今年も大群生のトキソウ ’20.6.10 曇り

 そろそろ関西圏も梅雨入りだろうか・・?、と思って帰宅するとやっぱり本日が梅雨入りの発表となってたようだ。やっぱり本日、トキソウに逢いに行って大正解であった。さすがに日ごろから精進の良さで、当地では一滴の雨にも降られずに可愛らしい花々に出会えた。笑

 本日会えたトキソウ、ヤマトキソウ、ササユリ、シライトソウ、カキラン、ソクシンランにキンコウカまでも初々しく咲き初めの花々が出迎えてくれた。ただし、最初のトキソウだけは日当たりよしの群生地のために雨降らずがしばらく続いたことから開花が進んで今期は早くも花びらが痛みかけた個体が多くあったのは可哀想だった。
 もっとも仲間のヤマトキソウ、それにソクシンランがこれらの種の中にあっては一番開花が早い種なのだから、もう終盤は否めないのは承知ずみである。咲き初めの仲間たちには、明日からの降雨で花々がやや心配なれども晴ばかりでは生きてはいけないし、なかなか辛いところだろうか・・?。

 毎年のようにこちらのトキソウに酔いしれようと足を運ぶのだが、その思いは多くの方々も同じようだ。今年も二人連れの御仁がやってこられたのを出迎えることになった。もっとも、こちらと違い今日の方は単に花が好きだというおばさんだ。話しぶりからして、真剣さは感じられず、あっけらかんとして笑うだけだ。「希少種・・?、なんですか絶滅危惧種・・それ何ですか・・?」、こちらの空いた口がふさがらん!・・。

 数少なくなった山野草を愛でる一くさりを話さざるを得ない。誰とでもここへ連れて大勢で踏み込むのでは困る旨を得々と話して聞いてもらった。この山域でもトキソウだけが花ではなく、珍しい花々の群生地の草刈り等の世話人の一役を担う身としては、オーバーユースとなっては踏みつけや、盗掘等の減少策のために、希少種対策保護等をも叫ばなくてはならない。
 いずれにしても、昨今の日本の山地、森林等の大問題のさなかにあって、みんなが考えないと今に地球温暖化と同じような道を進むこととなろう・・。植物だけに限らず、自然は人類みんなのもの、多少なりとも興味ある人も無い人も十二分なる確かな行動が求められるのではなかろうか・・。シーン、笑

 
 トキソウ(ラン科トキソウ属)
 

 ヤマトキソウだけではないだろうが、環境がやや変わったようで、これまでかたまって咲いていたグループ地はなぜか一輪たりとも顔を出していなかった。不思議だな~?

 
 ヤマトキソウ(ラン科トキソウ属)

 ササユリももちろん多年草、そこそこに密にならずに離れながらだが、広くかたまって生きている種であり、世話のやりがいのある花ではなかろうか。草刈り後にはひいき目だが、元気でいっぱい咲いてくれるように愛でていた。うれしい、来年もまたいっぱい咲き誇ってくれるよね・・。とつぶやきながら後にした。とりわけ、嬉しい出会いはこの花だ。毎年1輪はアルビノだろうが、真っ白な葯以外が純白ササユリが今年も見られた。

 
 ササユリ(ユリ科ユリ属) 
 

 シライトソウ群生地も多数咲いてくれた。もちろんこちらも草刈り範囲を広げながら進めてはいるが、思うようには花は広がらない。やや日差しが少なめだろうか・・?。いやいやシダ類の競争が敵であろうか・・。

 
 シライトソウ(シュロソウ科シライトソウ属) 

 さて、最後のお目当てでもあったキンコウカだが、本来は亜高山帯の湿った草地に生える多年草であり、高層湿原では大群落をなすことは多い。北アの白馬岳や常念岳でも厳しい道のりの中でこの群落を目にすれば、疲れを忘れさせてくれる花だったことは忘れられない。アルプスでは7~8月の夏山花だが、低山で咲くためにもうこのキンコウカに出会える幸せを感じているのだ。これからさらに咲き誇ってくれることだろう。

 
 キンコウカ(キンコウカ科キンコウカ属) 

 その他の花々や果実だ。

   
モウセンゴケの仲間のイシモチソウ
 
ツルアリドオシの群生地あり 
 
 ネズミモチは無節操に分布し     サルマメは早くも実が色づく  
       
テイカカズラはまだまだ美し  タツナミソウは終盤のよう   ネジキはツツジ科で珍しく有毒なり  ミツバウツギ花はウツギに似るとか  

 最後にお断りです。こちらのページは希少種が含まれております。よって山名等の掲載は省かせていただいております。したがってどなた様でありましてもそのお問い合わせはご容赦願います。

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