西山に咲く花  ’20.7.15 曇のち小雨

 長く続く今年の梅雨もそろそろ終盤となってくるようだが、それにしても中休みもほとんどない。そんなイライラ気分をはねのけようと午後からは雨もとの予報ながら、無理やり出かけよう・・。となれば頂には届かないが山麓においても咲く花はなくはない。

この時期の花は西山ではやっぱりカワミドリという名前もしゃれた紫色の花から雄しべが飛び出て目立っている。茎の高さ1mにもなり、上部で枝分かれして広がって長いものは15cmほどの花穂に、紫色の唇形花を多数密集して、紫花を賑やかに見せてくれる。葉は対生で、長さ5〜10cmと大きく鈍い鋸歯をもつ。この花の葉をもめばハッカに似る香りもよいので嗅いでみる。

 
 カワミドリ(シソ科カワミドリ属)

 やっぱりうるさい蚊に襲われながら咲くコクランが恨めしい・・。なぜもっと湿り気の少ない地で咲いてくれないのだろうかと思ってしまう。でも、もう間もなくこの花も終盤となってきたのだろう。そろそろ飽きの感覚となってきたのではと思えば、この花に申し訳が立たないか・・。

     
コクラン(ラン科コクラン属) 冬もこの二枚葉で越すコクランだ。紫色の花の姿も異様に映るが・・ 

 ナス科の花のスタターだろうか・・。イヌホオズキの仲間だが、今ではふつうにみられるのはこのアメリカイヌホオズキがほとんどのよう。そういえばイヌホオズキにはしばらく出会えていない・・。というよりそんなに意識もしていないのかも・・。今年こそ、なんとか本来種でもあるそのイヌホオズキを目にしたいものだ。

 
 アメリカイヌホオズキ(ナス科ナス属)

 シオデの花を見れば夏場の線香花火が懐かしい。この花は雌雄異株であり、こちらでは雄株しか見ていない。画像はないが先に雌花から話そう。そり返る花被片の上にはよく目立つ緑色の子房が縦長にあり、さらにその上に3裂する白い花柱が乗るようだ。これが雌花の姿なのだが、残念ながらこの雌株はそう簡単には見られないだろう。その雌花を目にしたいためになんとか西山でも探したい!

 続いて雄花だが、これは↓画像のように、それこそ線香花火の感じで、雄しべが長く咲き白い葯がくるっとカーブして目立つのだ。もちろん雌花と同じで雄花の花被片もそり返っている。葉の葉脈は凹み裏側に隆起する。そして葉裏の色は表とかわらず緑色である。茎には稜あり触れば角ばっているのが分かるのだ。

     
 シオデ(サルトリイバラ科サルトリイバラ属)の雄花    シオデの葉表、葉脈は凹み、細脈も目立つ

 その他にツボミまたは咲いていた花は少ない

         
ヒメヤブラン(キジカクシ科ヤブラン属)     アキノタムラソウ(シソ科アキキリ属)   ジャノヒゲ (キジカクシ科ジャノヒゲ属)

 この時季、カラスウリの花はキカラスウリより遅めのようでこれから咲きだすことだろう。そこで秋には果実ができる株なのかぁ・・と葉の中を探せばツボミができ下の細長い萼筒(↓右画像)があって、その基部が膨らんでいた。その膨らみは子房が入っているのだ。よって、雌雄異株の雌株であることが分かった。こちらでも晩秋には楕円形の赤い果実を見せてくれることだろう・・。

         
カラスウリ 葉はザラザラしている   カラスウリ 葉裏に毛が多くあり     花これから萼筒基部子房膨らみ雌花

 こちらの田んぼでは周囲が鹿除け柵が張りめぐらされていたのだが、ここ数年にわたってその網柵につるんでいたガガイモを楽しませてもらっていた。ところが、今年断りもなしに、草刈りされてしまって、すっかり姿が消えてしまい、今年はもうダメかなぁ・・と悲しんでいたのだ。笑い涙

 気になってその周辺の田んぼをうろついてみた。すると道路を挟んだ反対側の網柵地にガガイモの新葉が絡みついているのを発見できたのだ。さらにうろつけば小さな葉が相当数、網を目指して伸びているのも目についた。「ヤッタ~、これならうまくいけば今年も花をつけてくれるかも知れないゾ!」と、大喜びとなったのだ。

 
ガガイモのこの新葉は実に美しい葉に見えた~ 

 花が美しいフジウツギの仲間であるフサフジウツギが咲きだしてきた。こちらの花は美しいために園芸用に栽培され、ブッドレヤと呼ばれて花好きに人気の花のようだ。暑い晩夏まで咲き誇ることだろう・・。

 
フサフジウツギ(ゴマノハグサ科フジウツギ属) 
     
本家は花がややまばらにつくが、こちらはびっしりと蜜に咲き、葉は対生で幹は中空 

 他に咲いていた樹木花はリョウブとシャシャンポだけしか目につかなかった。

     
夏の花リョウブが開花始まり    ツツジの仲間シャシャンボは果実化へ

 ヤマナラシも観察に向かったが、もう実生での芽出しが50cmほどにも育って、成長は早いとある通りの状態が分かった。スモモの果実はさすがに高いところを含めてすべてなくなっていた。でも、カリンの果実はこれから大きく成長するために、人の手にかかってはいないようだった。 

         
 ヤマナラシ(ヤナギ科ヤマナラシ属)   実生でどんどん大きく育つ    バラ科のカリンの実はさらに大きくなり 

7/12フウラン、モッコク ホームヘ 7/18大原野の植物観察






inserted by FC2 system