ポンポン山の花歩き ’21.6.26 曇りのち小雨

 午後から雨模様とのことで駆け足で花歩きとした。お目当ては、ほぼ無防備のツチアケビの鹿食害となっていないかとの確認であった。結果として3輪芽出しだったのだが、その内の二輪だけが茎だけ残して食べられてしまってた。
 実は前回に一番成長していたものを、あたりの枯れ木を搔き集めて周りから上部にかけて、鹿の口元が入り難いように防備していた株だけが無傷で残っていた。最低限の枯れ木を除けて撮ったのが↓画像である。惨めな枯れ枝の囲いで日照力は弱いだろうが致し方ないのだ。

 しかし、手短に世話をしないと、いつハイカーに寄って来られる可能性も心配で、ゆっくりとツチアケビを見ながら昼食としたいところだが、そんなことも出来かねる始末である。残念だが前回と同じ要領で枯れ木を被せてみたものの、開花まで残ってくれるのだろうか・・。

 やっぱり、今後の食害が保証できそうにもない。とはいえ、現在、山中で方々に鹿除け柵等が設置されている状態での野草類の保護は、私にとっては本意ではないのだ。辛抱強く鹿との共存ができればいいのだが、その願いは届きそうにもないのがいまいましい・・。

 なお、このツチアケビは京都のRDBでは、準絶滅危惧種のカテゴリーとなっている希少種である。その選定理由は「腐生植物のため、保全や移植が難しく、近年未熟な植物帯や開花した花が鹿の食害を受けている。結果種子ができないことになり、個体の更新が難しい。」とある。このような観点からも、現在ある個体がいつまでも途絶えないように、末永く花好き人の心ある愛で方をお願いしたいものである。

 
 ツチアケビ(ラン科ツチアケビ属)

 オカトラノオは日当たりのよい山野の草地に生える、ほぼ1mの高さになる多年草である。この花は低山でも普通に見られる花のためにハイカーならどなたでも知っているオカトラノオだ。地下茎を長く出して増え、各地で群落をつくる様だ。

 
オカトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属) 

 本日の高みであるポンポン山にはいつも登られるハイカーが多いのだが、ササユリはその方たちによって、イソノキの古木下へ鹿除け柵が整備されているのだ。それにしても柵のお陰で、今回は12株が咲き誇っていた。
 昔はこの頂でも柵なしの中にひっそりと咲くササユリが見られたものだが、その姿が消えてから何年も経ってしまった。その後に心優しいハイカーの方によって、しっかりとした鹿除け柵が日々管理され、本日もその方が見えていたが、早速お礼を言って撮らせていただいた。でも、花の見ごろは終盤のようだから、今年のササユリ鑑賞には雨模様が続きそうなことから、もう綺麗なのは辛いだろう・・?。お早めに!

         
    ササユリ(ユリ科ユリ属)     

 ケアクシバが咲き初めとなっていた。私はこの花は長い間、単に「アクシバ」と呼んで楽しんでいたのだが、厳密には『ケアクシバ』だと、いうことを昨年知ることとなった。どうやら、簡単にいえばアクシバは無毛で東日本に分布し、そして西日本で咲くのは毛のあるのがケアクシバというと、詳しい図鑑でも表記があるのだ。その詳細な記述はこちらから見ていただこう。

 
 ケアクシバ(ツツジ科スノキ属)

 他に見た開花や幼果等である。特に↓最後のギンレイカの開花は6~7月だが、もう花は終わっており5mmほどの果実ができていた。ただ、このギンレイカ(別名ミヤマタゴボウ)は、京都のRDBでは準絶滅危惧種となるほど希少種で、花も小さくほとんど開かずに、咲いてもすぐにすぼんでしまい、みる間に果実となる習性があり、そのようなことから目につきにくく、個体数も少なそうでほとんど目にすることが珍しいだろう・・。

         
 シオデ詳しくはこちらからどうぞ    小さなツルアリドオシが花時となって   草地に群生するウツボグサ
         
 トチバニンジンの花も過ぎたか   幼果ができたチゴユリ久しぶり     花の済んだギンレイカは見難い

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