西山の花歩き 21.7.23 猛暑日

 今日も37度越えの猛暑日が続いている。でも夏は夏花を愛でたい・・。その一心で草叢を歩き回ると蝮やダニ、蚊など外敵も脅威ではあるが、エイヤーで進軍であった・・。(笑) 今回のお目当てはスズサイコがそろそろ開花期だろうと目指した。しかしながら、その地には長く伸びた猛烈な雑草群に負けてしまったのか、どこを探してもその花茎すら見当たらない。やはりそこそこの草刈りがなされないと芽出しもできないのだろう・・。
 今年のスズサイコは諦めざるをえない。河岸を変えようと照り付ける日差しの中を徘徊が始まった。でもお陰でそれなりの夏の花たちを楽しむことができたので良しとしよう・・。

 最初は咲き初めのノカンゾウである。よく似た八重咲きのヤブカンゾウは普通に見られるのだが、こちらのノカンゾウの花は希少種となっているので大事に見守りたい。花は日当たりのよい場所や田畑の畦道など、やや湿ったところを好むようである。

 ノカンゾウの葉は40~70cmになり、幅は1~1.5cmでヤブカンゾウより細くて硬く、主脈はへこみ、先は垂れない。また、葉は越冬せずに枯れてしまう。花の茎には葉はつかず、花は直径7~8cmでややヤブカンゾウより小ぶりの花を上向きに咲かせるが、一日花で、朝開いた花は夕方にはしぼんでしまう。果実は長さ3cmほどの楕円形の蒴果だが、まれにしか結実しないために、個体数の増加は容易ではなさそうなのも、希少種となっている原因のひとつであろう。

 
ノカンゾウ(ツルボラン科ワスレグサ属) 

 続いてカワミドリだが、花はまだまだこれからのような雰囲気だったが、昨年は今年より一週間前には満開だったのだが、これだけ暑い日が続く中なのに、不思議な花ではなかろうか・・?。

 
カワミドリ(シソ科カワミドリ属) 

 こちらはカリガネソウで、昨年より二週間近く早く咲きだしていた。このように植物の開花は種によって、例年より早かったり、あるいは遅かったりすることがある等で、その満開時期を目指すことは容易ではないのも不思議のひとつであろう・・。
 こちらのカリガネソウも群落をつくりやすく、そのために開花時期が個体によって幅があるようで、盛夏7月中旬あたりから咲き初めとなり、秋の10月中旬あたりまで、ロングランで楽しませてくれる花なのだ。

 
カリガネソウ(シソ科カリガネソウ属) 

 ハグロソウの花は、やや湿った林縁などの半日陰に生育する多年草のために、同じ場所で毎年咲いてくれる。また、鹿の忌避植物らしく現在のところ食べないようで、長く咲いてくれそうな種である。

 
 ハグロソウ(キツネノマゴ科ハグロソウ属) 

 以下もあまり珍しくはないが、猛暑の中で咲いてた花なので取りあげてみたい・・。

         
フジウツギ *1    ヤブラン *2    中国原産のボタンクサギは野生化 
         
南米原産のヤノネボンテンカも野生化     キンランの果実がまだ落ちず頑張ってる   イヌザンショウ *3 

 *1 フジウツギは枝に翼杖の4稜があり、花筒外面に星状毛の密生や葉裏葉柄基部に付属体がある等が特徴だが、酷似するフサフジウツギ(別名ブットレアー)は枝に稜はなく、花筒外面に毛や腺点がほとんどないのが大きな相違点であろう。

 *2 ヤブランの果実は黒熟するが、近縁種のジャノヒゲの種子は球形で、成熟前に子房から露出し、鮮やかな瑠璃色に熟す

 *3 イヌザンショウの棘は互生につき、ホンザンショウの棘は対生となる

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