比良に咲く花 ’20.6.22 晴のち曇

 久しぶりにクモキリソウの葉がみられることから期待してはいたのだが、雨模様によって満開時季にやって来そこねてしまい、ほとんど終わりのようだったのが悔やまれた。というのも、以前のようにそれなりに数あればしばらくは見られるのだろうが、昨今、このクモキリソウは何年か見られなくなっていたことから、案の定、今年は花を上げたのが二株で、一枚葉、芽出しで精一杯の草体のみなどで三株と寂しかったことから、開花は残念一株限り、それもほとんど終いであったのだ。

 さて、そのクモキリソウの内容を覗いてみよう。葉は茎の基部に2枚が相対してつき、長さ5~12cmで、幅は2.5~5cm程の卵状楕円形で、先端は鈍頭であり、縁には細かい鋸歯があって縮れる。また、花が咲くのは6~8月と幅があり、年によって開花時期はずれることから満開時に出会うのは容易ではない。茎の高さ10~20cmになり花茎真っすぐ立ち上がり先端に5~15個の花を総状につけ、下方から開花していく。また、花色は淡緑色ときに淡紫褐色、黒褐色と変異があるようだが、こちらでの花は総体に淡い緑色の花をつけるようだ。

     
クモキリソウ(ラン科クモキリソウ属) 

 場を移して、半寄生の薬草でもあるイチヤクソウだったのだが、予想どうりにほとんどが終了していたのだ。ただ、嬉しいことに一輪のみが何とか名残り花で待っていてくれた。ところで、この花はかってはイチヤクソウ科とされていたが、旧イチヤクソウ科は新しいAPG植物分類体系では全てツツジ科に含められた。 それにしてもツツジ科の仲間入りとはなぜなのだろうかと思ってしまう・・?。笑

 和名の由来は、花期の全草を乾燥させたものが民間薬とされたためというようだ。葉は根ぎわに集まってつき。その葉の間から20cmほどの花茎を立て、上部に2~10個の白花をつける姿が面白い。花はもちろん可愛いのだが、葉の姿もこれまた美しい。

 それはよく葉脈を白くし、また厚く艶があり、鮮やかな広がりが見事であろうか・・。そのようなことから、花を上げる前から葉だけでハイカーの目によくとまり、残念ながら盗掘の害を受けること甚だしい。しかし、図鑑にも根毛が発達せず、内生菌根と共生することで、栄養を得る菌根植物であることもイチヤクソウの特徴とあり、そのために、イチヤクソウを持ち帰って移植しても栽培は難しいことを知ってほしいものだ。

 
イチヤクソウ(ツツジ科イチヤクソウ属) 

 オオバノトンボソウは丘陵や浅い山の林内に生えるラン科の花なれども、見た目があまりに地味目でもあり、珍しくラン科にしてはハイカーに狙われることはそう多くないのではなかろうか・・。ところが、芽出しから開花時期まであまりに長い日時がかかることから、花の開花前あたりには50~60cmと茎を大きく伸ばすために、さすがに鹿の目にも入りやすくなってくるようだ。そのようなことから、鹿の食害に最も遭いやすいラン科の花ではなかろうか・・?

 わたしも、このオオバノトンボソウの完全きれいに咲いてくれた状態の花に出会えたことはほとんどないといっても過言ではない。猪はこの花に目を向けるのかはそう聞かないのだが、鹿だけは全くもって害獣そのものであろう・・。なんとかならないのですかね~政治家さん・・・笑

 
オオバノトンボソウ(ラン科ツレサギソウ属) 

         6/20サフランモドキ ホームヘ 6/23西山のコクラン、ゴンズイ、ヤマモモ、スモモ








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