湖東の花歩き ’20.11.1 晴のち曇

 琵琶湖の山麓の徘徊で、今年は遅めの開花であろう晩秋の花歩きを楽しめた。しかし、お目当てのキッコウハグマが今年はより遅めでこれからさらに開花が進むことになるのだろう・・。

 
 キッコウハグマ(キク科モミジハグマ属) 

 センブリは超満開の時期となっていたのが想定外だった~♪

 
 センブリ(リンドウ科センブリ属)

 リンドウはほとんど終盤のように見えたが・・。

 
リンドウ(リンドウ科リンドウ属) 

 スイランもほとんど終わったようだ・・。今年の花数は多くは咲かなかったのだろうか。葉はシュンランに似て細長く尖り、頭花はキク科のオオジシバリにそっくりだろう・・。名はスイランとランがつくが水場を好み、ラン科ではなく、キク科であるのだ。また、この花はどちらでも見られることはなさそうで、比較的珍しい種なのだろう・・。

 
 スイラン(キク科スイラン属)

 さて、今回も比較的希少なヤマノイモ科のカエデドコロの葉を目にした。これは特にキクバドコロとがよく似るためにフィールドでは即座に見極めがたい種だろう。しかし、その種の同定ポイントを知って押さえていればどなたでも「カエデドコロだ、いや、キクバドコロではないだろう」と、確定できる筈だ。
 もちろん、同定には一点だけで見分けるのではないのだが、この種だけは次の一点だけでOKではなかろうか・・。それは↓画像3枚目で見えるように、横向きの茎から葉柄が上向きに伸びており、やや膨れ気味の葉柄基部に一対の小突起が左右へ伸びているのが見える。これが、カエデドコロの根拠なのだ。近似種のキクバドコロにはもちろん、その他のヤマノイモ科たちにもこの1対の小突起はないため、カエデドコロの同定ポイントであることの証明となるものである。

 なお、カエデドコロとキクバドコロの違いは、もちろん、↓画像のように、葉柄基部に小突起のあるなしなのだが、これらの種はつる性植物のために、時として離れていて手に取れない場合がある。そのために、離れた所からの同定方法も知っておきたい。
 それは、葉だけで見分ける方法もあるのだ。前者の葉は3~9裂で、頂裂片が大きくて尖り気味だが、その他の側裂片はほとんどが丸っぽく見える。花期は7~8月の夏季である。ところが、後者キクバドコロの葉は図鑑には5~9裂とある。とすれば裂片数は両者共同じだ。ところが、こちらの裂片は葉の幅がやや細めであり、頂裂片と大きな側裂片は鋭尖頭のようだ。この全部が鋭裂頭というのがこのキクバドコロの方の見極めなのだ。もちろん、花期は6~7月と前者よりやや早く咲くようだが・・。
 わたしもキクバドコロを見たのは相当昔のために、細かくはネット上の羅列なのだが、これからは何とかキクバドコロを探し出したいものである。それにしても個体数は後者が圧倒的に少ないように思っているのだが、さて、本当のところはどうだろうか・・?

     
カエデドコロ(ヤマノイモ科ヤマノイモ属) 
 
カエデドコロは葉柄基部に一対の小突起が特徴なのだ 

 昨年の11月2日に見つけたニシキギ科のツルウメモドキの様子を確認することも今回の目的の一つだった。しかし、期待の爆ぜた姿が面白い果実の様子はやや時期早しの段階で、再度の訪問が必要のようだった。しかしながら、新興住宅が立ち並ぶ所から隣接しているところにあるために、クリスマスやお正月が近くなれば玄関等のお飾りとするために、この果実のついた蔓が持ち去られる心配が多分にあり、取り去られる前に写真を撮りたいこちらの願いが叶えられるのかが心もとないのだ・・。

     
 ツルウメモドキ(ニシキギ科ツルウメモドキ属)  この3枚はいずれも今回の撮影
 
葉には低い鋸歯があり、実は8mmほどで爆ぜるときれいだ 

 ('21.6.21追記)

 『上記のツルウメモドキ地への再訪が8ケ月後の21年6月20日となってしまいました。ところが、このツルウメモドキがつるんでいた松の木もろともすっかり伐採されてしまい、跡形もなくなった水路のあたり一帯がきれいに片づけられてしまったようです。これには全く声すら出ませんでした。今後も末永く珍しいツルウメモドキを楽しみにしていた樹木なんですが、泣くに泣けない状態となってしまいました。日ごろの行いの悪さを要反省だと、しみじみ感じています。残念です。』


 

 他にもツリガネニンジンがまだ咲き残っており、センボンヤリの閉鎖花やら、アキノキリンソウがチラホラ咲き、それに白花のサワシロギクや紅紫色の残花も目についた。しかし、今年は樹木の果実が極端に少ないように感じたのだが・・。

         
ポツンと一輪だけツリガネニンジンの残花    センボンヤリの閉鎖花の花跡    ウメモドキの果実の一人舞台のよう・・ 

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