比叡山の秋花 ’20.10.1 曇のち晴

 本日は中秋の名月、ところが、昨年は9月13日だったのだが、今年は珍しく10月になってからなのはどうしてなのか・・?、と疑問がわいたので調べてみた。どうやら、旧暦と新暦には1ケ月~2ケ月のズレがあるため現在の中秋の名月は9月だったり10月だったりするらしい。やはり秋は空気が比較的乾いており、空気中の水蒸気量が少ないということで、くっきりとした月が見えることから昔の人は秋に見られる満月の日を中秋の名月として雅にお月見を楽しんだようだ。

 ところが、今年はコロナ禍によってこのような秋の定番でもあるこのイベントは大方中止となったのは不運であった・・。とのことから我が心は爽やかになってくれた秋空を見上げながら比叡山へ向かうことにしたのだった。しかし、秋花はコロナではなく、夏の酷暑は言うに及ばず、長い夏の雨期となってしまい、野菜等は当然ながら異常であり、我が目指すほとんどの植物たちも大きく痛めつけられた模様らしく、出会えるだろうと期待していた花々がほとんど見られないというか、極わずかな状態であったことは誠に残念至極であった・・。

 寂しい草原にはミカエリソウのみが咲き初めとなっていたくらいだった。この花はテンニンソウの仲間なのだが、なぜか両方が同じ場所には咲かないようだ。簡単な見分け方は淡紅色のミカエリソウと異なり、テンニンソウは淡黄色で地味である。もちろん他にも茎や葉の星状毛のあるなしでも区別可能だが、花を見るのがた易いだろう。

 一番残念だったのは、アキチョウジの花に似通った珍しい花を咲かせる『サンインヒキオコシ』が今年も見られなかったことだった。ひょっとして盗掘されたのでは・・とは思いたくないのだが・・?。我慢強く開花の年を待ち望みたい。
 また、例年この時季であれば、水場に大きな丸い葉で、黄色い花を咲かせるオタカラコウすらも一輪たりとも見かけなかった。こちらは鹿の食害に遭ってしまったのかもしれないが・・?。さらにはマツブサやウリノキの果実も皆無だった。例年会うことのできた花や実に出会えないとは実に寂しい! シュン

 
ミカエリソウ(シソ科テンニンソウ属) 
     

 今年も咲いてくれ、花の実ができていてつとに喜んだ。それはマルバノホロシだったのだ。よく見られるヒヨドリジョウゴの仲間なのだが、マルバノホロシは個体数も少なく、ヒヨドリジョウゴは毛が茎や葉柄等に特に多いことが大きな相違点だろうか。もちろんその他にも詳しくはいろいろ違いはあるのだが・・。この仲間たちは今月下旬あたりから光沢ある赤色に変わって熟し、そのころにはハイカーの目に入りやすい美しい果実となることだろう・・。

 
マルバノホロシ(ナス科ナス属) 

 そして、何とか探しまわって、どうにか見つけたものたちをあげてみよう。数は例年に比べて極端に少ないように思えた・・。

     
ツルニンジンが強い雨降りで傷んだか    コバノガマズミでも数少なそう 
     
*イヌガヤの実は多くないのでは     ホツツジもほとんど咲いていない

 *イヌガヤの実は翌年の10月ころに赤紫色になるが、特に花期の3~4月ころの雌花は地味で目立ちにくい。また、翌年熟す果実も野鳥達にだろうか食べられてしまい、ハイカーの目にはほとんど入らないだろう。というより翌年10月ころまでに雨や強風等でも落下してしまうのではなかろうか・・?

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