ポンポン山の花歩き ’21.4.26 曇のち晴

 異常気象の本年なのだが、GWに入る前からヤマシャクヤクの満開に出会った覚えは記憶にない。だが、西山でも辛うじてヤマシャクヤクが鹿の食害に遭いながら、どうにか満開日を迎えることができたようで何よりだった。
 いずれにしても、増えすぎた西山山塊の害獣たちには、山麓の農作業の方達の被害甚大なのはお気の毒というばかりであるのだが、植物を愛するハイカーの一人としては如何ともしがたい鹿や猪がいまいましい思いばかりである。

 
ヤマシャクヤクの満開が見事!! 
     
     
     

 花の谷ではイチリンソウ、ヤマブキソウやラショウモンカズラたちの綺麗どころが、まだまだ長く見所が広がっているのだ。これも見守り隊の方々のご苦労があってのことで、いつもいつも感謝しつつの花歩きを楽しませていただいているのだ。礼!

 

 風強しのなかだったが、キンポウゲ科のイチリンソウは花弁のように見える萼片の裏面は紫色と言おうか、薄紅色にも見え、踊るような姿がなかなかもってして艶やかである・・。 

 
ケシ科のヤマブキソウも風に揺られ~ 

 キンポウゲ科やケシ科の植物たちは、以前には鹿の忌避植物だったはずだが、西山ではしっかり鹿除け柵内で護られる始末なのがやりきれない・・。

 
 シソ科のラショウモンカズラと何やら怖い名?

 ラショウモンカズラという名前は、この花を昔の武将である渡辺綱が、羅生門で切り落としたとされる鬼女の腕に見立てたものとされるのが、花の名の謂れのようだ。

 さて、近畿地方に多いコバノミツバツツジの花時は、西山ではほとんどが散り終えたようだったが、その花と同じような姿でもある『ユキグニミツバツツジ』が、西山においてもそろそろ咲き初めとなってきていたのをチェックできた。

 『ユキグニミツバツツジ』の同定ポイントをピックアップしてみよう。

① 葉柄が無毛で緑色、これに対して京滋で一番多いコバノミツバツツジは葉柄が褐色の長毛が密生するので、ユキグニ・・の葉柄無毛が最たる相違点であろう。コバノ・・との相違点は魚谷山2013年4/29のページ下段で説明していますのでご覧願います。

 
右の葉柄の苞をハズして柄を裸にし無毛ハッキリ 

 ② 図鑑によれば、花弁上側の裂片には濃い斑点がユキグニ・・にはあり、手持ちの図鑑によればコバノミツバ・・にはその斑点についてはふれられてはいない。したがって、わたしは西山のコバノミツバ・・の花弁の斑点状態を数か所調査すると、ユキグニ・・と同じような斑点があるも、その個体数はやや少なめで、ほとんどが斑点のない花弁が圧倒的に多いということで、『濃い斑点があってもユキグニ・・とは同定できかねる』との結論とした。ちなみに、↓へ花弁の赤い斑点の様子を見比べてみたい。もちろん、右下の葉柄は有毛だった。

     
本日のユキグニミツバツツジの上弁中赤い斑点    4/21西山のコバノミツバツツジの斑点 

 その他のユキグニ・・とコバノミツバ・・との相違点では葉の幅の位置等が図鑑にあるが、双方とも中央部から少し下がもっとも広いとなっていることから、この点での見比べはできない。ただ、葉裏の様子をルーペで見比べれば、コバノミツバ・・の方が細脈がハッキリ見えるのが特徴だろう。

 また、花色の相違点でも厳密には区分ができそうだが、初心者には花色だけでのこの二者の見分けは容易ではなさそうである。

 もう一点、木本類で満開となっていた樹木が見られた。それはハイノキ科のクロバイである。

         
花は総状花序で長さ4~7cm    クロバイの幹は10mにもなる常緑高木だ    花は直径8mmで白花を多数つける 

 山頂へは10時前だったために、人影は2人しかなかった。平日は昨今寂しい。コロナの収束はいつのことやら・・。

 
 ポンポン山はマスク不要

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