細川 八幡谷右岸尾根から釣瓶岳 ’18.1.7 曇

JR堅田=細川-細川城跡-P713-Ca1040-釣瓶岳-ナガオ-広谷-イブルキノコバ-ダケ道-JR比良 

 今年も昨年と同じような多雪の比良となりそうだ。今日も喜び勇んで細川城址から八幡谷右岸尾根に取りつこう。JRの人身事故でダイヤが遅れ気味となってしまったが、なんとか堅田駅発のバスが待ってくれていたために、上手く10分遅れで登山口最寄りのバス停(9:55)に着いてくれた。

 さぁ、今日もマイナールートの八幡谷右岸尾根に向かおう。すぐで細川城址から続く古道に入れば踏み跡二筋目のハッキリした道形(最初は細くハッキリしていない)を左折する。少し進めば、昨日だろう二人分だろうか、トレースが出てきた。アレー、どうやら我が道と同じ方向にとって登っているようだ。こんなコースを登るのだからよく知った方だろう。などと思いながら次第にトレースの借用が有難くなってきた。途中昔の崩落地跡を過ぎれば取りつけ地は近いことも知っているので安心である。

 そしてバス停から半時間もしないで、やや左下が切れ落ちそうな細くなった箇所を注意して通過し、そろそろだな急登の取りつき地点はと思った瞬間に、真上のような所に男性の姿が現われ、続いて女性の姿であった。その時10時半ころだったために、こちらから、「エー、撤退ですか・・?」と声を発してしまった。
 「いえ、昨日釣瓶に登ってテントを張り、降りて来たんです。」とのこと、「わぁー、失礼なこと言いました。この急登をテント泊とはすごいですね。ここはなんども登ってるんですか。」「いえ、初めてです、それよりバスは安曇川行があるんですね。」との質問で「堅田駅と安曇川駅の二つありますよ、時間をいいましょうか。」と持参メモを出して今からであれば12:24発があり、その安曇川行の細川バス停は堅田行とは場所が違うことや、時間待ちにトイレ水道設備ありの休憩所等をお教えした。
 「ありがとうございます、上のトレースはバッチリつけていますから頑張って登ってください。」と激励され、「それにしてもピストンであればトレースが十分でありがたいことです。こちらはここのルートは5度目ですからいいのですが、トレースがお借りできるのはうれしいです。」とお礼をいって別れた。

 するとやっぱりすぐ2~3分でCa500弱くらいだろうか、二年前の覚えのある取りつき地で、この急登部分はヤセ尾根であり、雪は風に飛ばせられるので深くはないのだが、しかしその後の道はトレースが大いに役に立つことだろうとワクワク気分で登っていった。

     
 細川バス停、左の道へ進む 昔の崩落地跡、でもそう支障はない   10:36取りつき地到着

 50分たらずでP713のフラット地に着き、ようやく一本であった。最初の急登地はどうにかやっつけたのだが、問題はこれからであると休憩中でも先が思いやられる。急登地をアヘアヘいいながら登っていると北には武奈ケ嶽、三重嶽に大御影山、それに奥には大谷山など高島トレイルの面々が白く輝いている。ただ、大谷山は二年前の正月3日に歩いたのだが、その他の山域はしばらくご無沙汰だなと感慨深く眺めていた。

     
P713地はなだらかでうれしい    三重嶽などが見えズームで 

 次の目的地である縦走地のCa1040のニセピークまでだが、この間にも760から960あたりまでが二度目の急登地部分だ。そうは言ってもこの間はさすがに最初よりはやや急登が緩めのようで40分ほどで1040直前の960となってくれた。そして樹氷とまではいかないまでも何とか自然林の素晴らしい景色の中を楽しませてくれた。

