晩秋のポンポン山 ’20.12.6 晴

立石橋-釈迦岳-ポンポン山-リョウブの丘-東尾根-杉谷-善峯寺-西山CP-立石橋 

 9時すぎの遅めの出発であった。毎年明日12月7日は二十四節気のひとつ『大雪』なのだが、今年も雪などみじんのかけらもない。今朝方はやや冷えたようだったが、山路を歩きだせばしばらくで衣服調整を強いられるほどとなったほどだ。このような地球温暖化の中でまだまだ生きていかねばならないことに、どう対処しなければならないのだろうか・・。(笑)

 さて、今回の最初の秋の風情でもあるマユミの可愛らしい果実の姿に出会えた。この樹には緑白色の小さな1cmほどの花が、5~6月ころに地味目に咲かせるのである。だが、この花時よりもとりわけ果実が淡紅色で可愛らしい色あいであることから、ハイカーには秋のマユミが殊の外愛される種ではなかろうか・・。

 
マユミ (ニシキギ科)

 このマユミといえば、北海道から九州まで日本中の丘陵から山地の林縁に普通に生える木のため、どちらでも目に入り珍しくもない木だろう。そして小さな鋸歯のある葉は対生につき、葉身の長さが5~15cmである。
 だが、その葉には面白い特色があるのだ。それは、普通マユミの葉は両面共に無毛なのだが、時に葉裏の葉脈上に突起状の短毛を密生するものがあり、その葉を持つマユミには『ユモトマユミ』(別名カントウマユミ)の名で区別されているそうだ。なお、分布はカントウマユミというので関東だけの分布ではなく、単るマユミやカントウマユミのどちらも全国各地に分布するそうだ。そのようなことから、来春にはそのあたりにも意識して探してみたいものである。


 その後、大分歩き、稜線に押し上げるころの斜面にはヤブコウジが赤い実を下げていた。でも、もうこの時季ともなれば果実の数も少なくなってきている。複数つけているものはほとんどこの頃では見られなく、残っている一粒では寂しさは隠せないが今頃のヤブコウジだろう。

 どんどん、歩こう・・。イヤに追い越すハイカーが多いな。そうだ、今日は日曜日だったナ・・。笑  普段から平日のほうが多い身にとっては戸惑うばかりだ。そうこうしている間にナナカマドの地にやってきた。
 この樹にはもう葉は落ちてしまって果実しか見られない。でも、実はたっぷり残っていた。この地は日差しすくなく暗い場所のために野鳥たちもやってこないのだろうか。そういえばこの種の葉はほとんど秋には早く落葉してしまうのだろう。

 高山の夏山に出かければウラジロナナカマド・タカネナナカマデなどの紅葉は、秋のアルプス登山者を引き寄せる樹々となっているのだが、低山でのナナカマドはそのような魅力に乏しいのが残念である。やっぱり、低山においてのこの種は果実時より花時の方が見どころがあるようだ。
 その開花は5~6月の初夏には白い花をびっしりと多数咲かせるのだ。しかし、この西山では数えるほどの箇所の実にしか出会ってない。その花時にこの西山では出会っていないために、来夏こそ、ナナカマドの花にも出会いたいものである。

     
 ヤブコウジ(サクラソウ科)   ナナカマド(バラ科) 

 ポンポン山が近づき、歩きながらこれだけ出会うハイカーであれば、山頂は心配だな・・などと思いながら12時丁度に到着だった。温度計は10℃と暖ったかく感じた。やっぱり人多くざっと4~50人はいただろうか。そして周りを見渡してみるとほとんどが食事中である。でも話しこんでいる人ですら、コロナ感染には意識ないのだろうか。マスク姿は誰一人見られなかった。さすがに、こちらは「アッ、これではヤバイな・・」と考え、写真一枚撮ったきり、すぐに先へ進むこととした。

 10分ほどで、西尾根の小ピークであるリョウブやタムシバなど疎林の中のリョウブの丘だった。落葉後の樹木が多数林立し、静かで穏やかな丘が心地よい。なぜか幸い人の姿はなくベンチでゆったり半時間の昼食タイムとすることができた。

     
 後ろの方にも多くの姿があった・・   リョウブの丘は貸し切り、後ろは愛宕山 

 昼食後は西尾根をどんどん下ろう。そしてお目当ての「コハウチワカエデ」地を見上げて、やや遅めだったが、コハウチワカエデの紅葉が嬉しい。こんな里山歩きが元気にできた今年も、この地を訪ねられた喜びを存分に味うことができた。

 このカエデの特徴として、葉は手のひら型で、5~11裂する。葉の縁には鋭い単鋸歯または重鋸歯がある。裏面は花時には両面とも白い綿毛が密生するが、成葉では裏面の脈上にだけ残る。このカエデは背の高い大きいものは高さ10~15m、直径60cmにもなることがあるらしい。今回のものでもまだ細めだが、6m以上はあり、稜線上に立ち、風を受けることが多く、花や果実はほとんど目にすることはないのが惜しい。。

     
コハウチワカエデ 葉身の長さ5~8cm、葉柄も葉身と同長または2/3で毛あり

 さて、西回りコースで、下って谷を徘徊しよう・・。お目当てはツルマサキなのだ。その花期は6~7月で、果実は10~11月に熟すとあるのだが、この地で昔の花には覚えはあるも、昨今では当時のものとは箇所が変わっており、現在の個体では果実に出会えていないのだ。
 また、果実においてもそれらしき姿にも出会えていない。この後年末から新年においても再訪でなんとしても果実の熟した様子を目にしたいものである。しかし、それならば上部にでも果実がついているハズと望遠で探すも見当たらない。でも、熟して赤くなれば肉眼でも見えるハズだと期待したい。それに、来年の初夏だろうか6月10日過ぎにでも開花時の5mmほどの小さな花を狙いたいものである。

     
 ツルマサキ(ニシキギ科)   葉の長さはは2~6cm、花直径5mm

 谷から東の尾根へ登り、峠より東海自然歩道への道すがら、ボタンヅルやシロダモの果実を見ることができた。

     
ボタンヅルの果実と葉    シロダモの赤い実 

 杉谷から善峯寺と疲れた足を引きずり、筍山を登り返して西山キャンプ場へのんびり歩き通した。フゥ・・

 
途中見たサネカズラも終わりだろう 

 道理で足がしんどかったハズだ。帰宅後距離を計測してみると23kmで7時間も歩いていたようだ。もっともこんな時期だから植物等の見る物もなくて、暗くならないで歩くことができたのは幸か不幸か分からないのだが・・。涙

11/30高瀬山から愛宕 ホームヘ 12/29.2020年ラストのポンポン山






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