比叡山に咲くマツブサ ’21.6.9 晴

 マツブサは日本全国に分布する樹木ではあるのだが、個体数は多くなく京都府では準絶滅危惧種との位置づけである。それに落葉つる性木本であり、つるは左巻きであるのだ。また、樹木は雌雄別株であるために、雄株だけではなく雌株も探さないと、果実には出会えないことになるやっかいな樹木なのだ。

 幸い、わたしはまず雄株に出会ったのだが、ツボミ状態(↓右画像)だけで、その雄花は見損ねてしまった。実は再訪が遅れてしまい、花は散った後で、花柄のみ一本しか残っていなかったが、そのまま雄花の開花は見られずである・・。その後に今回の地で雌株を発見したために、その後はあの雄花は、北山の遠い遠い地のためにそのままとなっているのが、誠に残念であるのだが・・。

         
今回はほとんどがツボミであった~  マツブサ(マツブサ科マツブサ属) わずかにひと花の雌花が・・    18年5/12に雄花のツボミを見つけたが・・ 

 なお、これまでのマツブサの主たる観察模様は次のとおりである。参考までに覗いて見てください。図鑑では果実は10月に青黒く熟すとあるが、どうやら赤く熟すこともありそうだ。

年   ツボミ 花   果実
2018   5/12  6/14  10/2 
2019   6/13  6/13 10/15 


 続いて、珍しいバイカツツジが何とか待ってくれていた。ちなみにこのツツジは西日本型で紅紫色の斑点が環のように見え、東日本型は斑点が花弁上の3枚のみにつく点が大きな相違点である。日本では糸魚川から静岡の中央構造線ともいわれるフォッサマグナの構造線を境に住分けているという。なお、関西圏では当地以外では六甲山系で昔にわずか一株のみしか見た覚えはないのだが・・。

 
合弁花のバイカツツジ(ツツジ科バイカツヅジ属)中心の赤斑が珍し 


 アワブキという名前の面白い樹木もそろそろ開花を迎えそうだったが・・。離れたところのアワブキをズーミングしたのだったが、ハッキリとは撮れず残念だった。ちなみに2年前に京都北山で美しいアワブキに出会ったことが蘇えってきた。名の謂れは木を燃やすと切り口から泡を吹き出すことから名がついたようだ。  

 
 アワブキ(アワブキ科アワブキ属)


 好きな名のツルデマリが久しぶりに目についたが、杉の高木につるんでいることから、花が高すぎてどうにもならない・・。それにひきかえ、酷似するイワガラミは近年自然の山中では葉を見るだけで、開花状態には出会えていないのが残念だ。ただ、この両者の違いは花でも葉だけでも一目瞭然だ。

 他にもオオバアサガラ、テイカカズラにバイカウツギ等もやや終盤だったが、残り花が見られ一応満足だったこととしよう・・。

     
ツルデマリの本名はツルアジサイだ    オオバアサガラはほとんど終わりのよう 
     
 テイカカズラ満開、蕾も多数   ここのバイカウツギは堰堤そばで刈られてた 


 最後に花も済んで、若い果実となってたグループである。

         
 面白い姿のハナイカダ   ハイカーのおやつイワナシ    イヌツゲでなくホンツゲの若き果実も 

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