ポンポン山の花歩き ’21.7.26 猛暑日

 今年もポンポン山で咲くオオキツネノカミソリの花園へ出かけてみた。丁度おりよい見頃の花時となり、木漏れ日の中で咲き初めの大群落に酔いしれることができた。たとえ酷暑の中といえども、それをもろともせずに、大感激でしばらく戯れることができどっぷりと幸せ一杯の中へゆったりとした時を得ていたのだ・・。

  オオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)   
キツネノカミソリより大きく、花弁は約
9cmほどで、特に花弁より長くつき出
る雄しべが特徴的だ。→
  早春に細長い葉を茂らせるが、夏がやって
来る前には姿をけし、酷暑のころには花茎を
30~40cm伸ばして、秋に咲くヒガンバナ
に似る橙色の6枚の花弁が群生して風に
揺れる景色は見事だ。 
     


 続いて、ツチアケビの果実が久しぶりにこの地で目にすることができた。今年は酷暑の影響だろうか、例年よりずっと早くに花も咲いてしまったようで、もう残り花がひとつのみで、その基部下へ多くの果実がいっぱいついて見させてくれた。これには感激ものであった。

 さて、近年では害獣増加によって、植物なども極めて被害を受けている。そのために山中に相応しくはないが、鹿除け柵なるもので保護されることが普通に行われるのも致し方ないだろう。しかし、可能なら人工物での保護柵方法はないに越したことはないだろう・・。
 当方は大自然の中での花を考え、鉄骨や金網を立て並べるのではなく、あたりの大小の枯れ木を寄せ集めての保護柵替わりとし、結果としてこの地のツチアケビの開花から果実までの様子を目にすることが、こちらでは初めてできたのである。
 すなわちオーバーだが、鹿の食害防止に成功したのだ。このまま実が落ちる晩秋頃まで鹿に食べられなければ、来年には新たな個体の更新となることになるのだろう。それを思へばゾクゾクするほどの喜びがフツフツと湧いてくるのであった・・。

 ただ、この手法はいろいろなハイカーがいるために、もしもこの地でツチアケビを見つけた花好きな方であれば、枯れ木の防護が邪魔なために取り除けて撮影となろう。そこまではよいのだが、はたしてその後始末が確実にやってもらえるのか、その点で心配となってしまう。
 取り除いた枯れ木を放置のままにされたのでは、その後は鹿によって花や実は消えることは確実である。ということで、この地のツチアケビの果実姿を目にされた方は撮影後には、枯れ木等を確実にもとの状態へ戻して頂けるように節にお願い申し上げる次第です。ペコリ

   ツチアケビ(ラン科)  
6~7月に黄褐色の花を多数つけ、奇妙な
姿だ。
花の直径は2cmほどで、色あいも独特だ。
 
茎の高さは30~100cmになるが、
こちらでは枯れ木を被せて保護のために、
40cmほどと低い
  葉緑素をもたず、光合成をして自ら養分を作れ
ず、菌類からすべての養分を得て成長する腐生
植物である。
盗掘や実を持ち帰っても育てることは不可能で
あることを知っておきたい。 
     

 今年のウバユリは豊作のようだ。今回もあちこちで6株も開花しているのが目に入った。花が咲くとそれまでついていた葉がなくなる個体があることから、姥は歯がなくなることにかけて「ウバユリ」と名がついたと謂われる。

 
ウバユリ(ユリ科) 

 ウツギの仲間で最後に花を咲かすノリウツギが咲き初めとなってきた。また、ヤブコウジも開花の頃となってきていた。

         
 ノリウツギは古くは障子紙を貼った   ヤブコウジの 赤い実は正月の縁起物   頂でもカンカン照りで人影は少ない 

 ナナカマドの若い果実だが、熟すころには赤く照り輝き実の美しくなるのが待ちどうしい。かたや、シロダモの花は秋に咲くという変わり種である。

         
ナナカマドの若い果実だが、赤い実が美     シロダモ開花は10~11月だが今年は?   左の葉は三行脈がきれい、葉裏が白い 

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