西山の野の花巡り ’20.9.5 晴真夏日

 猛暑日と変わらない程の暑さが続いている。そうはいってもいつまでもステイホームではかなわない。しかし、家から一歩出ると、鉄板の上を歩くように暑い!!

それでもなんとか山麓まで進めば、ガガイモが咲き初めとなってくれていた。しかし、あまりの暑さで、花を撮ろうとスマホの画面を向けると、その画面には「暑すぎて自動終了します」と受けつけてくれないのにはびっくりだった。やむを得ずデジカメで撮影だが、こちらの機器も相当の暑さで手早く撮って凍らせたペットボトルの入ったザックへ返そう・・。どうにか撮れた咲き初めの花がこれ↓だった。ガガイモの花も一年ぶりの出会いで、その独特の花模様に出会えた喜びは、一瞬暑さを忘れさせてくれ感激に浸った・・。

 
ガガイモ(キョウチクトウ科ガガイモ属) 

 山あいの放棄田の湿地に何やら黄色い花なのだろうか・・?、とデジで引き寄せれば「お~、あれはヒレタゴボウじゃぁないのか」と、これまた嬉しい悲鳴だ。この花は日本では70年ほど前に、北アメリカからの帰化植物であることが分かり、なかなか可愛らしい花であることから、外来種とはいえ日本でも愛されているようだ。黄色花は4弁で径2.5cmと大ぶりで、花弁の隙間に先の鋭く尖る萼がアクセントとなっている。秋には細長い果実がこれまた面白いので楽しみだ。

 
ヒレタゴボウ(アカバナ科チョウジタデ属) 
 

 泥んこの足元を気にしながらヒレタゴボウに近寄れば、あたりに同じ仲間であるチョウジタデが1cmもない小さな黄色花を咲かせていた。その花茎はしばしば赤みを帯びるのだ。でも、この種は1年草であり比較的見られる度合いは多くはなさそうだ。

     
 チョウジタデ(アカバナ科チョウジタデ属)   70cmほどになり茎に稜がある 

 そうだ、まだオモダカの白い花は咲き残っているだろうか・・。と足を伸ばしてみよう。着いてみれば山間の中に狭く広がる田んぼが階段状に境に段差をつけている。もう稲刈りはすでに終わっているようだった。その境界は溝状なのだろう・・?。でもこれまでからここを通る度に、「こんなところにオモダカが生えてるなぁ・・」、くらいな気持ちで素通りしていたのだが、今回シゲシゲと鹿除け柵外側から眺めれば、どうやらオモダカの仲間であり、栽培種の「クワイ」のようだった。もちろん、お正月のおせち料理の食材として珍重されているクワイなのだ。

 このクワイはオモダカと比べ、大型で全高は1mにもなるようだ。今回は柵内のために葉の大きさやその他詳しくは調べることはできなかった。以後は農作業されている方に出会った時には断って中へ植物観察をさせた頂きたいものである。もし、花が咲けばオモダカと同じような状態で咲くようだが、全体的には系統によりまったく開花しないものもあるようで、以前からここで花の開花に出会った覚えはない。持主にもその点も聞いてみたいものである。

     
クワイ(オモダカ科) 葉や全高も相当大きそうに見えたが・・

 その他の秋花たちも咲きだしていた・・

     
小豆の原種、ヤブツルアズキが咲きだした    休耕田で見たガマが前年あたりから出だした 
     
マメアサガオも咲き初め    マルバルコウも鹿除け柵にからみ 

 つる性のサネカズラ(別名ビナンカズラ)の雄花もそろそろ開花始まる。

 
サネカズラ(マツブサ科)雄花が咲いて、雌花が咲くよう・・ 

 シャシャンボ、コバノガマズミの果実はまだまだ幼果レベルのよう・・。

     
ケアクシバ、単なるアクシバは日本海側で分布    ハイイロチョッキリの仕業?* 

 *ハイイロチョッキリの仕業 (↑画像右)

 この時期には森を歩いていると、地面にコナラ等の葉がついた枝にドングリも必ずついて落ちていることがある。今回も↑右画像のような葉のついたドングリ(今回見たドングリは殻斗や葉の姿からコナラであった)が枝毎、何個か落ちていた。これは次のような虫の仕業なのだ。

 その虫は「ハイイロチョッキリ」という1cm足らずの小さな甲虫の仕業である。ネットによれば、この虫がドングリに卵を産みつけ、枝を噛み切って落とす。そして、孵化した幼虫はドングリの中身を食べ、成長すると外に出て地中で蛹になる。そして、産卵の痕跡はドングリの穀斗部分にあり、雌がここをかじって穴をあけ、卵を産むのだ。
 でも、ドングリの皮は硬いが、ドングリの帽子部分には必ずどこかに柔らかい部分があるようで、その柔らかい部分を探し出して穴をあけ、卵を生みつけるらしい。単なる生態とはいえ、この虫の命を未来へ引き継ぐ方法は偉大なる進化論といえないだろうか・・。

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