     
1000mあたりからのなだらか地になると溶け始めた霧氷のよう、それなりな景色に酔いしれていたのだ・・ 

 着きましたニセピーク12時半だ。左にはこれから行く釣瓶岳だ。勿論この先に進むナガオの稜線も見るからにゴマ塩程度の白さであるが、北から南へなだらかに尾を引いている。そして圧巻は南の武奈ケ岳だ。山頂には10人ほどだろうか、なんとか人の姿が目に捉えられた。昼はこれまではいつもここで食べていたので、今回は釣瓶としよう。

 
1040のニセピークから見る北東側の釣瓶岳 
 
同じく南側の武奈ケ岳、右に下がる細川尾根上部の大杉地だ

 いつものように1040から15分ほどで釣瓶岳(1098m)であった。頂上の杉はいつ来ても雪まみれである。山頂より南へ20mほど下がって伊吹山に金糞岳、横山岳などを眺めながら大休止(12:50~13:20)としよう。といっても半時間で腰を上げた。

     
雪まみれの釣瓶岳山頂 (12:48)   東の伊吹山などをオカズにメシ美味 

 さて、ナガオ歩きを楽しもう。ところが、これまでのナガオ部分では一人ないし二~三人の足跡を拾って楽ちん歩きをしていたのだ。しかし、今回八幡谷右岸尾根からのナガオ部分歩きが5度目にして、初めてのノントレーにしっかり一人ラッセルのきついアルバイトをさせられたことにあった。それは、今日の上りの八幡谷右岸尾根は二人のピストンによるラッセル泥棒でシューであってもほとんど沈まなかったのだが、こちらはさすがにほぼ膝あたりまではずっと続いたのだ。でも、上り部分と違い、こちらはほぼ高低差なしのために問題なしだったのだが・・。
 ところでナガオには1050が三か所あるのだが、今回は最初だけが武奈がどうにか見られたのだが、二番目三番目は雑木の背が伸びたからなのか、それとも積雪がまだまだ足りないのだろうか、ほとんど見え辛く写真も撮らなかったのだ。でも三番目の1050がいつも目にするパラボラアンテナの目立つカラ岳と釈迦岳が目に入り、これで間違いなく広谷へ帰られると安心できる場所である。

     
最初のCa1050からの武奈   三番目の1050地に向かう 東南東の釈迦岳、カラ岳 

 最後の1050からも見ていた次のピークの1040手前では北に蛇谷西峰の反射板と本峰の双耳峰に日があたって輝いていた。1040ピークすぐ下には小さなケルンが雪に埋まり、そのそばの大杉コッヘル地から広谷への下山地は近い。

     
左に双耳峰の蛇谷ケ峰    1040下の大杉のコッヘル地 

 大杉に打ちつけられたコッヘル地を通過すれば、この大杉地より広谷への谷筋下り地へは、地形図上で計算すれば375mのようだから近い。それは地形図上の標高点991手前のCa990手前の谷である。要はこの下山地を見落とさないことであるが、その右折点は目の前に990の急坂に突き当たれば、その壁のような坂を登らないでその手前あたりから右折し降るのである。
 これまでは990への高さ10mほどの急坂を登って、すぐ右側から回り込んで左前方の尾根にとりつき無理に急降りの坂道を使っていたのだが、急な990への上がりとその後の急尾根下りが嫌だった。以前からその他にもいろいろな個所を試行錯誤して谷へ降りていたのだが、昨年あたりからはその990のすぐ手前から右折し、背が高く上方にヤドリギがつくブナの木(↓真ん中画像)を目印としているのだ。
 この広谷への下り道は多くの人はいろいろな個所を降っているためにどなたでもが、ここを使っている訳ではなさそうだが、ナガオの尾根から直接広谷へ降りられる危険度無の一番やさしい谷筋下りルートと私は勝手に思っている。お奨め谷ではなかろうか・・。

