西山の花巡り ’21.4.27 曇のち晴

 本日は今年のGWの天候が芳しくないとのことで、その前に花巡りに勤しもう・・と歩きまわってみた。なんと、久しぶりのカザグルマの開花に出会えた。過去には滋賀県や長野県においても見た、思い出の希少種なのだった。もちろん、京都でも 『絶滅寸前種』 の扱いとなっているようにほとんど見る機会の少ない花ではなかろうか・・。

 
カザグルマ(キンポウゲ科センニンソウ属) 

 手持ち図鑑によれば、林内の湿地辺りに生え、木質化する落葉性のツル性植物である。茎は褐色、葉は3~5枚の小葉からなる羽状複葉で、小葉は卵形または狭卵形で長さ2~6cm、先は尖り鋸歯はない。
 枝の先に花柄をつけ、先端に径7~12cmと大輪の美しい白花あるいは淡紫色の花を上向きに咲かすのが見事だ。花弁のように見えるのは萼で、普通8個で咲かす。古い図鑑には花期5~6月とあるが、本日でももうほとんどが終盤となって傷み気味となっていた。


 ユリの仲間でもあるアマドコロも満開となってきていた。この花は山地や野原でも生える多年草となっている。茎は稜角のある長い茎を立てるが多い花の重みであろうか、途中から横向きに垂れる独特な姿が目立つ。葉のわきから、1~2本に分かれた花柄をだし、長さ2cmほどの緑白色の花を数多く垂らすのが風流に思える。

 なお、よく似た花でナルコユリもあるが、こちらの開花は1ケ月ほどは遅く咲きだす様だ。この二種の相違点はこちらで整理しているので参照されたい。

 
アマドコロ(キジカクシ科アマドコロ属) 

 この花はキランソウの仲間であるが、花が何段にも重なって咲く姿を、宮中の礼装として着用した十二単に見立てた、ずばりジュウニヒトエ!である。本来は北ヨーロッパ原産で、観賞用に栽培されていたが逸出した種であろう。帰化植物とはいえ見た目も名前も豪華で中々の代物である・・。

 
 ジュウニヒトエ(シソ科キランソウ属)

 リュウキンカの仲間であるエンコウソウがまだまだ咲き残っている。母種のリュウキンカとの違いは茎が立ち上がらずに、エンコウソウの茎は初め横に長く這ってから、先の方で斜めに立って花を咲かす姿であろうか。いずれにしてもこのエンコウソウも京都では極めて希少種であり、RDB京都府の『絶滅寸前種』のカテゴリーとなっている珍しき花なのだ。昨年にも見ているのだが、それはこちらからご覧願いたい。

 
 エンコウソウ(キンポウゲ科リュウキンカ属)

 今回も超満開のクロバイが見られた。どうやら今年は当たり年のようだが、昨年は咲かなかったハズだ。ハイノキ属の中でシロバイもあり、東山でも多数見られるので今夏も見たいものだ。その開花は8月下旬、イヤ、今年はもっと早くひょっとして8月中旬あたりには咲きはしないだろうか・・?。

 
クロバイ(ハイノキ科ハイノキ属) 
 

 樹木たちもそろそろ咲き初めとなることであろう・・。

     
アリドウシはもう少し先か    ウスノキより遅いスノキも開花 
     
 高木のキリがこれから次第に開花か   個体数多し コバノガマズミもどんどん開花

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