愛宕山に咲く花 ’21.5.14 曇り

 保津峡-ツツジ尾根-愛宕山-旧スキー場跡-地蔵山往復-樒ケ原分岐-神明峠-関電道-明智越-高瀬山-松尾谷林道-保津峡

 今年初めての愛宕山を登って来た。最初のツツジ尾根急登あたりでは、落葉高木のウラジロノキの開花(↓へその画像あり)が、もう後半となっていたのには驚いた。大汗かいて愛宕神社へお参りを済ませたが、16℃と暑かった。下山後知ったが京都は30℃と真夏日だったらしいから、山頂は涼しいの表現だろうか・・。

 三角点や水場はパスして、ジープ道から旧スキー場跡地と植物観察を楽しみながらうろついた。それにしても、アオダモ、ウラジロノキ、カマツカ達の高木はさすがにまだまだ蕾状態のようだった。ただ、こちらも高木となっているオオウラジロノキやズミが満開となっていたのを、こちらでは初見となり感激しながら楽しんだ。その途中あたりで見られた花を撮って、ゆったり初夏のような裏愛宕がうれしい~・・。

 それではアシュウテンナンショウから入ろう。この種は日本海側に分布するといわれるヒロハテンナンショウの変種で、花冠は1個の葉より下部につくのが特徴でもある。もちろん、コウライテンナンショウやムロウマムシグサ(↓へ画像あり)などは今後はさらに開花するだろうが、このアシュウテンナンショウはほとんど一株見られたらよいほどで、毎年数は少なそうだ。

     
アシュウテンナンショウ(サトイモ科)    ムロウマムシグサ(サトイモ科)  

 ウコギ科の仲間である葉の形がトチの葉に似ることからの名のトチバニンジンのひとつで、果実の姿が異様なソウシシヨウニンジンが近年こちらの山塊で見られるようになっている。その花がもう咲いたであろうかと期待したのだが、残念ながらやや早すぎたようで、蕾状態だった。
 しかし、その花はまったく地味な姿であり、やはり、晩夏あたりが見ごろとなる果実状態は見事であろう・・。その実は8月下旬あたりで楽しみたいものだが・・。

 
ソウシシヨウニンジン(ウコギ科) 

 ハクサンハタザオが咲き初めとなっていた。この花は昔からこの愛宕山塊では場所は違えど、何度も見ていたのだが、前に見た所は大雨洪水等の被害でとっくに絶滅していたものだが、こちらでは発見してからそう日が経っていない。もちろん、早くから本場の白山や伊吹北尾根で、しょっちゅう目にしていた花なので思い出の花なのだ。

 
 ハクサンハタザオ(アブラナ科)

 さて、少ない山野草はこれくらいにして、樹木の花観察を楽しもう・・。本日一番の感激は、ここでのオオウラジロノキの開花であった。何を隠そう、この木の命は長くないようで、もう枯れてしまい、こちらではもう長くは見られないのだろうか・・と多いに心配していた樹木だったのだ。
 しかし、今回の大満開を目にして、「やっ、この調子ならば、秋には多くの果実を落としてくれるだろう・・。」と、見事にうれしい大誤算となってくれた樹木だったのだ。

 リンゴ属とあるように、木は大きくなれば10~15mにもと高くなり、花は3cm近くと大型であり、その果実も花と同じくらいの大きさで大型であることからの名である。秋のころのハイクのお昼はここで取るのが、今から待ち遠うしい。なにせ食いしん坊の我が身だから、リンゴのように美味で食後のデザート代わりがうれしいからなのだ・・。(笑)

         
    オオウラジロノキ(バラ科リンゴ属)     

 ちなみに、ウラジロノキというのもあるのだが、こちらはバラ科は同じでもアズキナシ属と区別されている。標高の低い地ではもう開花が進んでいるらしく、花はやや傷み加減であったのだが、上部の高い地辺りでは、まだまだ開花まで日がかかりそうで、ツボミはまだ固いように見えた。

 ただ、この樹種はオオウラジロノキと同じく、大きくなれば15mにもなるらしいが、花はその木が5mくらいの高さになっても、開花しないのが歯がゆい樹木なのが残念だ。要は年数が経って10mくらいに高く大きくならないと花はつけないらしい。

 そのようなことから、一般的にはその樹種は目にされないことから、比較的知らない方が多そうなのが惜しい・・。なお、アズキナシという木は他山では見ても、この愛宕山塊では目にしたことはないので、見かけたことのある人は、教えていただけるとありがたいのだが・・。

 
ウラジロノキ(バラ科アズキナシ属) 

 本日の花の二番目である。それはズミの満開花だった。この花の木も他では方々で目にはしているが、この愛宕ではここが初めてだった。3本の古木が高くそびえている。この木は高さ6~10mとなり、よく枝分かれして、やや横に広がった樹形をつくると図鑑にある。開花は他の低山あたりでは、5月初めのGWに開花を見た経験があるも、さすがにこちらの標高では早くても中旬となったのであろう・・?。

 ただ、↓右画像のように、ツボミ時は赤いのが特徴であり、実に可愛らしいのが楽しい樹である。この木は日本全土に分布し、別名としてコリンゴ、コナシにミツバカイドウ等いろいろ方言名が使われているらしい。とりわけ、上高地の『コナシ平』は有名なキャンプ地であることが知られ、山屋なら知らない人はないくらいである。

         
    ズミ(バラ科リンゴ属)     

 愛宕スキー場跡一帯で見られた景色である。

         
 左に地蔵山、右に竜ヶ岳   ポツンとヤマツツジが目立っていた    スキー場開拓者、中山再次郎銅像跡 

 本日歩いた箇所等

         
 愛宕神社    地蔵山   下山途中の神明峠、30m先右折 
         
明智越分岐から高瀬山へ    分岐から8分で高瀬山3等三角点    約9年前の山名板なんとか健在 

 約20kほどの道のりを植物観察しながら、なんとか山歩きが久しぶりに7時から14時でロング歩きができた。コロナ禍でのお家モードばかりで、さすがに足のほどが心配だったが、やれやれだった・・。トホホ

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