤブデマリがやっと開花が始まったのかなと離れた地を見下ろしていた。道沿いにはヒロハゴマギ、ツルデマリが蕾膨らみ、まだまだ先のようだ。

 我がお目当てはやっぱり、オオウラジロノキ、ウラジロノキにズミにカナクギノキやアオダモだったが、いずれも落葉高木のために花の時期揃わず、一度に一緒に楽しむわけにはいかないのが残念である。そうそう、稜線上のイケマ地あたりで、「◯◯明さんですね・・」と声がかかった。「エ~・・」と振り返ると、その方は以前からご一緒したことのある花好きでかつまた超健脚な持主であり、さらにスラリと粋な女性の方だった。山友だろう、お二人で「梨の木から上がってきました。どうぞ、帰りは歩いてみて下さい。きれいに倒木整理が片づいていますよ・・」と情報提供があったのだ。

     
  オオウラジロノキ    ズミ 
     
オオウラジロノキの花はほぼ咲き終わり      ズミの花は完全に終わり 
     
 ウラジロノキ花は高すぎて過去から見たことなし    カナクギノキ開花早く、もう果実化へ進み

 前後するが、600mあたりのカマツカはさすがにもう満開となっていた。樹高3~4mくらいであろうか。元気に咲いてくれ、これなら秋の真っ赤な実時が楽しみだな・・と一人悦に入りながら眺めている男がいた・・。笑

         
     バラ科のカマツカ     

 さて、木本類はこれくらいにして、草本類もなんとか目にすることができたのだが、やっぱりその種は多くはないのが残念だ・・。最初はハクサンハタザオだ。昨年ひょいと何気なく普段は見ない方向に目をやって飛び込んできた、白くてなよなよと花の重みで倒伏しながら群れ咲く、ハクサンハタザオを昨年の今日と同じ月日に見つけたのが忘れられない。

 
 ハクサンハタザオ(アブラナ科ヤマハタザオ属) 

 愛宕のテンナンショウの仲間は比較的いろいろ多く咲くのだが、今回はアシュウテンナンショウ(サトイモ科テンナンショウ属)にも出会えた。図鑑によれば、ヒロハテンナンショウの変種と謂れ、高さ15~50cmとあるが、この個体はまだ成長浅く20cmもなかったかなと思えた。普通葉は1個で小葉は5~7個が花序より上に広がるとある。また、仏炎苞は濃紫色を帯びるのだが、今回のものは葉裏のみで表側はまだ緑がかっていた。それに花序の付属帯は棒状であった。

 
 花序は葉より下側につくアシュウテンナンショウ 

 ↓左の小さな可愛い花を愛でながら三角点地広場でお昼をのんびり食べた至福の時だった。。

         
 今が旬のジシバリ(キク科)    そろそろ終焉のクリンソウ(サクラソウ科)     口部著しくくびれるミヤコアオイ(ウマノスズクサ科)

 今回はツツジ尾根から愛宕山に上がり、ストーブ小屋はコロナ禍で閉鎖されていたが、柱にかかる温度計は13℃だった。ハイカーはさすがにまばらだ。三角点から芦見谷の水場へ補水に降りたが、この芦見谷の台風過その後もやっぱり手付かずの状態だろうか・・?。以前はこの谷を降って竜登口から竜ヶ岳、滝谷から地蔵山の愛宕三山が当たり前だったのだが、一昨年の21号台風過以降はそれが出来なくなっているのが残念だ。それでも、ツリバナは終わりかけ、ヤブデマリにゴマギはこれからの様子だった。

     
愛宕山13℃とひんやりしてた      三角点地から芦見谷の水場へ進み
     
 スキー場跡地に開拓記念碑の台座だけ残留   あたりを徘徊し地蔵に竜の眺めも楽しむ  

 さぁ、下山に取りかかろう・・。ジープ道から樒ケ原より神明峠へのコース取り予定を変更して、美人ハイカーさんお奨めの梨ノ木谷へ降りよう。梨ノ木谷といえば京のハイカーであれば知らない者はない。それは平成30年9月4日に暴れ回った台風21号による大被害だった。それ以来このコースは凄い倒木の連続と土砂崩れの勃発によって、もう梨子ノ木林道歩きはダメだろう・・といわれていたのだ。

 そんな荒れ様を、どこのどなたか知らないのだが、ここまで見事に復活させて頂いたようで、神様仏様に感謝感激で誠に有難いの一言である。降りて来た道は上で聞いたとおり、倒木を跨いだり越したりするような箇所は一か所もなく、ただ普通通りに腰をかがめることもしないで、悠々の余裕の歩きが可能となっていた。
 確かに道は以前より大幅に細くはなっていたり、土砂崩れにより、コンクリート道が消えてしまっている部分もあるにはあっても、それにかわる踏み跡がしっかりついているではないか。倒木の切り跡を見ても恐らく昨日一昨日のように見えた。お疲れ様でした。ほんとうにありがとうございました。

         
首無地蔵さん地は何事もなかったようにのどか    峠から15分、左岸の小屋崩壊跡地ヒメウツギ咲き    梨子ノ木林道終点の大岩は今も健在 

 大岩から後もずっとこのような荒れ様続くも 
       
その高木前に梨子ノ木大神碑が流されて傾き
     道は完ぺきに復旧済、境界地のメタセコイア高木    

 首無地蔵さんから2時間半ほどで嵐山中之島公園まで帰り着いた・・。フゥ、それにつけても梨子ノ木谷の登山道の復活は京のハイカーにとっては大きなニュースとなること間違いなかろう・・。さぁ、みなさん復旧作業に従事していただいた方に大きな感謝を忘れないで、梨子ノ木谷から愛宕山への登山をドンドンと楽しもうではないか。表参道やツツジ尾根はそろそろ卒業して梨子ノ木谷コースをだ・・!! 笑

 
7時間ほどの愛宕だったが忘れないだろう・・  

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