西山の花歩き ’20.10.12 晴のち曇

 カリガネソウのその後を訪ねてみたがもうほとんど終わり状態となっていた。でも、なかには残花も少しばかり咲いて待ってくれていたのだ。この花には強い臭気があるためその点で嫌う方もあるようだが、わたしは何度見ても面白い花姿がお気に入りである。花期は8~9月とあるも今年は8月上旬に見て、そして10月中旬というのにまだ写真も撮れたほど、なかなか長期間ハイカーを楽しませてくれる花には頭が下がる気持ちで、ありがたい・・。

 
 カリガネソウ(シソ科カリガネソウ属)

 ゲンノショウコは東日本では白花が、そして西日本では紅紫色の花が咲くとあるのだが、京都では両方の花が見られる。とりわけ、白い花でやや大ぶりの花が咲き、ややもすればミツバフウロが咲いている・・と見間違い易いが、中でも葉はどちらも5裂や3裂があって双方の同定は容易ではなさそうだ。
 しかし、茎や花柄などにつく毛の様子で見分けることで可能のようだ。それはゲンノショウコは、花柄や萼片に開出毛(軸から直角に伸びる毛)があるのだが、ミツバフウロウはこの毛が開出毛ではなく、茎や花柄に下向きの圧毛(圧せられたように下を向く毛)や屈毛(曲がって生える毛)がある点をチェックすることだ。その結果、西山山塊では ゲンノショウコばかりで、ミツバフウロは見られないようだ。

 
 ゲンノショウコ(フウロソウ科フウロソウ属)

 その他の目についた植物は次のようにまだまだ熟すところまでは時期尚早のようだった。

         
 ヤブランの完熟色は11月ころに黒色に   マユミ10月にピンク色になり4つに裂け朱赤の種     クロガネモチは11月ころ黒く完熟
         
* カゴノキ(クスノキ科ハマビワ属 )の花期は8~9月で翌年秋に黒く熟す    イヌザンショウは10~11月頃褐色に熟す 
         
 ウメモドキは11月頃に赤く熟す   タマミズキは 11月頃に赤色に熟す   ゴンズイは10月末頃に赤い果皮と黒い種子へ 

 *カゴノキは暖地のタブノキ林やシイ林、カシ林に混生するので、六甲山などではよく目にするも、京滋では珍しい樹種であり、大木になるためにハイカーにはほとんど知られないようなカゴノキだ。大木が普通で、今回目にしたのも大きすぎて、葉や花などほとんど目にはできなかったが、ズームして見ても花は終わりだろう・・というくらいでほとんど確認すらできなかったのが実態である。ただ、木肌は灰黒色。樹皮がまるい薄片になってはがれ落ち、その跡が白い鹿の子模様になる独特な姿を知っていれば、山歩き中に大木のその前に立てばすぐに「あっ、カゴノキだ!」と感動の声が出ることだろう・・。

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