善峯 西山古道の植物観察 ’18.3.3 晴

 ようやく春がやってきたようだ。西山古道を歩いて人と同じく春を待ちわびているだろう植物たちを訪ね歩くこととしよう。西山古道とは↓画像クリックでその説明が掲示されていたものを読まれたい。善峯寺、光明寺に柳谷観音を京都西山三山といわれているのだが、昔はこの三ケ寺巡りの信仰の道と言われていたらしい。この京都西山三山を結ぶハイキング道として2008年に整備された道である。地元の「NPO法人 京おとくに・街おこしネットワーク」の尽力にて早10年が過ぎた。その整備は今も日毎にメンバーにより続いているのだ。お蔭で危険個所も改善され、台風、豪雨等での被害があっても速やかな手入れはありがたい。とりわけ私はこの古道沿いにある植物達の名札が多数つけられており、これらを頼りの植物観察を楽しむこととしているので、今年最初の冬芽観察を楽しもう。


西山古道とは

 西国三十三所観音霊場の第二十番札所善峯寺からスタートである。終点のバスを下車し、最初からきつい上り坂が堪える。①の小橋を渡ってすぐに脚にやさしい自然豊かな山道に入る。この辺りはやっぱり紅葉のころの11月下旬あたりは京の庭師の七代目小川治兵衞が植えたといわれるモミジ群落が見どころであろう。でも、カエデ類ばかりではない、ケンポナシ、ヤブニッケイ、アワブキなどが道沿いに見られるのだ。

 そして②の展望地へ向かえばウワミズザクラのそばには⑧ナナミノキという超珍しい樹木札が目につく。植物園では見ていたが自然の中では初めてだ。今年の6月こそこの開花を見にこよう。ただ、10mにもなる常緑高木のためにこれまでから咲いていても気がつかなかったのだが、名札がつけられたことから是非やってきたいものだ。

 次の見どころは白糸の滝だ。岩場を伝って細い水の流れを眺めれば実に心穏やかになれる場所でもある。もちろん、早春には山野草が綺麗に咲き誇るのだ。ニッコウネコノメ、タチネコノメソウにヤマネコノメソウやミヤマキケマンなどが見られればラッキーだろう。

 次には5月中旬のころに歩けばクリンソウの群生地に知らぬ間に導かれる。初夏だけではなく秋にはアケボノソウも咲いてくれることだろう。すぐで④四辻の京青の森だ。ここにはベンチが賑やかすぎるほど設置されているので休憩していこう。もちろん、ここからポンポン山に登るコースが長岡京奥海印寺、立石橋からの本線である。

 この後はゴルフ場沿いにプレイを覗き見しながらネット沿いを進んで降りれば比叡山を正面に左には蓬莱山などの眺め抜群の展望台到着である。もちろんこちらで昼食など最高であろう。この後もいろいろな植物を観察しながら進めば、今度は柳谷観音さんである。今回はパスしたが、紅葉期は金網の鹿除け柵を開けて締めてお寺参りとしよう。ここ柳谷観音楊谷寺も紅葉期は真っ赤に燃えるような大紅葉が広がるのだが、まだまだ穴場ではなかろうか。

 この後もいろいろな植物観察にことかかない。そして尾根歩きから今度は谷筋歩きとなるのだが、この谷筋にもいろいろな野草達が待っていてくれるが、今日は樹木ばかりが相手である。途中十人橋をそろりと渡ろう。そして立石橋から林道を緩やかに登って西山キャンプ場でトイレ休憩としよう。その後は最後の上り坂となって野山へ登る。昔は梅林だったのだが、高齢化で手入れも行き届かないらしい。残る梅林跡は毎日散歩のみなさんの憩いの場となっている。

 そして最終ゴール地の光明寺手前の放生池よりすぐの光明寺へ無事に歩けたお詣りとしよう。

       
 ①西山古道スタート ②善峯寺展望地  ③ナナミノキ(モチノキ科モチノキ属)   ④白糸の滝 名前負け 笑 
       
 ⑤四辻の京青の森はお休み処  ⑥展望台からの眺め抜群なり~  ⑦十人橋が一番注意箇所 ⑧放生池から光明寺はすぐだ


 さて、植物観察である。最初は山野草だが、今年は雪こそ少なかったのだが、寒さがことのほか厳しかったようで山野草の開花は相当遅れ気味ではないだろうか。こちらでは雑草並みのタチツボスミレは除いて、スミレ二種しか目にすることはできなかった。早春一番に咲くアオイスミレは咲くももう終盤である。またタチツボスミレによく似る二番手のナガバタチツボスミレがようやく一輪のみ咲いていた。

         
 アオイスミレ上弁が立ち気味、花白め   距は長さ3~4.5mm    葉がフタバアオイ似ることからの名 
         
 ナガバタチツボスミレは濃紫色    距は細長く7~8mm   根生葉丸く、茎葉細長く三角状 

 続いて樹木は冬芽を中心の観察とした。まずはツツジ科スノキ属を見よう。

         
スノキ   ウスノキ     アクシバ
         
 シャシャンボ 葉腋赤が冬芽   同じく葉裏主脈に5~6個の突起あり    同じく木肌は暗赤色剝がれ気味 

 続いてツツジ科ツツジ属だが、その内のミツバツツジの仲間は全国に12種もあるがなぜか西山ではほとんどがコバノミツバツツジだ。もちろん、その他のツツジにはモチツツジ、ヤマツツジは当然咲く。

         
 モチツツジ    コバノミツバツツジ    同じく毛の多い裂開した果実の内縁

 その他いろいろな冬芽も見よう。

         
 ゴンズイ 対生    タマミズキ 雌雄別株、高木    ウワミズ ザクラ 葉の展開早し
         
 クロバイ 冬芽先尖る    リンボク バラ科 サクラ属常緑樹珍し    イヌガシ 花芽ほころび開花早し
         
 イワナシ 花芽ほころぶ開花早し   ヤマナラシ 古木は樹皮ダイヤ形目立ち     クサギ 葉がつけば臭いきつい
         
 コバノガマズミ 対生頂芽   同じく側芽もちろん対生    ウリカエデ カエデは全て対生 
         
 ヤブムラサキ 毛が多い    同じく毛が多い    ムラサキシキブ 無毛
         
 カマツカ 短枝多い    ウメモドキの冬芽目立たない

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