西山 梅雨の中休み ’21.5.26 晴のち曇 

 続く雨降りにうんざりしていたが、どうやら梅雨の晴れ間がやってくるようで、その報を聞いてすぐさま元気が出てきた。いつものハイクで植物観察としよう。林内でやや湿り気の多いところに生えるといわれるホナガタツナミソウが大群生で足の踏み場もなかったが、惜しむらくはやや訪ねたのが遅かったのが悔やまれる状態となっていた。

 
ホナガタツナミソウ(シソ科タツナミソウ属) 

 期待していたバイカウツギだが、まだ数えるほどしか花の開花はついていなかった。これから樹間を真っ白に染めんがごとく咲き誇ってくれることだろう・・。なお、この花の名の由来は梅に似た花を咲かせることからのようだ。そして、ウツギと名のつく植物は、アジサイ科とスイカズラ科のほか、バラ科、ゴマノハグサ科、ドクウツギ科、ミツバウツギ科、アオイ科にもある。

 
 バイカウツギ(アジサイ科バイカウツギ属)

 ツツジ科は大きなグループの植物だろう。早くから咲きだす種やら遅くなってから咲きだすものまでいろいろな仲間たちがある。そんな中のネジキにも満開の候となってきていた。成長が進むと樹皮が捻じれてくるのでついた名のようだ。そして、数あるツツジ科の中でも数少ない有毒植物としても知られる。

 
ネジキ(ツツジ科ネジキ属) 

 ソヨゴが咲初めとなってきた。このグループは雌雄異株といって、雌株、雄株と別株なので、当然花姿もことなるのだが、そのようなことまで知る必要のないハイカーが大方であろう・・。「アッソヨゴが咲いてる!」との声が聞こえるだけで、こちらはそのような声が入ってくるだけで、「アッ花仲間だな・・」と、うれしくなってくる身なのだが・・。

     
ソヨゴ(ツツジ科ソヨゴ属) これは雌花でまばらにつく     ごちゃごちゃと咲くその雄花

 ミツバウツギ科という小さなグループの仲間で魚と同じ名をもつゴンズイの開花が始まっていた。ただ、この木は淡黄緑色の小さな花を多数つけるも、花弁と萼片は5個、ほぼ同形で、ともに平開しないために花時はどなたでも気にはならないだろう。
 しかし、9〜11月頃になれば果実が赤くなって熟し、裂開して光沢のある黒い種子が1〜2個顔を出して異様な姿を見せる。その頃通過するハイカーの眼には必ずと言ってもよいくらい「アッ、あの木は何というの・・」と、声が出ることおびただしいので、おもしろい!

     
対生のゴンズイもそろそろ開花始まり     ゴンズイ(ミツバウツギ科ゴンズイ属)

 モチノキ科は日本ではモチノキ属のみで23種しか分布していないらしい。その中で果実が美しく、全体がミズキによく似ることからタマミズキとつけられたようだ。赤い果実が見事なのはモチノキ科の特徴ではないかといわれるほど沢山あるのだが、とりわけ晩秋から年末にかけて、落葉して坊主になった樹々の真っ赤に照り輝くように見える果実の美しさに見惚れてしまうのである。なお、2020年末の赤い果実の様子はこちらにあり。

 しかし、その花時は如何せん10m以上と高木であり、花の大きさは2~3mmと極小のために、遠望でもほとんど目えづらく、花の様子は普通目にはできないだろう。今回は開花にはやや早く、蕾状態のようだったが、↓右画像の中にその蕾が写ってはいるのだが、帰宅後にじっくり凝視してみて初めてその様子を見えたほどである。

     
タマミズキの葉は質が薄くとりたてて特徴はない    タマミズキ(モチノキ科モチノキ属) 蕾はっきりせず 

 さて、今年は植物たちは例年になく早咲きとなっているのだが、ササユリも早晩には開花となることだろう・・。今回はその芽出しは5株みつけていたのだが、3株が茎途中から切られてツボミ部分がなかったり、株毎消えていたりで、ようやく1株のみが写真だったが、もう一株は遅めの芽出しでツボミもつけてはいなかったが、これらの個体すら今後の命は心もとない・・?。
 さて、山野草の盗掘は泥棒です。それぞれに山主が居られます。花はそこで咲くから美しいのです。心の汚れた人に持ち帰られても美しく咲くことはないでしょうから、お願いです。今後は山歩きの心を入れ替えて頂きたいです・・。

 
 開花の最後までこの地で見られますように

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