ポンポン山の夏の花 ’20.8.10 晴
立石橋-釈迦岳-ポンポン山-群生地-善峯バス停 |
本日は山の日だ。暑い日になりそうだがやっぱり山へ行かないわけにはいかない。笑い それにしてもポンポン山の夏の花でもあるオオキツネノカミソリはとっくに終わっているのだろう。今年の長梅雨やコロナ禍で完全に出遅れてしまった。山頂には平日にもかかわらず多くの方がたむろしている。中には暑さに負けてしまったのだろうか。長いベンチに仰向けになって寝そべっている男性もカンカン照りの元で昼寝をしているが、大丈夫だろうか・・。
こちらは頂で一枚の写真がすめば、お目当ての花の谷へ一直線である。そして渡渉も先週は大雨だったが、すっかり水かさも平常時に戻っていることからありがたい。そのオオキツネノカミソリの群生地につけば、やっぱり思惑通りでほとんどが終わって萎れていた。それでも歩き回ってなんとか探したのがこれだった。こちらの今年の満開時期はどうやら7月25日ころのようだったらしい。来季こそその頃を忘れないでおこう・・。
オオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科 ヒガンバナ属) |
谷は夏草が生い茂って、さすがに夏の花もほとんど見られない。でもモミジガサだけは柵内で大群生となっていた。地味な花なのだが、これだけの数があればやっぱり見ごたえ充分だろう。図鑑にも、「山地の湿り気のある樹林の林床、林縁に自生する。群生することが多い。」とある。
モミジガサ(キク科コウモリソウ属) |
こちらでのウバユリは鹿の被害に遭うことは少なく、なんとか咲き残ってくれていた。
ウバユリ(ユリ科ウバユリ属) |
アキノタムラソウは7~11月に山野の道ばたなどにふつうに生える、ちっとも珍しくもない秋花である。しかし、この猛暑の強い日差しのもとで大群落となって広がっていることから、思わずレンズを向けてしまったのだ。それにしても、厳しい気候の中においても生きていくことのできるなんとも逞しい野草のようだ。できうるならば、この花がアキではなく、ナツノタムラソウであればこの上ない喜びなのだが・・。やっぱり希少種を望むのは無理というほかにない・・。
アキノタムラソウ(シソ科アキギリ属) |
次に山野草で気になるものを見るようにした。
・クサアジサイがチラホラ見られた。アジサイ科は普通対生なのだが、クサアジサイだけは互生なのが大きな特徴だろうか・・。
・ツチアケビもお目当てだったのだが、やっぱり予想どおり実が鹿だろう、すっかり食べつくされてしまっており、茎のみが何本も残っているばかりであったのが悔やまれた。昔は異様なほどの果実がぶら下がっている姿をよく目にしたものだが、近年は鹿の食害によってウインナーソーセージのような実、はたまた名前のアケビのよぅな果実姿にしばらく出会っていないのが悲しい・・。
・オオルリソウは今年の7/2に出会っている。あの花のその後はどうなっているのだろうかと草叢を掻き分けてみた。果実は4個の分果が茎に行儀よく並んでいるのを指でつまんでみるとニチャニチャして気持ち悪い。刺が密生しているので、被服にくっつくから要注意だ。
クサアジサイ(アジサイ科クサアジサイ属) | ツチアケビ(ラン科ツチアケビ属) | オオルリソウ(ムラサキ科オオルリソウ属) |
木本類ではウツギの仲間でアンカーのノリウツギが花時である。毎年酷暑の中で見るノリウツギなのだが、今年は当たり年のようで、どちらの山でもふつうに方々で目につくような感じだ。
ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属) |
こちらでは、センニンソウではなくボタンヅルがあちこちで満開となっていた。言わずと知れた「葉がボタンの葉に似ること」からの謂れで、葉がセンニンソウのように全縁でなく、葉の縁に鋸歯があることが大きな相違点だろうか。
ボタンヅル(キンポウゲ科センニンソウ属) |
木本類の幼果のころのために、まだまだ色あいはほとんどが緑色が多い。熟す時期の色を取り上げよう。
ヤブコウジは長い間赤くなって熟す | ナナカマドも暮れの頃は赤色が見事になり | ゴマギは早くから花柄まで赤で黒くなると熟す | ||
イソノキは赤色から紫黒色になって熟す | ハンノキ林の湿地帯を好む光景はすばらしい | ポンポン山でも30℃と暑い! |