梅雨期の花シャシャンボ ’20.7.8 雨のち曇

 梅雨期の豪雨で今年も甚大なる災害が発生している。やはり、日本の森林率は68.5%で世界で第2位といわれるのだが、それは俗にいう先進国では、フィンランドが73.1%でトップであり、それに次ぐのが、我が日本なのだ。
 このような点から国土に対する広大なる森林への取り組みをもっともっと議論し考え方を大きく変じて進展させるべきと、繰り返し発生する災害の度に思うのだが・・。とまぁ、何を生意気なことをいうのか・・との影の声は置いといて、生きるだけで精いっぱいの我が身なのだから、身の丈に見合った生活をしながら、ぼちぼち生きることとしよう~笑


 さて、話しはガラッと変わるのだが、多くの仲間がいる大きな科であるツツジ科の中で、何故か降り続く梅雨期の中で毎年咲くことになる、この時季を選んだのがシャシャンボといわれる樹種だ。この種は西山では自然種4か所、植栽地二か所を確認してはいるのだが、まだまだ見知らぬ山中にも多数生えていることだろう。

 連日続いている豪雨で、小さな谷筋であるにもかかわらず、ごうごうと谷あいを轟ろかせる音の響きに驚きながら歩くのが少々怖い。過去より度重なる土砂崩れも経験しているこの道であることから、樹林の中の岩肌を見上げるように歩を進めるのだった。
 それに、近年こちらで何度も渡渉しながら前進とは、思わぬハメに出逢ってしまったほどだった。でも、横着かまさずにしっかり登山靴を履いていたので、足元は大丈夫だったのだが、このような洪水がごときの道になろうとは思いもしなかった。

 思わぬ歩きだったが、何とかシャシャンボの立つ前にきた。すぐ前の山あいの農道幅半分は濁流の勢いが早いが、こちらはその向かい側から遠目にこの花を狙うことにした。それでなくとも花冠は5~7mmと小さな筒状の壺形の花で、ちょうど同じ仲間のネジキの花よりも小さな花なのだ。このシャシャンボの花もツツジ科の中では撮り難い花と勝手に思っているのだが、なぜかこの花の前にくればレンズを構えてしまう。

 ところで、ネジキはツツジ科の中では数少ない有毒種なのだが、一方シャシャンボはツツジ科の中でも一、二位を争うほど美味なる実をつけてくれることで知られる。とりわけブルーベリーと同じ仲間で、「日本のブルーベリー」と呼ばれて親しまれているようだ。もちろん、ブルーベリーの台木としても使われているらしい。

 
シャシャンボ(ツツジ科スノキ属) 

 さて、これだけ雨量が激しいと、普段あまり見かけない菌類にも出会えるようだ。今回はキクラゲに出会えた。キノコといえば、当方には昨今、植物鉱物はもちろん、菌類にも極めてお詳しい大先生が知り合いにおられる。いち早く教えを乞わないわけにはいかない。帰宅後速やかに大先生に画像送信して鑑定を願った。そうそう、今回ももちろんそのキノコは持ち帰っていない。そのようなことをすれば他の方の目に入らないことになるのだから、とのわたしの考え方である。

 これまでは、西山の他の地においてもキクラゲには出会っていたために、およそのことは見た目で「アッ、あれはキクラゲかな・・」と言えるくらいだった。しかし、まったくの素人なのだが、他の方に確認することもなく、これまではHPへUpしていたのだから呆れてしまう。笑

 そんなこんなで、昨今きのこの扱いは以前と同じにはいかない。やはり先生のお墨付きを頂かないと、前には進まないのだ。もちろん、気持ち的に安心してUpできるのが嬉しい。発生樹木は羽状複葉のニワトコのようだったから、以前からキクラゲはニワトコの木に発生しやすと覚えていたために、キクラゲも西山では久しぶりだなぁ・・と眺めていたのだった。帰宅後調べると仲間にアラゲキクラゲというキノコもあるようで、「エ~、これはどっちかナ・・」となり、大先生へメールとなったのである。笑

 (鑑定結果通知がありました。どうやら『アラゲキクラゲ』という名のキクラゲの一種のようです。↓画像に対し「アラゲキクラゲは傘の表面にビロード状の細毛があり、これが雨に濡れていると思います。」とのことでした。どうやら、「一般家庭で食材に使われる乾燥キクラゲも、毛のあるアラゲキクラゲだと思います。」とのことのようで、現在自宅にはないため、今後は早速スーパーを覗きたく思います。)

 
アラゲキクラゲは食材の中心らしい

 
 ヒヨドリバナの頭花はふつう白花だと思っている。だが、なかには紫色も見られると手持ち図鑑にはあるのだが、わたしは白花しか見ていない。この花は筒状花である。草丈は1~2mになる多年草だから長年このあたりで見ているのだ。葉は対生で先は短く尖る。また花期は8~10月といわれるも、今年はもう咲き初めとなっていた。

 
 ヒヨドリバナ(キク科フジバカマ属)

 フジ(別名ノダフジ)やヤマフジは5月に咲くが、こちら、ナツフジは7~8月が花期で別名ドヨウフジともいわれる。これら三種ともつる性植物でナツフジとフジが左巻きで、ヤマフジが右巻きである。そして果実の豆果の表面はナツフジだけが無毛だが、他の二つは有毛なのだ。だから秋にナツフジの豆果を見れば一目瞭然であるが、その豆を目にできることは残念だがほとんどなさそうで一度しか出会っていない・・。笑


ナツフジの花だけ淡黄白色で他二種は紫色 
     
ナツフジのつるはフジと同じ左巻きで
ヤマフジだけ右巻き 
     花は全体に小さくしたようで可愛らしい    

 マタタビ(マタタビ科マタタビ属)には低山ではふつう、マタタビとサルナシの二種が分布する。西山ではいずれも我が家から遠いところでいつも観察していた。しかし、本日は近場で↓の葉を見つけた。だが、この二種は相当慣れないと見分けるのが容易ではなさそうだ。しかし、いろいろな面を比較していき、細かく違いを見分けてみると同定することができるだろう。さて、では↓の葉を見てどちらとみますかナ?・・

 ハイ、この下の葉はどうやら、マタタビのようだ。でも、まだ若い木のマタタビのようだから、この若さでは花も当分は咲きそうにもないだろう。もちろん、マタタビ科は雌雄別株だから、最低花が咲かないと果実ができるかできないかもわたしには分からない。末長く開花を待つことにしよう・・。それでは次はサルナシの方も近場で探すことにしよう!

     
サルナシではなく、マタタビの葉だろう・・。先端は鋭く尖り、基部は円形~切形、ふちに棘状の小さな鋸歯等が根拠だが 

*マタタビの葉柄ははじめ赤いが、葉柄の赤い色は次第に消えていく。なお、サルナシの葉柄はほとんどずっと淡紅色を帯びるようだ。もちろん、他にもこの両者の相違点はいろいろな点において多数あるが、別途の機会に取り上げることとしよう・・。

 その他に目についた花や実たちも取り上げてみよう。

         
 シオデの葉と雄花   ムラサキシキブの花はもう終わり    アカメガシワの雄花満開 
         
ナンキンハゼ雄花終盤、雌花見えず    ヤマコウバシ雄株無しで実ができる     クロモジの若き実
         
 ウリカエデの若き果実   キリの実もまだ若い    エゴノキの実も若い 

7/5キササゲ ホームヘ 7/12フウラン、キカラスウリ






7/15.西山に咲く花、カワミドリ 7/18大原野の植物観察 7/19.大原野クロウメモドキ

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