     
向かい斜面の大杉に目が行くが、手前に背の高いブナにヤドリギを見てその下すぐに谷で一直線に谷下り

 この谷を降っていき、谷の最後まで降りずに最後のほうで左上(下から見上げればテープあり)に上がれば、もうすぐ下が広谷の広場で稜線右折点から谷まで5分ほどである。ここにはいつでも目につきやすいサワグルミの大木が多数の幹(↓真ん中画像)で立つのだ。よく見れば株別れで8本も幹が出ている。この一帯は慣れない登山者には多雪時は要注意箇所であることも承知しておこう。

 丸太橋や広谷の標識が見にくくなる多雪期にはレスキューポイントの表示板が二本のカエデの木の右側(↓左端画像)につけてあることも知っておこう。広谷の沢はここで支流と合わせるが、イブルキノコバへの丸太橋がそろそろもう役に立たなくなってきた。ナガオあたりの左岸方面から降りて来てイブルキノコバへ向かう登山者はここで渡渉し、支流側へ踏みだすこととなるのだ。今回は雪が多くあったのだが丸太橋すぐ下流(↓右端画像)を渡渉とした。

 釣瓶からここまでノントレーの汗まみれのアルバイトをしたのだが、渡渉後すぐ先でよくよく見れば武奈ケ岳の東稜から多くの方達が下山してきたのだろう、右岸側にバッチリとトレースが上がっているのが目に入った。やれやれ、これで我が足もホッとすることだろう。

     
丸太橋手前のレスキューポイント地  広谷のサワグルミの大木 丸太橋すぐ下流を渡渉した 

 渡渉後すぐにトレースを見てシューを片づけツボ足とし、イブルキノコバ(14:45)に着けば武奈から尾根の冬道を下ってきた男性がグロッキーとなって休んでおられた。こちらは後1ケ月もたてば日も長くなることだろうが、小寒が過ぎたばかりではまだまだ日が短くて下山するころにはうす暗くなってしまうだろうと、同じように休みたかったが先を急ぐこととした。
 そしてツボ足のままで八雲が原、北比良峠と歩き、ダケ道に入ってもそのままツボ足としたが、以前からのイヌブナの倒木地あたりではさすがにアイゼン装着として、イブルキノコバからは無休憩でカモシカ台まで降りて来た。ところが17名の京都○○登会の方達が出発していかれた。

 一瞬先に行かせてもらおうかとも思ったが、こちらはカモシカ台で最後の休憩を取ってここで長めに休もうと降りてきていたのだ。サブの方によれば慣れない方が多いようであり、あまり早く歩くと先のグループに追いつき、ともすれば追い越し時に狭い岩場あたりでミスって事故にでもあったらどうしようもないとの考えであったのだ。そうはいっても時間的におしてきそうだ。

 10分ほど休んでから、そろそろ降りようと歩きだせば、一人二人と遅れ者が出ているようで、大山口近い終盤あたりで本隊に追いついてしまった。サブリーダーらしき方が「先に行かれますか」との声だったが、ここはぐっとこらえて「いえ、もうすぐ大山口につきますからそのままついて行きます」と言って少し離れて追随して降りることにした。
 最近ダケ道におけるこの下山時の道は相当改善していただいているのだが、そうは言っても大山口手前の岩場交じりの箇所は極めて要注意箇所であることを肝に銘じておきたいと今回も無理は禁物とのことで下山とした。腕を見れば17時前となっており、すぐで暗くなりそうな日暮れがやってきていた。
 下山口の沢で手早く後始末を済ませて、そばでうろうろしているその集団を追い越して近道し、桜のコバへ出てそれでもうす暗くなってしまい、比良駅へ後15分の表示あたりからはヘッデンを使いながらJR比良駅(17:50~54)へ帰ることとなってしまった。
 それにしても、これだけ遅くなってヘッデン利用は長い間記憶にないのだが、1月中のロングではコース選択も考慮が必要ではないだろうか・・。もっとも本日の我が足はこれまでの時間経過とほぼ同じであり、違うのは歩いた時期の相違で、これまでは2月・3月ばかりで、1月始めころにはこれだけ時間のかかるルート歩きはやっていなかったのが原因のようだった。

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