西山の花歩き ’21.5.8 曇のち晴

 世はコロナ禍の緊急事態宣言続き、まったく死んだような日々が続いているのではなかろうか。そうはいってもポジティブにとらえて、少しでもよい時を送りたいとの思いでいっぱいである。さらに、異常気象の今年もGWは雨模様が多く、ステイホームとなりがちなのだが・・。

 そのような中だが、追い打ちをかけるような黄砂で、裏山は真っ白で全く姿は目にはない。しかし、この頃ならばキンランやギンランが咲いてはいないだろうかと重い腰をあげてみた。やりましたね、さすがに昨年は綺麗に咲いていたギンランこそ姿はなかったのだが、こちらが昨年の晩秋に草刈りしていた箇所では、しっかりキンランが咲きだしてくれてた。それも本日は二か所でキンランが、4株も見られたのだった。ラッキー!

 キンラン・ギンランはもちろん京都でも絶滅危惧種である。自然の中の遷移の進行が、この植物の生存には大変なのだが、昨今ではさらに鹿の脅威も危惧されるも、やはり一番の最たる被害は、ハイカー等による園芸目的の採集ではなかろうか。植物の盗掘は厳禁であることへのモラルをしっかり護りたいものである。

 
 梅雨前のような中でのキンランの姿はなんと神々しいことか・・

 そして、名前すらあまり知られていないと思える非常に希少種のようで、京都でも絶滅危惧種とされている花のクチナシグサが、今年は4/19に開花を見ていた。しかし、なんと20日間近くも咲き続けることとなる長さが有難い花なのだ。↓画像のように、大きな葉状のような萼片と苞がよく目立つ一風変わった花姿がおもしろい。

 ただ、花は半寄生の植物であるようで、寄主はササなどのイネ科が中心とあり、盗掘して持ち帰っても栽培は不可能であろうから、掘り返しは厳禁であることも知っておきたい。

 
クチナシグサ(ハマウツボ科クチナシグサ属) 

 山麓にはキリが今は見ごろを迎えて満開となっていた。この樹木はもともと中国原産であり、日本では古くから栽培され、野生化しているものであるが、当地でもその大木は6株も散らばって目立っていた。この樹木は成長すれば高さ15m、直径50cmにもなり、花冠の長さは5~6cmと大きくなり、遠く離れていてもすぐ目に入る大型の樹種であるのだ。

 日本の樹種の中でも材が最も軽く、木目が美しく、狂いが少ないことから、箪笥、下駄、琴、金庫の内張りなどに使われてきたとのことで、需要が多かったらしい。古くは嫁入り箪笥用のために、女の子が誕生すれば、広い庭にキリの木を植える習慣があった地方が、各地に長く残っていたようだ。

     
大型の花が実に見事に映えているではないか・・    キリ(キリ科キリ属) 

 樹木花の開花が始まっている。今回はタニウツギだった。この木の開花時期は5~6月となっていたが、5月に入ったところなのにもう咲きだしたのだ。やっぱり、今年の植物の開花はすごく早いのだ。この花は日本海側が多く分布し、太平洋側には同じ仲間であるヤブウツギが住分けているのだ。

 
タニウツギ(スイカズラ科タニウツギ属) 

 次の花たちは満開を過ぎたものばかりである。

     
コツクバネウツギ (スイカズラ科ツクバネウツギ属)   スノキ (ツツジ科スノキ属)何とか満開続き
     
 カマツカ(バラ科カマツカ属)   アリドオシ(アカネ科アリドオシ属)

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